Reality その10:ライトの種類

Category : Reality
とうとう「その10」を迎えてしまいました、今回もDAZ Studio(以下DS)用のLux Renderエクスポーター『Reality』の記事です。
Realityでは、マテリアルでなくDSでのライトの設定も変換してLux Render向けのものにしてくれます。このプラグインで使えるライトの種類を挙げていきますと、SunSky(Reality内ではSunですが正確にはこう呼びます:太陽光)、Distant(平行光源)、Spot(スポットライト)、Point(点光源)、Mesh(面光源)、IBL(画像による環境ライト)の全6種類となります。このうち、PointとIBLはバージョン1.2より使えるようになりました。

今回はそれぞれのライトの特性を調べるとともに、それらをミックスして使うためのコツなどを記事にしてみました。
本文に行く前に、突然ですがクイズです。

 「Realityで使えるライトのうち、初期値で一番明るいものはどれ?また一番暗いのは?」

この記事も、この疑問から生まれました。

※つい先日Realityバージョン1.25が公開されました。IBLのGainの不具合などが修正されていますので、バージョンアップをお忘れなく。
※この記事はRealityバージョン1.25とLux Render0.8RC3を用いて調べたものです。

Reality10 SS

■ライトの種類

今回も実際のライトの効果を見るために、このようなシーンを作りました。
Reality10 サンプルシーン プレビュー

胸像の高さは約1.35m、距離の関係するSpot、Point、Meshについては胸像から約1.5m離した左上手前に設置します。胸像のマテリアルはGlossyでテクスチャなしの真っ白、背景オブジェクトはMatteなグレーにしてありますので、色が着いているレンダリングはライトによるものです。
ご存知の通り、Lux Renderのレンダリング時にはトーンマッピングの設定次第で出来上がりの明るさやコントラストが変わってきます。そこで、各レンダリング時のトーンマッピングの設定値と、さらには絶対的な明るさを調べるためにHDRヒストグラムも添えています。これは『Luminance HDR 2.0.2』というオープンソースで作られているツールで調べました。
このソフト、以前は『qtpfsgui』という名前でした。複数枚のLDR画像からHDR画像を作成したり、逆にHDR画像をLDR画像へトーンマッピングしたり、IBL用のHDR画像のタイプを変換したりできるスグレモノです。特にヒストグラムをマウスでぐいっと直感的に単純マッピングできるのはとても気持ちいいです。これでトーンマッピングウィンドウでの設定値が画像へリアルタイムに反映されればベストなんですけどね。

Lux RenderでのトーンマッピングにはLinearカーネルを使用しています。各プロパティについてはこの記事をご覧下さい。
 ・胸像の明るさ(特にハイライトの周囲)がなるべく同じになるようにしてあります。ただ、ライト間でなるべく数値を揃えようと思ったら不自然な値になってしまいました。
 ・Gammaプロパティは自動設定で設定される2.2(モニタガンマとおなじ)にしてあります。少なくとも色味が変になってしまうのではないと確認しましたが、グラデーションがきつくなってますよねえ…。追加調査が必要かもしれません。
 ・HDRヒストグラムはハイダイナミックレンジでの明るさと画素数をグラフ(緑色)にしたものです。目盛りの単位は確証はありませんがEVではないかなと思います。設定にもよりますが、このうちのだいたい2目盛り相当がJPG画像などのLDR(ローダイナミックレンジ)になります。
 ・HDRヒストグラムの青色の範囲がレンダリング画像のヒストグラム範囲ですが、このツールでトーンマッピングしたわけではありませんので、だいたいの範囲になります。
 ・ここで言う明るさの絶対値はHDRヒストグラムを見て私がつけたものですので、参考程度に留めておいて下さい。
 ・レンダリング品質は一律500S/pです。

 ・SunSkyライト
Reality10 サンプルシーン SunSky
 Sensitivity : 64 Exposure : 1/1000 FStop : 8

Reality10 サンプルシーン SunSky ヒストグラム

平行光源であるSunライトといわゆるスカイライトを合わせたライトです。野外のシーンに最適で、ライトの角度によって真昼~夕暮れというようにSunライトの色が変化するようになっています。明るさの絶対値は4とかなりのパワーです。
DSでSunという名前にしたDistantライトがRealityによってSunSkyライトに変換されます。
Lux RenderのLight GroupsタブではSunとSkyに分かれているため、それぞれの強度を調整することが可能です。ちなみに、それぞれ一方のみでレンダリングすると次のようになります。
  Reality10 サンプルシーン SunとSky
Sunライトだけ取り出して見ると、結構エッジがアバウトだなあと思うこともしばしばです。

 ・Distantライト
Reality10 サンプルシーン Distant
 Sensitivity : 3 Exposure : 1/1000 FStop : 128

 ヒストグラム計測不能

平行光源です。影のでき方などはSunライトと同じになります。設定間違い?と思ってしまうほどパワーがあり、明るさの絶対値が8かそれ以上と振り切れてしまうほどで、トーンマッピングの設定値を極端に暗い方へしないとオブジェクトの輪郭さえ拝めません(物理的に太陽ぐらいしかありえないから?)。
DSでのDistantライトがRealityによってそのままDistantライトに変換されます。
どうしても使いたい場合はDSでライトの強度を1%にして下さい。

 ・Spotライト
Reality10 サンプルシーン Spot
 Sensitivity : 320 Exposure : 1/1000 FStop : 8

Reality10 サンプルシーン Spot ヒストグラム
※LDR範囲外に山があるのはライトの当たっていない部分の値です。

いわゆるスポットライトです。RealityのLightsタブでライトのエッジ明るさのグラデーションをつけることができます(Cone feather)が、物体に落ちる影はボケずにパッキリとしています。明るさの絶対値は3と、SunSkyライトに次ぐパワーを持っています。
DSでのSpotライトがRealityによってそのままSpotライトに変換されます。
まめ知識としては、DSのSceneタブでスポットライトの名前を「House Lights」から始まるように変更すると、Realityでは自動でオフになるプレビュー用の照明になります。

 ・Pointライト
Reality10 サンプルシーン Point
 Sensitivity : 320 Exposure : 1/1000 FStop : 8

Reality10 サンプルシーン Point ヒストグラム

点光源です。明るさや影の出方から察するに、全方位に放射されるスポットライトと見ていいでしょう。
DSでのPointライトがRealityによってそのままPointライトに変換されます。

 ・Meshライト
Reality10 サンプルシーン Mesh
 Sensitivity : 320 Exposure : 1/8 FStop : 8

Reality10 サンプルシーン Mesh ヒストグラム

面光源、エリアライトなどと称される、物体の大きさを持ったライトです。室内などの柔らかい光を表現するのに適しています。明るさの絶対値は1と暗めです。
DSで小道具の名前をRealityLightにするとRealityによってそのオブジェクトがMeshライトへ変換されます。また、RealityのMaterialsタブのリストの右クリックメニューからそのサーフェイスのみをMeshライトに変換することもできます。
RealityのLightsタブでは明るさをW(ワット、電球の明るさなどのWです)で設定することができます。このレンダリングでは初期値の100Wを使っており、この値はGainと比例します。
物体にできる影のエッジになめらかなグラデーションが描画されるのが特徴で、それはMeshライトの大きさ、形によって変化しますが、明るさには影響ありません。ちなみに、今回使ったMeshライトは1m×1mの長方形で、その大きさを縦横0.5倍、2倍にしたのが次の画像です。影の出方、そして胸像の陰影が変化しているのに注目して下さい。
  Reality10 サンプルシーン Mesh サイズ比較

 ・IBL
Reality10 サンプルシーン IBL
 Sensitivity : 100 Exposure : 1/2 FStop : 1

Reality10 サンプルシーン IBL ヒストグラム

画像をライトソースとして使うライト、IBLです。周囲に何もないシーンでも、周囲のものから受ける照り返しや色の変化を付け加えてくれ、リアリティのあるレンダリングをもたらしてくれます。明るさの絶対値は-1と、かなり暗いです。
IBLの使い方についてはこの記事をご参照下さい。
画像を見てもらうと分かるように、ノイズがかなり残っています。このノイズを取り去るには結構なレンダリング時間がかかるのではないかと思われます。


■明るさの比較

これらのライトを使う上で問題になってくるのが、種類によって明るさが全然違うということです。例えば、100WのMeshライトをPointライトと同じぐらいの明るさにするには、だいたい140倍ぐらいにパワーを上げないといけません。その差が分かりやすいように、ライトの種類による明るさの絶対値(私調べ)を表にしてみました。

Reality10 ライトの種類と明るさの表

目盛りは1単位なので、そんなに差はないのでは?と思われるかもしれませんが、それは間違いです。例えば、1000WのMeshライトは100WのMeshライトの10倍のパワーがありますし、100WのMeshライトをSunライトと同じぐらいにしようとしたら700倍ぐらいにパワーを上げないといけません(私の目分量ですので、アバウトですが)。
前説で出したクイズの答えはもうわかっていただけましたか?

ライトのパワーを増減させるには
 (1)DSでのIntensityを調整する
 (2)RealityのLightsタブでGainプロパティを調整する
 (3)Lux RenderのLight GroupsタブでGainプロパティを調整する

と大まかに3種類の方法があります。

ここで注意しないといけないのは、(1)の設定は(2)の初期値となり、(2)の設定は(3)の初期値となるということです。例を挙げるならば、(1)で10倍、(2)で10倍の値をつけると、そのライトのパワーは100倍になります。色も同様ですので、なるべくどれか1種類のプロパティで調整するのが混乱しない方法だと思います。


■種類の違うライトを同時に使う

複数の種類のライトを同じシーンで使おうとすると、その調整は困難を極めます。特に問題になるのがIBLです。
私たちはDSやPoser上で、IBLDistantSpotを組み合わせて使っていますが、これだけパワーに違いがあると、同じ土俵で調整をすることができません。
そのため、IBLのGainを増やす(!)必要が出てきます。前の項目の(2)か(3)の方法で100倍にしてやれば(IBLの(2)の方法には不具合があったため、バージョン1.25以降でできるようになりました)、親和性が高いと思われるMeshライトとの釣り合いが良くなります。

胸像のシーンをIBL(Chircahua_Plaza)とMeshライト100W(色温度1500)を組み合わせてレンダリングしたのが次の画像です。

Reality10 サンプルシーン ライトの組み合わせ

他にもSkyライト(SunSkyライトのSunの方をLux Renderでオフにする)とSpotライトなどとの組み合わせも面白そうです(SunSkyをGain0.4ぐらいに)。ただしごめんなさい!Distantライトだけはどうすればいいかわかりません。一応、DSでIntensityを1%にし、RealityでGainを0.001に、さらにLux RenderでGain0.03ぐらいにすればPointライトぐらいのパワーになります。

SunSkyライトという優秀な野外用ライトが備わっているため、つい頼りがちになってしまうLux Renderですが、これを機会にいろいろなライトを使ってみてはいかがでしょうか?



今回のツールと画像の素材はこちら

Reality 4 - DAZ Studio Edition


Antoinette Bust Set




Comment

なるほど、これは大変ありがたい記事ですね。私もライトをそれぞれ試してみたことはあるのですが、Distant Lightは確かに明るすぎますよね。(;´Д`)

LuxRender標準のライトだと、光源が大きさを持ちません。そのため影がはっきりと出る傾向があるため、ソフトな影を好む私は主としてMesh Lightを使用しています。逆にMesh Lightはコースティクスが出にくいため、水面のシーンなどでは標準のライトを使ったほうが美しくなりそうです。このあたりはシーンによって使い分けが必要なんでしょうね。

トーンマッピングについては私はPicturenautというフリーソフトを使用しています。様々な手法が用意されているので、こちらも使いやすいですよ。ヽ(´ー`)ノ

とうふさんコメントありがとうございます。
私もMeshライト同好会を作りたいほど、よく使ってます。Lux Renderでのライト構築は、実際の照明さんの仕事みたいで新鮮ですよね。

トーンマッピングには私もPicturenautが一番使いやすいと思います。機能ごとに使い分けるのがフリーソフトの使い方なんだったと、久しぶりに思いました。

お久しぶりです。私も今は無事にriality1.2を使用しております。その節はお世話になりました。今日のこの記事は非常に参考になります。なにせ、照明のことはまったむ素人ですので、だいたい既成の照明セットを購入していましたが、rialityにはそれがないので・・・ところでまたお知恵をお借りしたいのですが、rialityでレンダリングすると赤いノイズがよく出来てしましますがこのノイズが何時間レンダリングしても消えません。
なにかこのノイズを消す方法があったらお知恵をお貸しください。よろしくお願いします。

バージョン1.2がちゃんと使えるようになったんですね。それは良かったです。
できれば、他に同じ問題で悩んでいる方のために、解決方法を教えてもらえるとうれしいです。

赤いノイズはLuxRenderユーザーの間でFireFlyと呼ばれているもので、主に描画エラーによるものらしいです。これはレンダリング時間をかけても消えません。シーンの照明やマテリアルの設定を見直して、FireFlyが出ないようにする必要があります。

ご回答ありがとうございます。他の方にもこの現象は起きていたのですね。だいたい明るいシ-ンでよく現れる現象のようですね、半分あきらめていた1.2使用できるようになったのは何度かインスト-ル繰り返していると起動時に現れたユ-ザ-情報登録の場面が表示されずすんなり起動したので、解決法とは言えないと思います。

minoruさんお答えありがとうございます。
FireFlyについては、LuxRenderのバージョンアップとともに、出てしまう状況というのも減っていっているようです。
新バージョンがいつの間にか使えるようになったというのも不可解ですね。既に入力されていた情報が何かのタイミングで処理されたのかもしれません。何はともあれ、バージョン1.2が使えるようになったのは喜ばしいことです。たくさんの新要素が追加されているため、バージョン1.0のままだともったいと思っていましたので。
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