Carrara8Proベータ版を試す:Bullet物理エンジン-SoftBody編

Category : Carrara
前回の記事でCarrara8プリセールが終了したと書いたら、いつの間にかまた期間が延長していました。今度は5月18日(現地時間)までということなのですが、バージョン8のリリース日が延びたのかと心配になってしまいます。
そこで製品名を見ていて気づいたのですが、アップグレード版の名前に「from Carrara 5/6」と書かれています(前は6のみでしたよね)。これはCarrara5ユーザー向けの特別提供セールということらしいです。
さて、今回は引き続きCarrara8Proベータ版にて、Bullet物理エンジンを試していきたいと思います。そしてとうとう来ました、SoftBody(軟体?)編です。布などの柔らかく変形する物体を扱えます。
※本記事はベータ版を元に書いていますので、製品版では細部が変わっている可能性もあります。

Carrara軟体演算 SS

※Softbodyが働かないケースのチェックポイントを追記しました。

■シーンを組み立てる

今回もCarraraの使い方を確認しつつ、順にシーンを組み立てていこうと思います。

サンプルシーンとして、トランポリンを模した平面に上空から多数の物体(剛体)が落ちてくるというものを作っていきます。
※シーン内の単位として、m(メートル)を使っていますので、同じ単位にする場合はPreferences(環境設定)(Fileメニューコマンド)のGeneral Scene Settingsタブ、3D Unit SystemをMetricにして下さい。

Carrara軟体演算 Trampoline シーン配置

(1) メニューコマンドからFile(ファイル) > New(新規)を実行し、MediumのEmpty Sceneを作成します。

(2) メニューコマンドからInsert(挿入) > Plane(平面)で、トランポリンとなる平面を作成します。Primitive Sizeは3mにしました。


■スプラインモデリング

(3) 今度は、トランポリンの四隅をくくり付けるオブジェクトとして、枠を作成します。Insert(挿入) > Spline Objectを実行して下さい。モデルルームに移動し、スプラインモデラウィンドウが開きます。

(4) ここでは、断面プレーン(XZ平面)に描いた図形を描画プレーン(XY平面とYZ平面)に描いたラインに沿って押し出すというモデリングが出来ます。今回は簡単に出来るドーナツ型を作ってみましょう。ルームツールの□アイコンの右下の小さい△アイコンをクリックし、ドロップダウンメニューから○(Draw Oval)をクリックします。そして断面プレーン上でドラッグし、適当な大きさの丸を描いて下さい。すると、すでに描画プレーンに描かれているラインにより、立体が作成されます。
Carrara軟体演算 スプラインモデリング1

(5) ドーナツのような円環体(torus)を作成するにはメニューが用意されていますので、メニューコマンドよりGeometry > Extrusion Preset > Torusを実行します。出現するダイアログでは回転半径を入れるようなのですが、どうも予想以上の大きなものが出来てしまいます。今回は0.4mの入力で適度な大きさのドーナツになりました。
Carrara軟体演算 スプラインモデリング2

Carrara軟体演算 スプラインモデリング3

(6) アセンブルルームに戻ります。ウィンドウ最上端のルームボタンをクリックして下さい。
そこで、平面の大きさに合うように、回転と拡縮をして下さい。


■プリミティブのポリゴンモデル化

(7) 最初に作成した平面を使えるようにしていきます。平面をダブルクリックし、モデルルームに移動します。すると、このような表示になっていると思います。
Carrara軟体演算 平面 プリミティブ状態
まだプリミティブの状態ですので、このままではソフトボディに使うには適しません。これをポリゴンモデルに変換するためにメニューコマンドEdit(編集) > Convert to Other Modeler(他のモデラーに変換)を実行します。下のようなダイアログが出現しますので、Vertex Modelerをクリックして選択した上でOKボタンをクリックして下さい。
Carrara軟体演算 平面 ポリゴンモデルに変換

(8) さらに良好なシミュレーション結果にするために、平面を分割して細かくします。平面すべてを選択(平面すべてを覆うようにマウスで範囲選択するか、メニューコマンドのEdit(編集) > Select All(全て選択)を実行)し、メニューコマンドからModel(モデル) > Subdivide(再分割)を何度か実行します。今回は4回分割しました。
Carrara軟体演算 平面 ポリゴン分割1

Carrara軟体演算 平面 ポリゴン分割2
アセンブルルームに戻ります。


■ソフトボディの設定

(9) 今度は平面に物理特性を設定していきます。平面を選択した上でプロパティトレイ、EffectsタブのPhysical Properties欄を開き、Materialのドロップダウンメニューから、とりあえずRubberを選択します。
Carrara軟体演算 平面 物理設定

(10) 次は今回のポイント、ソフトボディを設定しましょう。プロパティトレイ、Modifiersタブの+アイコンをクリックし、ドロップダウンメニューからPhysics > Soft Bodyを選択します。これで、オブジェクトにソフトボディモディファイアが付加されました。
Carrara軟体演算 ソフトボディ モディファイア

(11) ModifiersタブSoft Body欄の生地プロパティを調整していきます。重要なのはStiffness(硬さ)とBending(曲げ抵抗)です。初期値はかなり高くなっていますので、これを5%ぐらいに下げてしまいます。

(12) 今回のポイント第2弾、トランポリンの枠へのくくり付けを行います。これはSoft Body Attachというモディファイアで実現できます。ModifiersタブでPhysics > Soft Body Attachモディファイアを付加し、Select treeボタンをクリックすると対象オブジェクト選択ダイアログが出現します。そこでSpline Object(ドーナツ)を選択してOKをクリックして下さい。
Carrara軟体演算 ソフトボディ attachモディファイア

Carrara軟体演算 ソフトボディ attach対象
次にEditボタンをクリックするとプレビューの平面に頂点が表示されますので、くっつけたい(動かしたくない)頂点を選択していきます。今回は四隅の4頂点を選択しました。選択した頂点が赤くなっているのを確認し、Validボタンをクリックして下さい。
Carrara軟体演算 ソフトボディ attachエディット
これで、Attachした頂点は選択したオブジェクトと一緒に動くようになります。同時に、SoftBodyシミュレーションにより動くことは無くなります。
Soft Body Attachモディファイアは複数付加できますので、頂点ごとに別のオブジェクトへくくり付けることも可能です。

(13) ここでちょっとシミュレーションを実行してみましょう。ルームツールの一番左、Simulate Physicsをクリックします。
Carrara剛体演算 シミュレート開始

Carrara軟体演算 ソフトボディ 試しシミュレート
トランポリンが柔らかくたわむのが確認できたでしょうか?四隅は固定されたままです。
もし次のような警告が出た場合は、SceneのプロパティトレイのPhysicsタブ、Physics SolverをBulletに変更して下さい。
Carrara軟体演算 ソルバー警告

Carrara剛体演算 物理演算エンジン設定

また、何の動きも無い場合は、同じくSceneのプロパティトレイのPhysicsタブ、Physics Engine欄のUse Default Gravityにチェックを入れて下さい。


■Replicatorで複製にバリエーションを持たせる

(14) 最初に予定していた通りにトランポリンに向かって落下する物体を作成します。今回は立方体を複数降らすことにしました。Insert(挿入) > Cube(立方体)で立方体を作成し、プロパティトレイのMotionタブのMotion欄をPhysicsに、EffectsタブのPhysical Properties欄のMaterialをPlasticにしました。
Carrara剛体演算 motion特性

Carrara軟体演算 立方体 物理設定

(15) Replicator(リプリケーター)を使用してCubeを増やします。この使い方については前回の記事をご覧下さい。今回はこのような設定にしました。
Carrara軟体演算 Replicator設定
ウィンドウ下部のランダマイズ設定により、それぞれの立方体に角度や大きさ、位置にバリエーションを持たせました。
Createで実体に変換してできるReplicator Convertedオブジェクトをプレビュー上でドラッグしてトランポリンより上へ持って行きます。


■出来上がりの確認と突き抜け予防

(16) シーン内の要素は揃いましたので、再びシミュレーションを実行します。
Carrara軟体演算 ソフトボディ 突き抜けてしまう場合
なんと、立方体がトランポリンを突き抜けてしまいました(上の画像のようにパラメータを設定していた場合は突き抜けないかもしれません)。こうならないようにするためには、受け止める側のオブジェクトの密度(Density)を上げると良いようです(2.5にしました)。ただし、同時に(重量が)重くなってしまいますのでご注意下さい。
また、ソフトボディのSoftBodyモディファイアの設定ではCollision Quality(衝突品質)とCloth Quality(布品質)を100%にしたり、Smoothing(スムージング)を上げる(オブジェクトを再分割して細かくする)事でも、突き抜けを予防することが出来るようです。これらの設定を行うとシミュレーションに時間がかかるようになってしまうのでご注意下さい。

Carrara軟体演算 Trampoline カット1
Carrara軟体演算 Trampoline カット2

今回はソフトボディによる簡単な1枚の布を試してみました。この次は当然この機能によるダイナミッククロスを使いたくなりますよね。しかし実は私は一度も成功していません。服が爆発してしまったり、体が服を突き抜けてしまったり、いい設定を見い出せていない状態です。
製品版でダイナミッククロスサンプルが付いていればいいのですが…。

DAZ3Dフォーラムにて、『Carrara 8 Bullet Physics Animation Contest』が開催されています。1位賞品はCarrara8Proということですので、参加されてみてはいかがでしょうか?
※終了しました。




Carrara 8

Carrara 8 Pro




Comment

非公開コメント

著書
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
検索フォーム
プロフィール

Kotozone

Author:Kotozone
製品の取扱説明書を読むのが大好きです

FC2ブックマーク
最新記事
カテゴリ
タグリスト

DSプラグイン V4 ライト マテリアル DSシェーダ DS基本 セール Genesis IBL アニメーション タブ解説 iray LuxRender ダイナミッククロス スクリプト Genesis2 セットアップ ShaderMixer バージョンアップ レタッチ Download カスタマイズ トゥーン SSS Photoshop ウェイトマップ ファー NGM ERC D-Form Miki2 物理シミュレーション IDL 大気 M4 カラーコレクション ボリューム Terrain Genesis3 パーティクル モーフセット V5 Genesis8 カメラ インスタンス アナグリフ ロボット 3Dプリント GIMP RAMDisk SLG V8 ダイナミックヘア K4 Python Linux 日本語訳 モーションキャプチャ Hexagon 

最新コメント
リンク
月別アーカイブ
ご意見ご感想はこちらに

名前:
メール: 
件名:
本文: 

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

最新トラックバック
FC2カウンター