pwCatch その2:髪だけをあとでレンダリングする

Category : pwCatch
昨年末にブログを開設して、わたわたしているうちに年が明けてしまいました。今年もよろしくお願いします。ほぼ検索エンジンに頼っているこのサイトですが、おかげさまで訪問してくださる方も増えてきました。情報の見つけやすいブログを目指して、今年もがんばっていこうと思います。

さて、今年はじめのエントリーは、Daz Studio(以下DS)のプラグインシェーダ『pwCatch』のちょっと変わった使い方を書きたいと思います。
D|Sでライトを複数使ったものやシェーダを駆使したレンダリングをする時、例えば『UberEnvironment Light Shader IBL/HDRI』など、髪の毛など半透明テクスチャを使った部分のレンダリングに異常に時間がかかる場合があります。これをどうにかできないかというのが今回のTipsです。
アニーロングヘアSS

※Use Backdropの使用手順をDAZ Studio 4.5以降に対応したものに修正しました。(2014.10.10)


■概要
pwCatchの機能として、『Use Backdrop』というのがあります。そのサーフェイスが表示される部分をBackdrop(プレビューやレンダリングの背景として配置する画像ファイル)の画像で置き換える、というものなのですが、これを使って髪の毛がレンダリングされる部分だけを抽出し、あとで合成します。

今回は髪の毛が主題なので、こんなシーンを作ってみました。
アニーロングヘア オールIBL
Character:MH Anny for V4A4
Hair:Sensual Hair V4
Shader:UberEnvironment Light Shader IBL/HDRI , pwCatch
IBL Source:Light Dome

IBLライトの他に影とスペキュラ用のDistantLightを1つ追加しています。
髪の毛がシーンのほぼ全体を覆っているため、UberEnvironmentXHiに近い設定でそのままレンダリングすると、実に 2時間1分56秒 という時間がかかってしまいました。


■Use Backdrop
このレンダリング時間をどうにかできないか…という問題は前から気にかかっていました。髪の毛以外をシェーダを駆使したレンダリングをして、髪の毛は単純なライトでレンダリングすることで、かかる時間を短縮したいと考えました。しかし髪の毛だけをレンダリングすると…このようになってしまいます。
アニーロングヘア 髪だけ
本来顔や肌で隠れている後ろ髪などもレンダリングされてしまい、このままでは合成できません。そこで目をつけたのが、pwCatch『Use Backdrop』という機能です。
この機能は次のような手順で使うことができます。

 (1)Sceneタブでフィギュアを選択し、さらにSurfacesタブでフィギュアの全てのサーフェイスを選択(サイドメニューのフィギュア名をクリック)します。

 (2)Content Libraryタブで DAZ Studio Formats >> Shader Presets > pwCatch_DS4 を開き、「pwCatch」をダブルクリックして適用します。
pwCatch コンテンツタブ

 (3)続けて DAZ Studio Formats >> Shader Presets > pwCatch_DS4 > pwCatch Resources を開き、「Backdrop Only」をダブルクリックして適用します。
※DS4でpw系シェーダーを使うにはこの手順が必要です。

プレビューでフィギュアが赤の単色に塗りつぶされます。
この時、まつげ(Eyelashes)の部分が髪と重なってしまうようでしたら、SurfacesタブでEyelashesサーフェイスのOpacity Strengthプロパティに元の抜きテクスチャ(だいたいはEyelashの文字の入ったテクスチャをメニューから選べばOKです)を適用する必要があります。

 (4)pwCatchを働かせるのに必要なバックドロップ(ブルーバックやグリーンバックに相当)を用意しましょう。
メインメニューの Edit > Backdrop を実行し、出現したウィンドウのImage欄でバックドロップに使う画像を指定します。
Browseで単色の青(0,0,255)などで塗りつぶした画像を指定するのも良いのですが、今回はLayerd Image Editor(LIE)を使ってべた塗りテクスチャを用意してみましょう。
Image欄の「None」と書いてある部分をクリックして出現するメニューから「Layerd Image Editor」を選択します。

 (5)LIEウィンドウが出現しますので、右端中ほどにある「+」ボタンをクリックして出現するメニューから「Add Layer」を選択します。

 (6)その上の表紙部分に追加された「New Layer」をクリックして選択し、Resource欄の二段目の色指定をクリックしてバックドロップの色(青や緑)を指定します。
pwCatch LIEでべた塗り画像を作る
※髪の色によってBackdropに使う画像の色は変える必要があります。髪の色の補色を選ぶと良いようです。

 (7)ウィンドウ右下端のAcceptボタンをクリックしてLIEウィンドウを閉じた後、さらにAcceptしてBackdrop Optionsウィンドウも閉じます。
プレビューの背景が指定した色に変わっていれば成功です。

                    ***

そしてUberEnvironmentライトを消し、DistantLight(ちょっと明るめにしました)のみでレンダリングします。
アニーロングヘア pwCatch影なし髪
レンダリング時間 2分57秒

どうでしょうか?合成にすんなり使えそうです。
さらに、髪の毛が肌などに落とす影もレンダリングしたい場合は、pwCatchのプリセットを『Catch Shadows + Backdrop』に変えてください。
アニーロングヘア pwCatch影つき髪
レンダリング時間 3分6秒

さらに、合成用に髪の毛以外をレンダリングします。順序が前後しますが、これはpwCatchを使って髪の毛をレンダリングする前にしたほうがいいでしょう。最初の画像をレンダリングしたシーンから髪の毛を隠してレンダリングします(当然UberEnvironmentライトを有効にしたままです)。その際、顔の周囲に髪の毛と同じ色のオブジェクトを置いておくと、合成結果がよくなります。
アニーロングヘア スキンヘッド
レンダリング時間 5分29秒


■クロマキー合成
さて、レンダリングした画像をフォトレタッチソフトなどで合成するわけですが、ここではたと作業が止まってしまいました。Photoshopでクロマキー合成を簡単にする方法が思いつかない…
DSでアルファマスクを作ってくれていればすんなりいけたのですが、Backdropを使わないでpngファイルに保存してもアルファはできません。
この項はさらによい方法が見つかったら追記したいと思います。

苦悩の末思い至ったのが、ビデオ編集ソフトを使うという方法です。クロマキー合成といえば映像製作の現場で当たり前のように使われている技術です。当然ビデオ編集ソフトにもほぼ標準で機能が搭載されています。今回は手元にあった『Vegas Movie Studio 9 Platinum Edition』を使いました。本格的なマルチトラックビデオ編集ができて実売13000円程度と、非常にコストパフォーマンスの高い製品です。

『Vegas Movie Studio』のビデオトラックに髪の毛のレンダリング画像を配置し、ビデオFX > クロマキーヤー > ブルースクリーン を適用します。そしてダイヤログできれいに髪の毛だけ残るようにパラメータを調節します。
VegasMS クロマキー合成
ムービーのプロパティをレンダリング画像サイズに合わせてやれば、あとはプレビューウィンドウの品質を最高(フル)にして、その横の保存ボタンを押して画像を保存するだけです。
上の画像では合成先の肌も置いてありますが、それを消してpng形式で保存すれば髪の毛以外がアルファチャンネルで抜けた画像を得ることも出来ます。

出来上がったのがこちらです。
アニーロングヘア pwCatch影なし
髪の影がないバージョン

アニーロングヘア pwCatch影つき
髪の影をつけたバージョン

比べてみるとフルIBLでレンダリングした一番上の画像はAO(Ambient Occlusion)の影がマイルドについていて雰囲気がちょっと違いますが、そちらが2時間以上レンダリング時間がかかるのに対して、髪を別にした場合は単純なレンダリング時間の合計が10分以下と段違いです。
pwCatchにはこういう使い方もあるという紹介でした。



今回のツールと画像の素材はこちら

pwCatch

Victoria 4.2 Starter Bundle

Sensual Hair V4

MH Anny for V4A4
MH Anny for V4A4




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