Shader Mixerで作られたトゥーンシェーダーToonX

Category : その他
先月のセールと今月の$1.88セールでDAZ Studio 3 Advanced(以下DS3A)を購入された方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?Advanced版には強力な付加機能がたくさんありますが、それらの概要細かい説明は他の記事を見て頂くとして、その中でもAdvanced版ならではの機能Shader Mixerを使って作られたトゥーンシェーダー『ToonX』を今回はご紹介したいと思います。Shader Mixerは、Poserのシェーダーツリーのようにノードを組み合わせて製作するシェーダーシステムです。
この『ToonX』は以前ご紹介した『Edger』を製作されたXextria氏が無償で公開して下さっているもので、DS3Aさえあればプラグインの追加購入をしなくても高級なトゥーンシェーダーが使えるというスグレモノです。

DSには同じく高級なトゥーンシェーダー『pwToon』があります。こちらも以前の記事でご紹介済みなので、今回もその記事と同じ様に実際に使いながらご紹介していきたいと思います。余談ですが、DS4の発売に際し、『pwtoon』含め多くのプラグインを製作されているPoseworks氏の動向が気になるところですね。フォーラムの閉鎖と共に製作から離れてしまわれたのではないかと心配しています。
ここは選択肢を増やすためにも、『ToonX』に習熟していきたいところです。

ToonX SS

■導入

配布ページよりダウンロードし、DSランタイムにインストールします。
今回は作例に、最近目覚しい勢いの日本人ベンダーChocolateさん作のキュートなフィギュアNatu3を使わせていただきました。
DSでNatu3を読み込み、ポーズをつけたのが下の画像です。NatuHairBobとSwimwear3点セットを着用し、Distant Light1灯で照らしています。また、頬や胸にあるコントロールポイントはポーズファイルを適用して既に隠してあります。
ToonX Natu3トゥーン 工程1
Character:NATU Ver 3.0 SET
Hair:NATU Ver 3.0 SET
Costume:NATU Ver 3.0 SET
Shader:ToonX , UberEnvironment2

残念ながらデフォルトシェーダーで使うにもDSではマテリアルの調整が必要ですが、今回はトゥーンシェーダーを適用してがらっと変えてしまうので、このまま次へ進みます。
Natu3に用意されているトゥーン用のマテリアル「DefaultTOON」を適用した後に、『ToonX』を適用します。そのためには、SceneタブビューポートでNatu3を選択し、さらにSurfacesタブでControl以外の全てのサーフェイスを選択したのち、ContentタブのToonXアイテムをダブルクリックします。水着や髪プロップにも同様にして下さい。サンダルに付いている装飾が小道具になっているのに気をつけて下さい。
サーフェイスを適用した直後のレンダリングが下の画像です。
ToonX Natu3トゥーン 工程2

※以下の工程はSurfacesタブで行います。また、特に指定がない限り『ToonX』を適用した全てのサーフェイスを複数選択して行っています。

ここで調整が必要な点を洗い出すために、Specular Opacity、Outline Opacity、Shading Opacityを全て0%に下げてその効果を消します。
ToonX Natu3トゥーン 工程3

本来ならDiffuse100%でシェーディングのかかっていない画像になるはずですが、3つの問題点が見つかりました。
 (1)オブジェクトが全体的に痩せている(口元や爪、髪の束がおかしい)
 (2)光が当たっていない部分が真っ黒になってしまう
 (3)目やまつ毛がオレンジ色に染まっている

(1)は配布ページに書いてある既知の不具合ですね。Displacementが誤作動してしまっているようです。これをMinimumとMaximumの両方の値を0にすることで直します。
ToonX Natu3トゥーン Displace

(2)の解決法は2つあるのですが、今回はライトを全方向から当てる事にしました。IBLライトのUberEnvironment2をAmbientモードでIntensity5%で設置します。UberEnvironment2もAdvanced版に付いているので遠慮なく使っていきます。UberEnvironment2についてはこの記事をご参照下さい。それに伴ってDistant LightのIntensityを95%に下げておきます。
ToonX UE2設定

(3)は今一つ原因が分からないのですが、Diffuse Color(Texture)は彩度や明度が増幅されてしまうようです。対処療法ではありますが、今回は不自然になってしまっているサーフェイスCornea、Eyebrows、Iris、LashのDiffuse Strengthを5%に下げました。
ToonX Natu3トゥーン Diffuse

以上3点を修正したのが下のレンダリング画像です。
ToonX Natu3トゥーン 工程4

さて、ここからはトゥーンシェーダーを構成する個別の要素を調整していきます。
まずはShading(影)を調整します。
ToonX Natu3トゥーン Shading

Shading Opacity(影の不透明度)を20%程度に上げ、効果をつけます。
ToonX Natu3トゥーン 工程5

陰になる部分が多すぎるのでShading Boundary(影の境界位置)を20%程度に下げました。同時に、水着のシワシワがトゥーンには余分ですのでBump Strengthを0%に下げておきました。
ToonX Natu3トゥーン Bump

ToonX Natu3トゥーン 工程6

今度はOutline(輪郭線)を調整します。
ToonX Natu3トゥーン Outline

Outline Opacity(輪郭線の不透明度)を100%に上げ、効果をつけます。
Outline Boundary(輪郭線の境界位置)を調整することで線の太さが変化します。今回は6.5%に上げて少し太くしました。
ToonX Natu3トゥーン 工程7

次にSpecular(スペキュラ)を調整します。
ToonX Natu3トゥーン Specular

スペキュラを加えたいサーフェイスを選択してSpecular Opacity(スペキュラの不透明度)を100%に上げ、効果をつけます。
ToonX Natu3トゥーン 工程8

スペキュラが黒い点になってしまっていますが、これは『ToonX』の特徴で、SpecularやShadingの色はDiffuseの色に透明度でのみ混合されるという仕様のためです。先ほどSpecular Opacityを100%にしたので、グレーや黒に設定されたSpecular Colorがそのまま描画されているのです。
とりあえずSpecular Colorを白に設定します。そしてレンダリング結果を見ながらスペキュラの大きさや強さ(Strengthではありません)を調整していきます。Specular Glossiness(スペキュラの大きさ)とSpecular Boundary(スペキュラの境界位置)は同じような効果ですので、Boundaryの方を100%に固定してGlossinessでスペキュラの大きさを調整します。同時にSpecular Opacityもサーフェイスに合わせて適当な値に調整しました。
ToonX Natu3トゥーン 工程9

最後に仕上げとして、Shading Colorをサーフェイスに合わせて調整し、使うのを忘れていた水着の食い込みモーフをキャラクターに適用しました。食い込みモーフはPMD形式ですのでInjectPMDプラグインが必要になります。
ライトに影を設定し、さらにすべてのオブジェクトにSubDをかけてレンダリング下のが次の画像です。
水着のナツさん アニメ調

『ToonX』は特性を理解すれば思い通りの調整が可能なシェーダーです。既にあるプロパティで足りなければ、Shader Mixerを使ってカスタマイズすることさえ可能です。
今度はSpecularとShadingそれぞれのBoundary(境界位置)とSmooth(滑らかさ)の値を調整してイラスト調のレンダリングにしてみました。
水着のナツさん イラスト調

残念ながらColor Divisions(下地の階調)を上げてシェーディングの階調を増やそうとすると影がすごく暗い色になってしまうので、今回はSmoothの値を操作するのみにしておきました。口元がなかなかいい感じにならなくて作者さんのレンダリングのようにかわいい表情になりませんでした。アニメ調には口紅の色をもっと薄くするか無い方が良かったかもしれません。
パッキリとした均一な輪郭線が欲しい場合は、Outline Opacityを0%にしてレンダリングした画像と、この記事のように『Edger』で輪郭線のみをレンダリングした画像をフォトレタッチソフトで合成する手もあります。



今回の画像の素材はこちら
AD NATU Ver 3.0 SET
NATU Ver 3.0 SET

Comment

紹介ありがとうございます!

初めまして、Kotozoneさん。
いいですねToonX~!!!Poserにはない表現がありますね。
私もDAZ Studio 3を使いこなせるように頑張らなくては!

すみません、質問です。
DAZ Studio 3でオートモーフは利いてますか?

Re: 紹介ありがとうございます!

初めまして。作者さんから直接コメントを頂けてうれしいです^^
レンダリングして出力するトゥーンシェーダーとしては、Poserよりも強力なものが揃っているかもしれませんね。

オートモーフとは、フィギュア本体のモーフパラメータ操作に着衣のそれがついてくる現象のことですか?(私はクロストークと呼んでます)
それであれば、利いていませんでした。Renderosityで販売されるもののほとんどがそうなので気にしていませんでしたが、自分でcr2ファイルのアクター名などが「:2」などとなっているのを「:1」に置換してます。これに関しては調査不足なところもありまして、JCMが利かなくなったりPoserでのクロストークがされなくなったりと、こうすればDSでもPoserでも平気ですと進言できるところまでわかっていないんです。

他人に丸投げするようでお恥ずかしいのですが、JCMについてはとうふさんのブログの記事
「Poserとの互換性について」
http://tofusan.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/poser-7c3c.html
が参考になると思います。

こちらこそ、リンクありがとうございます^^
DAZ Studioではクロストークというんですね。
なるほど~、情報ありがとうございますm(_ _)m

cr2で色々いじってみたところ
「Figure 1」を「Figure」と、
「Body: 1」を「Body」に変えたら動作しました^^
とうふさんの記事で「名前で記述されるとD|Sでは判断できない」という事でした。
JCMは「lCollar: 1」などパーツ名なので、これも「lCollar」にすれば動作するかもしれませんね。
記述が違うので、Poser用、D|S用と作らなければ^^;

InjectPMDプラグインなんてあったんですね。すごいな~!
D|Sはまだまだ知らない事がたくさんあるので、何か気づいた点などありましたら是非教えて下さい^^

今後ともよろしくです^^ではまた~

「クロストーク」と言うのは、以前DAZで購入した衣服のアイコンにそう書いてあったからなんです。訳すと「混線」とかマイナスイメージな感じがしますね。
DAZで販売されている衣服はPoserでもDSでもちゃんと動作するので、両方OKな記述はあるはずなんですけどね。DSだとモーフの内部名(ラベルではなく)が一致していないと連動しないというのもPoserとの違いです。
今度販売されるサイバースーツ、面白そうな試みをたくさんされているようで期待しています。
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