Smoothing Modifierで服から肌が突き出るのを補修する

Category : DAZ Studio 4
『Auto-fitツールでGenesisの服を増やす』の記事で最後にDAZ Studio 4(DS4)の新機能であるSmoothing Modifierについて少しご紹介しました。
この機能は服をベースフィギュアにフィットさせる工程で、ポーズによって肌が服を突き破ってしまうのを補修するために用意されたもので、現在出ているDS4Standard版に最初から付いています。
その使い勝手を調べているうちに興味深い機能であることが分かってきましたので、今回はそれについて検証してみたいと思います。

次のビデオはYoutubeのDAZ3DチャンネルにあるSmoothing Modifierのチュートリアルです。


※バージョンアップにより注意点が減りました。
※メニューの画像をパスに適したものに差し替えました。(2014.6.14)

■Smoothing Modifierの使い方と効果

思い出してもらえるように、前の記事の使用画像を張っておきますね。こんなことができる機能です。
autofitツール Smoothing Modifierで修正
※補修後もお尻が見えてしまっていますが、これはそういうズボンなのです。

改めて使い方を書きますと、Sceneタブでノード(衣服など)を選択し、オプションメニューから Edit > Geometry > Apply Smoothing Modifier を実行します(この記事では、この操作のことを「スムージングをかける」と呼びますが、Surfacesタブのスムースとは別物です)。
スムージング モディファイアメニュー

Smoothing Modifierには次のような効果があります。

 (1)凸凹な表面を滑らかにする。
 (2)他のノードとの衝突判定を行い、ポリゴンが交差しないようにする。

(1)は私も最初は誤解していたのですが、サブディビジョン(再分割)ではなくポリゴンの頂点を動かして凸凹になった表面をスムースにします。ただし、初期モードでは基本のシェイプが極力変化しないようになっていますので、見た目の差は分かりにくいと思います。
(2)はPoserやDSを使ってきた人にとっては、待ち望まれていた機能なのではないでしょうか。衝突対象をベースフィギュアにしておけば、服の表面が常に肌よりも外側にあるように自動補修してくれます。

服での使用例は前の記事でやりましたので、今回はどういう効果があるのか分かりやすいようにプリミティブに対して使ってみました。

まず、メインメニューから Create > New Primitive を実行してシーンに[Size 1m、Divisions 10]のPlaneを作成します。
スムージング プリミティブ1

これにSceneタブのオプションメニューから Edit > Geometry > Apply Smoothing Modifier を実行してスムージングをかけます。
スムージング プリミティブ2
これは閉じていない(端のエッジがある)立体ですので、このように極端な変形が起こりますが、立方体や球体などの閉じている立体にかけた場合はほとんどシェイプの変化はありません。

今度は衝突対象にする立体を作成しましょう。Planeと同様の方法で[Diameter 50cm、Segments 12、Sides 24]のSphereを作成し、半分以上がPlaneに隠れるようにY軸-方向へ移動させました(判別しやすいように赤い色を付けてあります)。
スムージング プリミティブ3

再びPlaneを選択して、Parametersタブを見ます。サイドメニューのGeneral>Mesh Smoothingをクリックするとこの機能についてのパラメータが表示されます。
スムージング parametersタブのプロパティ

・Enable SmoothingスムージングをOn/Offします。
・Smoothing Iterationsスムージングの精密さです。数値が大きいほど細かく計算します。
・Interactive UpdateOnだとビューポートでの操作中にもスムージングをしようとします。Offの時は操作が終わってからスムージングをします。
・Collision Item衝突対象を選択します。Noneの場合は衝突判定を行いません。
・Collision Iterations衝突検出の精密さです。数値が大きいほど細かく計算します。

Collision ItemのNoneと書いてある部分をクリックすると選択ダイアログが出現しますので、SphereをクリックしてからAcceptして下さい。
スムージング 衝突対象の選択ダイアログ

これで、Planeの表面がSphereを覆うように変形しました。
※この画像では「Smoothing Iterations」を20に設定しています。
スムージング プリミティブ4

Planeを服、Sphereを肌と置き換えると、服に使った場合にどういう事が起こっているのかが分かっていただけると思います。


■Smoothing Modifier使用上の注意点

Smoothing Modifierを効果的に活用するために、気をつけなければいけない点がいくつかあります。

 (1)スムージング対象は選択ノードに含まれるメッシュのみ
 (2)衝突対象も1つのノードのみ
 (3)ポリゴンの端のエッジ周辺はひとまわり縮む
 (4)縮まない
 (5)処理に時間がかかる

このスムージング機能はGenesis世代のアイテムと相性が良いのですが、それ以前のVictoria 4などのフィギュアとその服アイテムに対しても使えないわけではありません。ただし、使用するには(1)(2)の制限が重要になってきます。
そもそもGenesisフィギュアはワンスキン(関節のつなぎ目がなく、Weldでつながっているわけでもない)で作成されており(目や口の中を除きます)、従来のPoserフィギュアのようにポリゴングループでノードごとに分割されてはいません。そのためメッシュはフィギュアのルートに全て収まっています。なので、この機能をGenesis世代のアイテムに使うには服のルートにかけるだけ(衝突対象は自動的にGenesisルートが指定されます)という簡単操作でできるのです。
一方、V4やM4など、メッシュがchestなどのノードごとに分割されているフィギュアの場合は、服の各ノードごとにスムージングをかけてやらなければいけません。また、ノードのつなぎ目はちゃんとつながるものの、スムージングによる変形が隣のノードとの整合性を無視して行われますので、つなぎ目でずれたように見えてしまいます。
そのため、M4以前の世代に対して使う場合は、突き破りのあるノードのみにかけると効果的かと思われます。
スムージング V4アイテムにかけた場合
(V4の服のメッシュのあるノードすべてにかけてしまった例)
※バージョンアップにより(1)の制限が無くなり、V4などのポリゴングループでメッシュが分割されているフィギュアに対しても、そのルートに適用するように変更されました。また、それによって全身に効果が及ぶようになりました。

(3)が顕著なのは実は『DAZ Studio 4 Auto-Fit Tool』で変換したGenesis用の服です。先ほどGenesisi世代はワンスキンが基本と書きました。Auto-fitツールもそれを考慮して、M4以前のアイテムを変換する際に重なっている頂点をつなげ、境目がないようにしてくれます。ところが、アイテムによってはそれが行われず、つながっているように見えてみぞおちや腰の部分に端のエッジが存在する場合があります。その服にスムージングをかけてしまうと、その端のエッジが完全に離れ、切れ目が入ってしまうことになります。正常にスムージングがかけられるアイテムもあります(もともとセットで使用するような紹介でしたし)ので、こうなってしまう条件は不明です。
スムージング 隙間ができてしまう場合
Auto-fitツールのバージョンアップで対応されるのが一番なのですが、一応対処法としてはモデラーを使って服のメッシュをワンスキン(ワングループ)に統合して、つなぎ目を接合してしまうという方法があります(cr2ファイルの書き換えも必要です)。
※バージョンアップにより、この不具合は解消されました。

さっき縮むと言っておいてなんですが、(4)の意味はサーフェイスの法線方向に対して縮小されないということです。そのため、ぶかぶかの服を密着フィットさせるようなことはできません。逆にこの制限があるため、極端に曲げたひざや肘の内側の部分でも、肌に挟まれた服が行き場を無くして変な変形をしてしまうことはありません。ただし、外側から衝突対象のメッシュで押し込まれる(挟まれる)と、その程度によってくぼむことはあります。
スムージング 極端に曲げた関節部分

衝突判定を使っている場合は物理計算を行いますので(5)で書いたように、処理が行われるのに時間を取られます。タイミングとしてはフィギュアのポーズを変更するたびにこの処理が入ります(続けて作業しても問題ないのですが)。Iterationsプロパティは必要以上に上げない、仕上がりを見る必要がない時はスムージングをOffにしておくなど、他の作業に影響が出ないようにしておくのが吉です。


■Smoothing Modifierの用途

肌が服から突き出るのを補修する機能としてSmoothing Modifierを紹介してきましたが、衝突判定などはとても興味深い機能です。そこで、どんなシーンで有効に活用できるのかを考えてみました。

 ・服にないモーフを補う
極端な変形を行うモーフに対応するのは無理ですが、ちょっとおできができたぐらいのモーフなら、衝突判定で覆い隠してくれます。DS3Advanced版のMorph Followerのようにフルボディモーフを補うといったことは本来は専門外になりますので、あまり期待しないで下さい。服に存在するモーフや調整モーフを使ってそれでも肌が見えているという場合にこの機能を使うのがおすすめです。

 ・SubDやデフォーマとの複合技
SubD(Edit > Convert to SubD)をかけてメッシュを再分割した上でスムージングをするのがとても効果的です。スムージングをかけようとしてもポリゴンが粗くてスムーズにならない場合にSubDがそれを補ってくれます。同様に、デフォーマの変形とも共存可能です。

 ・フィギュアアニメーションでの肌突き破り補修
フィギュアをアニメーションさせるシーンでは、予想外のポーズになって肌が露出してしまうというケースが多発しますので、スムージングをかけておくと良いかもしれません。プレビューではスムージングがOffになった状態のままアニメーションが再生されますが、レンダリング時には1フレーム毎にスムージング処理が入ります。

 ・極端な変形をしてしまったメッシュを滑らかにする
機能紹介のビデオでは、V4の肩にスムージングをかけて、くぼんでしまう部分を滑らかにしていましたね。


■今日の一枚

今回は衝突判定を行えるというSmoothing Modifierの機能を利用して、こんなシーンを作ってみました。
食い込んだ水着を指で直すという、夏のグッとくるしぐさ第3位です!そういえばGenesisフィギュアで仕上げまでしたレンダリング画像を載せるのは初めてですね。

夏のグッとくるしぐさ第3位

Character:Genesis: Basic Female
Skin:V4 EliteTexture: Natasha , MH SkinBlender2
Hair:Reby Sky Elite Hair
Costume:Basicwear for V4 Unimesh , Moments for V4 Basicwear
Shader:UberSurface2 Layered Shader for DAZ Studio
Light:UberEnvironment2

Genesisフィギュアの腰周りはとっても自然なので、お尻を強調するようなポーズとアングルにしてみました。胸はHexagonでモーフを作成して増量してあります。
ビキニボトムとビキニトップ、そして髪はV4用のものをAuto-fitツールで変換しました。自作モーフにも対応してくれるのが嬉しいです。
ビキニボトムにはスムージングをかけてありますので、指の位置をうまく調節してやれば衝突判定が行われ、水着が指の上へ回り込みます。水着の股の部分が食い込んでいるのはデフォーマで変形しました。その部分はちょっと肌から浮いていましたので、デフォーマで余分に肌に埋めてあとはスムージング任せにしています。
日焼け跡は、まにほにさんの『MH SkinBlender2』付属のものを『UberSurface2』シェーダーを適用したGenesisのDiffuse2に張り、Blend ModeをAddにして肌テクスチャと合成してあります。『UberSurface2』シェーダーではフレネル効果がスペキュラにも影響するようになったので、それも活用してみました。
新機能と新シェーダーで思考錯誤したので、今回説明多いです^^。『UberSurface2』シェーダーについてはできればまた記事にしたいですね。



今回のツールと画像の素材はこちら

DAZ Studio 4.5 Pro

UberSurface2 Layered Shader for DAZ Studio

V4 EliteTexture: Natasha

Reby Sky Elite Hair

Basicwear for V4 Unimesh

Moments for V4 Basicwear

AD MH SkinBlender2
MH SkinBlender2



Comment

注目の機能ですね

これは使えそうな機能ですね!
今まで、ちょっといろいろモーフ・ポーズをかけると服がやぶれまくっていましたから。

「今日の一枚」、すばらしいです。
なるほど。こういうふうに指が水着の中に入る表現まで出来るとは、目から鱗です。

Re: 注目の機能ですね

あたたんさんコメントありがとうございます。
水着が上に来るようにするのは、結構微妙な調整が必要でした。これも頭から足先までポリゴンがつながっているGenesisだからできる芸当だったりします。
この機能はやはりGenesisの仕組みがあって初めてリリース可能になったと言えるかもしれません。

No title

こんにちは。先日のご助言、大変ありがとうございました。
V4 Skeletonの骨格全体を覆う膜の様なフィギアが欲しいと思い、
V4 SkeletonにVictoria4をFitさせて、思い切り瘦せこけさせてみたのですが、
骨よりも瘦せこけて骨が突き出てしまうので、このApply Smoothing Modifierの
機能が使えないかと思ってそれぞれのフィギアに設定してみたのですが、
結果は変わらずです。
骨際に骨をまたいでずっと身体中につながる線を描いていきたいので、
骨にピタピタフィットのVictoriaが作れたら、テクスチャ編集が楽だと思ったのですが、
そうしたものを作るのは可能でしょうか?

No title

Node Weight Map BrushやPush Modifier Weight Nodeの記事を参考にさせて頂いて、
V4をNode Weight Map Brushで変形させてみました。
skeletonにfitさせたV4を瘦せこけさせて、
骨の飛び出るところや、十分骨側まで痩せてない脇の下などを
V4をNode Weight Map Brushで出っ張らせたり、引っ込めたりしてみましたが、
なかなか骨格に沿って均一にフィットさせるのは難しいですね。
色々なところにシワができてしまって、
いくらスムージングをかけても骨周りにぐるりと均等に痩せさせる、
というのは難しそうです。
骨の上に地道に線を描くか...
でもお陰様でPush Modifier Weight NodeやBrushの使い方がかなりわかりました。
ありがとうございます。

tomizoさんこんばんは。
なかなかに難易度の高いことをしようとされていますね。
理想的な描画面を得るには、モデリングソフトでV4の新しいシェイプを作ることになってしまいます。
あとは円筒の組み合わせで作ったような人体フィギュアを骨格フィギュアに着せるとか、どちらにしろなかなかの労力です。
着実にスキルアップされているようなので、目標を置いていろいろ試しつつレンダリング画像をグレードアップされていけば、近いうちに適当な形に落ち着くのは明らかに思います。頑張って下さい。

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