DAZ Studio Basics:タブ解説 D-Form
Category : Basics
DAZ Studio(以下DS)の変形ツールD-Formについてのエントリー第2回は、D-Formタブについて解説します。前回紹介したようにタブを操作しなくてもデフォーマは使えるのですが、ここにある機能を使うことで、フィールドの細かい操作や変形のモーフ化が出来るようになります。

※D-Form Spline Editorについて追記しました。
■D-Formタブの表示
タブが画面内に表示されていない場合は、メインメニューの View > Tabs > D-Form を選択します。D-Former(デフォーマ)の構造については前回の記事をご参照ください。

■D-Formタブのオプションメニュー
オプションメニューはありません。
■D-Formスプラインの編集
D-Formタブの「Edit Spline」を行った時のD-Form Spline Editorについて解説します。

タブ画像には「デフォーマ影響曲線」と書きましたが、これはデフォーマが対象ジオメトリに対して変形を及ぼす強さを表したグラフです。グラフの左がフィールドの中心、右が端に対応します。グラフはすべてのポイントを通過する曲線:スプライン曲線になっており、ポイントを追加したり移動したりすることで編集します。
初期状態では曲線はこのようになっており、平面をY方向へ変形させるとこのような曲面が出来上がります。角ができずフィールド外と滑らかにつながる、いい曲線です。

通常はこの曲線をあまりいじることはないと思われますが、効果を見るために極端な曲線にしてみました。水面の波みたいですね。

■magnet fitを使ってみる
D-Formタブの使用例として、今回は『V4 NGM Utopian Magnet Fits』を使ってみます。この製品は『NGM for Elite Utopian』に対応したマグネットセットで、そのモーフを持っていない衣服に適用してフィギュアに合った変形を行うためのものです。
今回のシーンではV4に『Cy-Atletik』を着せました。この服はEliteモーフは持っているのですが、NGMに対応したモーフは持っていません。では、マグネットの適用からモーフ化まで順番に見て行きましょう。
※フィギュア本体と衣服と何度も行き来して作業しますので、適用先を間違えないようご注意ください。
最初の状態です。この時点ですでにフィギュアのポージングやマテリアル調整なども終わっています。フィギュアのボディモーフはElite Utopianを1にしているのみです。

フィギュアに『NGM for Elite Utopian』を適用して、Eタイプのプリセットを使いました。服にはそのモーフが無いので、当然のことながら胸がはみ出します(フィギュアの肌にはセカンドスキンのブルーの下着が書き込まれています)。

NGMに合わせるために、服に『V4 NGM Utopian Magnet Fits』を適用します。

ここで問題が出ました。上の画像で赤丸を付けた部分、服のジオメトリが乱れています。これは、chest(胸)に設定されたデフォーマがabdomen(腹)にも影響が出るように設定されているためです。このように複数のノードに影響するように設定されたデフォーマを使う時は、ノードの変形(transform)をしないように気を付けなければいけません。具体的にはゼロポーズ(フィギュアの初期ポーズ)で作業しなければいけません。
ということで、フィギュア本体を選択してParametersタブのオプションメニューから Memorize > Memorize Figure で記憶させた後、Zero > Zero Figure でゼロポーズにした上モーフも初期化します。そして服の変形がフィギュアに合うかどうか見るために、再びフィギュアに『NGM for Elite Utopian』のEタイププリセットを適用します。必ずモーフの値は100%になるようにして下さい。

ちょっと肌が服を突き破っていますね。あと妙に鳩胸になってしまっています。
わかりやすいように服のマテリアルのOpacityを下げて半透明にしました。表示されているのは、「Mag Zone 11」と名付けられた大きなフィールドの影響範囲です。左胸に対称に設定されたデフォーマ「12」は削除してしまいました。ここでデフォーマを少し調整します。「11」のハンドルをちょっと上に移動することで肌が服に収まりました。

反対側の胸のデフォーマも同じように調整すればいいのですが、ここで便利なスクリプトを使います。それは「MirrorDform」という、デフォーマを左右対称になるように複製するものです(DS3、DS4でもそのまま使えます)。同じパーツ上だけでなく、左足に適用されたデフォーマを右足に複製してくれたりもします。
右胸の「11」デフォーマを選択して「MirrorDform」を実行しました。左胸に「11_M」デフォーマが作成されます。

ただ、このスクリプトは複数ノードへの適用状態まではコピーできません。なので一つ上の画像と比べるとabdomenの方まで影響範囲が及んでいません。そこで服のabdomenを選択し、D-Formタブの「Add Node(s)」ボタンを押します。

するとデフォーマ選択ダイアログが出現するので「11_M」デフォーマを選択して「Accept」ボタンをクリックします(リストの一番上のデフォーマが必要なければ選択を外すのを忘れないで下さい)。

胸の下の方まで影響範囲に出来ました。
いったん変形具合を見るためにフィギュアをポーズとその他のモーフを適用した状態に戻します(Restore > Restore Figure)。

ちゃんと収まっていますね。ポーズによってはどこかがはみ出すということはよくあるので、その場合はゼロポーズに戻してまた調整が必要です(ハンドルの調整だけならこのまま作業してもいいと思います)。
ここまでで『V4 NGM Utopian Magnet Fits』の役割は正常に果たされています。しかし、画像を見るとわかるように、赤丸を付けた部分が乱れているのはそのままです。これをどうやって解消するかというと、モーフ化するのです。
モーフ化もこのタブで簡単に出来ます。
まず、フィギュアをゼロポーズに戻し、モーフも初期化します。
そしてデフォーマによって変形されている服のchestとabdomenを両方選択し、D-Formタブの「Spawn Morph」ボタンをクリックします(下の3つのチェックボックスにはすべてチェックを入れておきます)。
するとモーフ名を付けるダイアログが出ますので、ユニークな名前を付けて下さい。

続いて、デフォーマの削除ダイアログが出ますので、消してもいいデフォーマは「Yes」ボタンをクリックします。

ここで注意しなければいけないことがあります!!V4にはたくさんのデフォーマ(マグネット)が使用されていることはよく知られていることと思います(通常は隠されているので意識することはありませんが)。DSではV4に衣服を着せる時に、V4フィギュアのそれらのデフォーマの影響範囲に着せた服も自動で含めるようになっています。これがMagnetizeの仕組みのようです。そのためここで「Yes to All」を選んでしまうと、V4本体の方のマグネットも削除してしまうことになります。くれぐれもご注意下さい。
なにはともあれ、これで、モーフ化と共にFBM作成、デフォーマの削除、作成したモーフの有効化がすべて行われます。
最後にフィギュアのポーズとモーフを戻して終了です(書いていないですが鳩胸も少し和らげました)。

それでもchestとabdomenの境目に少しずれが見えますね。精度の問題でしょうか?今回は気にしないことにしました(゚-゚;)
また、今回は1つのモーフのみで済みましたが、実際は服にないモーフの数だけこの作業を繰り返さなければいけません。作業的には服をフィギュアに合わせると言うよりも、服にモーフを仕込むという方が合っている気がします。
■今日の一枚
前回で髪に動きを付けたのと合わせて、シーンの完成です。
肌テクスチャと顔と髪、さらにライトセットはすべて『Vanessa for V4』のものです。
NGMはEプリセットの拡張タイプであるKプリセットに変更しました。モーフにしてしまえば80%変形させたりとかも出来るわけです。

今回の画像の素材はこちら

※D-Form Spline Editorについて追記しました。
■D-Formタブの表示
タブが画面内に表示されていない場合は、メインメニューの View > Tabs > D-Form を選択します。D-Former(デフォーマ)の構造については前回の記事をご参照ください。

・Create New | 新しいデフォーマを作成します。 |
・Add Node(s) | Sceneタブで選択しているノード(パーツ)にデフォーマの影響が及ぶようにします。これによって1つのデフォーマが複数のパーツにまたがって変形を行うことが出来るようになります。クリック後デフォーマ選択ダイアログが出ます。リストの一番上がすでに選択されている状態になっていることに気をつけて下さい。 |
・Remove Node(s) | Sceneタブで選択しているノード(パーツ)からデフォーマの影響を取り除きます。これを実行してもデフォーマ自体はシーンから削除されることはありません。クリック後デフォーマ選択ダイアログが出ます。この機能はノードがどのデフォーマの影響下にあるか確認するのにも使えます。 |
・Remove All from Node(s) | Sceneタブで選択しているノード(パーツ)からすべてのデフォーマの影響を取り除きます。これを実行してもデフォーマ自体はシーンから削除されることはありません。 |
・Edit Spline | D-Formスプラインエディタを開きます。デフォーマを選択した状態でクリックすれば、そのフィールドのスプラインがあらかじめ表示されます。 |
Morph Spawning | |
・Spawn Morph | デフォーマからモーフを作成します。 |
・Create Root Control Parameter | フィギュアルートに全身の同名モーフを操作できるモーフパラメータ(FBM)を作成します。 |
・Delete Applied D-Former(s) | 必要なくなったデフォーマを削除します。そのデフォーマが他のノードにも影響を及ぼしている場合は、削除するかどうかのダイアログが出ます。影響を及ぼすノードすべてにモーフ化を行ってから削除するようにして下さい。 |
・Apply Spawned Morph | 作成したモーフのパラメータを1に設定します。 |
■D-Formタブのオプションメニュー
オプションメニューはありません。
■D-Formスプラインの編集
D-Formタブの「Edit Spline」を行った時のD-Form Spline Editorについて解説します。

タブ画像には「デフォーマ影響曲線」と書きましたが、これはデフォーマが対象ジオメトリに対して変形を及ぼす強さを表したグラフです。グラフの左がフィールドの中心、右が端に対応します。グラフはすべてのポイントを通過する曲線:スプライン曲線になっており、ポイントを追加したり移動したりすることで編集します。
・D-Former Field | 編集しているデフォーマ名が入ります。ここでデフォーマを選択することも出来ます。 |
・Action | スプライン上のポイントの編集モードを切り替えます。Moveで変位(上下)の操作、Insertでスプライン上にポイントを挿入、Deleteでスプライン上のポイントを削除します。 |
・Undo Last | 直前の操作を取り消します。ただし2つ以上前には戻れません。 |
・Undo All | スプラインをこのエディタに入った時の状態に戻します。 |
・Show Grid | グラフ上にグリッドを表示して見やすくします。 |
初期状態では曲線はこのようになっており、平面をY方向へ変形させるとこのような曲面が出来上がります。角ができずフィールド外と滑らかにつながる、いい曲線です。

通常はこの曲線をあまりいじることはないと思われますが、効果を見るために極端な曲線にしてみました。水面の波みたいですね。

■magnet fitを使ってみる
D-Formタブの使用例として、今回は『V4 NGM Utopian Magnet Fits』を使ってみます。この製品は『NGM for Elite Utopian』に対応したマグネットセットで、そのモーフを持っていない衣服に適用してフィギュアに合った変形を行うためのものです。
今回のシーンではV4に『Cy-Atletik』を着せました。この服はEliteモーフは持っているのですが、NGMに対応したモーフは持っていません。では、マグネットの適用からモーフ化まで順番に見て行きましょう。
※フィギュア本体と衣服と何度も行き来して作業しますので、適用先を間違えないようご注意ください。
最初の状態です。この時点ですでにフィギュアのポージングやマテリアル調整なども終わっています。フィギュアのボディモーフはElite Utopianを1にしているのみです。

フィギュアに『NGM for Elite Utopian』を適用して、Eタイプのプリセットを使いました。服にはそのモーフが無いので、当然のことながら胸がはみ出します(フィギュアの肌にはセカンドスキンのブルーの下着が書き込まれています)。

NGMに合わせるために、服に『V4 NGM Utopian Magnet Fits』を適用します。

ここで問題が出ました。上の画像で赤丸を付けた部分、服のジオメトリが乱れています。これは、chest(胸)に設定されたデフォーマがabdomen(腹)にも影響が出るように設定されているためです。このように複数のノードに影響するように設定されたデフォーマを使う時は、ノードの変形(transform)をしないように気を付けなければいけません。具体的にはゼロポーズ(フィギュアの初期ポーズ)で作業しなければいけません。
ということで、フィギュア本体を選択してParametersタブのオプションメニューから Memorize > Memorize Figure で記憶させた後、Zero > Zero Figure でゼロポーズにした上モーフも初期化します。そして服の変形がフィギュアに合うかどうか見るために、再びフィギュアに『NGM for Elite Utopian』のEタイププリセットを適用します。必ずモーフの値は100%になるようにして下さい。

ちょっと肌が服を突き破っていますね。あと妙に鳩胸になってしまっています。
わかりやすいように服のマテリアルのOpacityを下げて半透明にしました。表示されているのは、「Mag Zone 11」と名付けられた大きなフィールドの影響範囲です。左胸に対称に設定されたデフォーマ「12」は削除してしまいました。ここでデフォーマを少し調整します。「11」のハンドルをちょっと上に移動することで肌が服に収まりました。

反対側の胸のデフォーマも同じように調整すればいいのですが、ここで便利なスクリプトを使います。それは「MirrorDform」という、デフォーマを左右対称になるように複製するものです(DS3、DS4でもそのまま使えます)。同じパーツ上だけでなく、左足に適用されたデフォーマを右足に複製してくれたりもします。
右胸の「11」デフォーマを選択して「MirrorDform」を実行しました。左胸に「11_M」デフォーマが作成されます。

ただ、このスクリプトは複数ノードへの適用状態まではコピーできません。なので一つ上の画像と比べるとabdomenの方まで影響範囲が及んでいません。そこで服のabdomenを選択し、D-Formタブの「Add Node(s)」ボタンを押します。

するとデフォーマ選択ダイアログが出現するので「11_M」デフォーマを選択して「Accept」ボタンをクリックします(リストの一番上のデフォーマが必要なければ選択を外すのを忘れないで下さい)。

胸の下の方まで影響範囲に出来ました。
いったん変形具合を見るためにフィギュアをポーズとその他のモーフを適用した状態に戻します(Restore > Restore Figure)。

ちゃんと収まっていますね。ポーズによってはどこかがはみ出すということはよくあるので、その場合はゼロポーズに戻してまた調整が必要です(ハンドルの調整だけならこのまま作業してもいいと思います)。
ここまでで『V4 NGM Utopian Magnet Fits』の役割は正常に果たされています。しかし、画像を見るとわかるように、赤丸を付けた部分が乱れているのはそのままです。これをどうやって解消するかというと、モーフ化するのです。
モーフ化もこのタブで簡単に出来ます。
まず、フィギュアをゼロポーズに戻し、モーフも初期化します。
そしてデフォーマによって変形されている服のchestとabdomenを両方選択し、D-Formタブの「Spawn Morph」ボタンをクリックします(下の3つのチェックボックスにはすべてチェックを入れておきます)。
するとモーフ名を付けるダイアログが出ますので、ユニークな名前を付けて下さい。

続いて、デフォーマの削除ダイアログが出ますので、消してもいいデフォーマは「Yes」ボタンをクリックします。

ここで注意しなければいけないことがあります!!V4にはたくさんのデフォーマ(マグネット)が使用されていることはよく知られていることと思います(通常は隠されているので意識することはありませんが)。DSではV4に衣服を着せる時に、V4フィギュアのそれらのデフォーマの影響範囲に着せた服も自動で含めるようになっています。これがMagnetizeの仕組みのようです。そのためここで「Yes to All」を選んでしまうと、V4本体の方のマグネットも削除してしまうことになります。くれぐれもご注意下さい。
なにはともあれ、これで、モーフ化と共にFBM作成、デフォーマの削除、作成したモーフの有効化がすべて行われます。
最後にフィギュアのポーズとモーフを戻して終了です(書いていないですが鳩胸も少し和らげました)。

それでもchestとabdomenの境目に少しずれが見えますね。精度の問題でしょうか?今回は気にしないことにしました(゚-゚;)
また、今回は1つのモーフのみで済みましたが、実際は服にないモーフの数だけこの作業を繰り返さなければいけません。作業的には服をフィギュアに合わせると言うよりも、服にモーフを仕込むという方が合っている気がします。
■今日の一枚
前回で髪に動きを付けたのと合わせて、シーンの完成です。
肌テクスチャと顔と髪、さらにライトセットはすべて『Vanessa for V4』のものです。
NGMはEプリセットの拡張タイプであるKプリセットに変更しました。モーフにしてしまえば80%変形させたりとかも出来るわけです。

Character: | Vanessa for V4 |
---|---|
Morph: | V4 Elite Body Shapes : Utopian , NGM for Elite Utopian |
Hair: | Vanessa Ponytail Hair (Vanessa for V4) |
Costume: | Cy-Atletik |
Magnet Fit: | V4 NGM Utopian Magnet Fits |
Environment: | Topmodel Kit 2 for V4 |
今回の画像の素材はこちら
![]() Vanessa for V4 | ![]() V4 Elite Body Shapes | ![]() NGM for Elite Utopian | ![]() V4 NGM Utopian Magnet Fits |
![]() Topmodel Kit 2 for V4 |
関連エントリー