Content Creator Toolkit その4:Node Weight Map Brushツール
Category : Content Creator Toolkit
DAZ Studio 4(DS4)用のフィギュア・セットアップツール『Content Creator Toolkit(CCT)』解説の第4回は、ウェイトマップを作成・編集することができるNode Weight Map Brushツールです。
DS4とともに登場したDAZ第5世代フィギュアがGenesisで、その特長としてウェイトマップが使われているという点があるのは、このブログを読んで下さっている方にはご存知のことと思います。
ウェイトマップとは、フィギュアの骨格(スケルトン)に皮膚(サーフェイス)をバインドするためのスキニング方法の一つです。マップと言ってもテクスチャのような画像ではなく、フィギュアの一つ一つの頂点が、あるボーンの動きにどのくらい影響を受けるかというパラメータを色で表現したものです。テクスチャマッピングの基準となるUVマップと同様に頂点の持つ情報の一つというわけですね。
Node Weight Map Brushツールでは、TriAxウェイトマップまたはGeneralウェイトマップの2種類のウェイトマップを扱うことができ、ビューポート上のフィギュアに直接3Dペイントを行うことができます。では、その使い方と特徴を見ていきましょう。

※バージョンアップにより名称が「Weight Map Brush」ツールから「Node Weight Map Brush」ツールに変更になりました。
※ツールの名称変更につき、メニューなどの変更内容を記事に反映しました。(2014.8.21)
■TriAxウェイトマップ
DS4の機能紹介で必ず出てくるTriAxウェイトマップという言葉、そのTriAxとは何なんでしょう?
これはおそらく、Tri-Axis ―> 3軸ということではないかと思います。Generalウェイトマップが1つのボーンに対して1枚(スケール別)しかウェイトマップを持てないのに対し、TriAxウェイトマップはボーンのXYZ各軸に対して別のウェイトマップを持つことができます。
さらにTriAxウェイトマップでは、1つのボーンの1つの軸に対してRotation、BulgeLeft、BulgeRightの3枚のウェイトマップを持つことができるのです。BulgeLeft、BulgeRightはPoserフィギュアを作ったことがある方なら見たことがある単語ではないかと思いますが、関節が曲がった時にそこが不自然にへこまないように膨張させるための仕組みです。つまりTriAxウェイトマップとは、これまでのPoserフィギュアの良いところは残しつつウェイトマップを導入した、良いとこ取りの仕様と言えます。
また、Scaleに対してもウェイトマップを持つことができます。これはどうやらTriAx、Generalの別なく1枚持つことができるようです。
一方、Poser9とPoser2012で採用されたウェイトマップは、DS4のものとは実装の仕方が違います。ビデオを見た限りでは、こちらは、RotationやSmoothなどのジョイント・パラメータそれぞれに対して[Sphere、Capsel、WeightMap]の中から影響範囲設定方式を選択するようになっていました。これがハイブリッドと言われる所以ですね。この点に関してDS4では、ウェイトマップに変換したフィギュアのジョイント・パラメータはCenter/EndPointを残して無くなります。
■Node Weight Map Brushツールの装備
Node Weight Map Brushツールを装備するためには、メインメニューの Tools > Node Weight Map Brush を選択するか、一部のレイアウトのツールバーにあるアイコン
をクリックします。

これでマニュピレータ(マウス操作)がウェイトマップをペイントするためのものに変化します。
また、選択したボーンの情報がTool Settingsタブに表示されます。この時点ではビューポートのフィギュアには変化がありませんが、表示したいノードを選択した上でTool Settingsタブで編集したいMapを選択してはじめて、ウェイトマップが表示されます。

■Tool Settingsタブ
今回は先にTool Settingsタブの内容について説明します。
Node Weight Map Brushツールを装備すると、Tool Settingsタブは次のような内容になります。

ついでにオプションメニューのうちビューポートの右クリックメニューには無いものもここでご紹介しておきます。
■ウェイトマップの表示
ビューポートのフィギュア上にウェイトマップを表示して編集するためには、次のような手順が必要になります。
・Node Weight Map Brushツールを装備する。
・Sceneタブかビューポートでフィギュアのどれかのノードを選択する。Node Weight Map Brushツール装備時は右クリックメニューの「Select ”~”」でマウスポインタ位置のノードを選択できる。
・Tool Settingsタブのウェイトマップ・リストから編集したいウェイトマップを選択する。
もしも選択したフィギュアがウェイトマップを使っていない場合、Node Weight Map Brushツールを装備した時に次のような警告が出るようになっています。

初期設定ではウェイトマップは多色のグラデーションで表現されます。サーフェイスに重ねられるので最終的な色は変わってしまいますが、ウェイト0から無色~黄色(255,255,0)~青(0,0,255)~赤(255,0,0)のグラデーションになっています。

この色はTool Settingsタブのオプションメニューの Weight Display > Edit Gradient Colors を実行すると出現する設定ダイアログで変更することができます。

バージョンアップにより設定が複雑になりましたが、全てを調整する必要はありません。
@数値とあるのがウェイト値を表し、@0でウェイト値0ということです。Alphaはウェイト表示の透明度(Alpha@0はColor@0の色の透明度)を示します。ウィンドウ下段の@数値と色指定のセットがウェイト値いくつのときに何色で表示するかという設定で、その間がウェイト値に従ったグラデーションになります。Number of Colorsを増やせばウェイト値と色指定のセットを増やすことができます。

■ウェイトマップの操作
Tool Settingsタブでは、編集するウェイトマップを選択するだけでなく、ウェイトマップ毎の編集を行うことができます。
ウェイトマップ・リストのウェイトマップ名上で右クリックすると、次のようなメニューが開きます。

TriAxウェイトマップだと何枚もウェイトマップがありますので、コピー&ペーストができるのは助かりますね。また、ウェイト0%で塗りつぶすということはできませんので、ウェイトマップをまっさらにしたい場合は一度削除して改めて追加するという手順が必要になります。ウェイト0%で塗りつぶす場合、局所的にウェイトが残る場合がありますので、その場合は一度削除して改めて追加すると良いです。
もう一つ便利な機能として、ウェイトマップを左右対称にコピーしてくれるものがオプションメニューの Weight Editing > Weight Map Symmetry にあります。

この機能はペイント中ではなく後処理として使うもので、フィギュア全体を一括処理できるスグレモノです。ただし、左右対称のメッシュを持ったフィギュアでないと正常に機能が働かないと思われます。
■ウェイトペイント
やはり今回も本題にたどり着くまでえらくかかりましたが、ウェイトマップにウェイト値をペイントする方法の説明に入ります。ここはわりと分かりやすい部分で、お絵かきソフトのようにウェイトマップを表示したフィギュアをマウスでなぞれば色(=ウェイト値)が着くようになっています。
うまくペイントするコツは、色が着くのは頂点だということを考慮することです。
使用できるブラシは4種類あり、ビューポートの右クリックメニューの Brush Mode か、Tool Settingsタブ右上端のアイコンで切り替えることができます。切り替えると同時に、タブのBrush欄とビューポートの右クリックメニューの一部がそのブラシ専用のものに変化します。
※ここではウェイト0%を黄、ウェイト100%を赤と表現します。
※キーボードショートカットは初期設定でのものです。変更や確認にはCustomizeウィンドウをご覧下さい。
以下にご紹介するブラシの他に、「Geometry Selection」モードが用意されています。
このモードにすれば、Geometry Editorツールに切り替えることなく、マウス操作によるポリゴン選択ができるようになっています。
・ペイントブラシ(Paint Brush)

<ペイント方法>
マウスのドラッグ。
<効果>
ウェイト値をマウスポインタの位置に設定。
<キー操作>
Altキー+左ドラッグでウェイトを減らす。
Ctrlキー+左ドラッグで一時的にスムースブラシを使う。
Ctrlキー+ホイールでブラシの内径と外径を両方変化させる。
Shiftキー+ホイールでブラシの内径を変化させる。
Altキー+ホイールでブラシの外径を変化させる。
<オプション>
・スムースブラシ(Smooth Brush)

<ペイント方法>
マウスによるドラッグ。
<効果>
マウスポインタの位置周辺をぼかし、滑らかにする。
<キー操作>
Altキー+左ドラッグでウェイトを減らす。
Ctrlキー+左ドラッグで一時的にペイントブラシを使う。
Ctrlキー+ホイールでブラシの内径と外径を両方変化させる。
Shiftキー+ホイールでブラシの内径を変化させる。
Altキー+ホイールでブラシの外径を変化させる。
<オプション>
・方向グラデーション(Directional Gradient)

<ペイント方法>
黄と赤のハンドルをドラッグして移動、「Apply Gradient」ボタンをクリック。
各ハンドルのギズモをドラッグすることで、そのハンドルをボーンのローカル軸に沿って移動することができる。
<効果>
黄のハンドル(ウェイト0%)と赤のハンドル(ウェイト100%)の間に滑らかなグラデーションを描く。
<オプション>
・球状グラデーション(Sphere Gradient)

<ペイント方法>
球体に付いているギズモで変形し、「Apply Gradient」ボタンをクリック。
<効果>
赤い球体の外側から黄色い球体の内側へ滑らかなグラデーションを描く。この時、赤い球体の内側はウェイト100%、黄色い球体の外側はウェイト0%になる。
<キー操作>
Ctrlキーを押しながら球体の表面にあるスケースギズモを操作すると、拡縮の中心が反対側のスケールギズモになる。
<オプション>
※共通オプションについて
4つのブラシに共通のオプションは次の通りです。
※Use Symmetryについて
チェックを入れると左右対称メッシュを持つフィギュアについて、片側をペイントすると逆側にも対称になるようにペイントが実行されます。左右対称のノードを持つフィギュアに対しては対称になる組のウェイトマップの対称位置に、真ん中にある左右対称なノードに対しては同一ウェイトマップの対称位置にと、自動で判定してくれるようです。
Maskは描画できる範囲を制限するオプションです。
Positiveで軸の+側が、Negativeで軸の-側が描画できなくなります。「Mask Centerline」にチェックを入れると、軸上の頂点(中央)にペイントできなくなります。
※グラデーションの偏りについて
方向グラデーションブラシと球状グラデーションブラシでは、Gradient Falloffメニューによってペイントするグラデーションの偏りを設定することができます。そのパラメータの違いを画像にしました。それぞれの画像の上段がウェイトマップ(3色)で、下段がそれを元にボーンをY軸+方向へ移動させた時のメッシュの変形具合です。


■ポリゴン選択からのウェイトペイント
Geometry Editorツールで選択したポリゴンやフィギュアに存在するポリゴン・グループをウェイトマップのペイントに活用することもできます。
・ポリゴン・グループからのポリゴン選択

ビューポートの右クリックメニューまたはTool Settingsタブのオプションメニューから Geometry Selection > Select By でフィギュアに存在するポリゴン・グループを選択することができます。
また、ペイントモードを「Geometry Selection」にすれば、Geometry Editorツールに切り替えなくてもマウス操作によるポリゴン選択ができます。
・ポリゴン選択範囲をウェイト値で塗りつぶす

ビューポートの右クリックメニューまたはTool Settingsタブのオプションメニューから Weight Editing > Fill Selected Faces を実行すると次のようなダイアログが出現し、設定したウェイト値でポリゴン選択範囲を塗りつぶすことができます。

・ポリゴン選択範囲にスムースをかける

ビューポートの右クリックメニューまたはTool Settingsタブのオプションメニューから Weight Editing > Smooth Selected Faces を実行すると次のようなダイアログが出現し、ポリゴン選択範囲のウェイト値を滑らかなグラデーションにすることができます。

私が使ってみた感じでは、smooth factorの効果の強さで、number of iterationsの回数繰り返し処理するということのようです。「Restrict Influence」は直訳だと「影響を制限する」となりますが、効果は不明です。
■右クリックメニュー
Node Weight Map Brushツールを装備したときのビューポートの右クリックからアクセスできるメニューを一覧にしました。
今回のツールはこちら
DS4とともに登場したDAZ第5世代フィギュアがGenesisで、その特長としてウェイトマップが使われているという点があるのは、このブログを読んで下さっている方にはご存知のことと思います。
ウェイトマップとは、フィギュアの骨格(スケルトン)に皮膚(サーフェイス)をバインドするためのスキニング方法の一つです。マップと言ってもテクスチャのような画像ではなく、フィギュアの一つ一つの頂点が、あるボーンの動きにどのくらい影響を受けるかというパラメータを色で表現したものです。テクスチャマッピングの基準となるUVマップと同様に頂点の持つ情報の一つというわけですね。
Node Weight Map Brushツールでは、TriAxウェイトマップまたはGeneralウェイトマップの2種類のウェイトマップを扱うことができ、ビューポート上のフィギュアに直接3Dペイントを行うことができます。では、その使い方と特徴を見ていきましょう。

※バージョンアップにより名称が「Weight Map Brush」ツールから「Node Weight Map Brush」ツールに変更になりました。
※ツールの名称変更につき、メニューなどの変更内容を記事に反映しました。(2014.8.21)
■TriAxウェイトマップ
DS4の機能紹介で必ず出てくるTriAxウェイトマップという言葉、そのTriAxとは何なんでしょう?
これはおそらく、Tri-Axis ―> 3軸ということではないかと思います。Generalウェイトマップが1つのボーンに対して1枚(スケール別)しかウェイトマップを持てないのに対し、TriAxウェイトマップはボーンのXYZ各軸に対して別のウェイトマップを持つことができます。
さらにTriAxウェイトマップでは、1つのボーンの1つの軸に対してRotation、BulgeLeft、BulgeRightの3枚のウェイトマップを持つことができるのです。BulgeLeft、BulgeRightはPoserフィギュアを作ったことがある方なら見たことがある単語ではないかと思いますが、関節が曲がった時にそこが不自然にへこまないように膨張させるための仕組みです。つまりTriAxウェイトマップとは、これまでのPoserフィギュアの良いところは残しつつウェイトマップを導入した、良いとこ取りの仕様と言えます。
また、Scaleに対してもウェイトマップを持つことができます。これはどうやらTriAx、Generalの別なく1枚持つことができるようです。
一方、Poser9とPoser2012で採用されたウェイトマップは、DS4のものとは実装の仕方が違います。ビデオを見た限りでは、こちらは、RotationやSmoothなどのジョイント・パラメータそれぞれに対して[Sphere、Capsel、WeightMap]の中から影響範囲設定方式を選択するようになっていました。これがハイブリッドと言われる所以ですね。この点に関してDS4では、ウェイトマップに変換したフィギュアのジョイント・パラメータはCenter/EndPointを残して無くなります。
■Node Weight Map Brushツールの装備
Node Weight Map Brushツールを装備するためには、メインメニューの Tools > Node Weight Map Brush を選択するか、一部のレイアウトのツールバーにあるアイコン


これでマニュピレータ(マウス操作)がウェイトマップをペイントするためのものに変化します。
また、選択したボーンの情報がTool Settingsタブに表示されます。この時点ではビューポートのフィギュアには変化がありませんが、表示したいノードを選択した上でTool Settingsタブで編集したいMapを選択してはじめて、ウェイトマップが表示されます。

■Tool Settingsタブ
今回は先にTool Settingsタブの内容について説明します。
Node Weight Map Brushツールを装備すると、Tool Settingsタブは次のような内容になります。

・Mode(右アイコン) | ブラシのモードを切り替える。左からジオメトリ選択(Geometry Selection)、ペイントブラシ(Paint Brush)、スムースブラシ(Smooth Brush)、方向グラデーション(Directional Gradient)、球状グラデーション(Sphere Gradient)。 |
・Unused Maps | 選択中のボーンで使用していないウェイトマップがドロップダウンメニューで表示されるので、選んで「Add Map」ボタンをクリックすると追加される。 |
・Display Children Weights | チェックを入れると、子ノード全てのウェイトも加算して表示される。加算されて表示上100%に見えるウェイトを持つ部分でも、ペイントすると編集中のウェイトマップに書き込まれるので注意。 |
・Remove Selected | 編集中のウェイトマップを削除する。 |
ついでにオプションメニューのうちビューポートの右クリックメニューには無いものもここでご紹介しておきます。
・Copy Weight | ウェイトマップをコピーする。 |
・Paste Weight | ウェイトマップをペーストする。 |
・Edit Gradient Colors | ウェイトマップの描画色を設定する。 |
■ウェイトマップの表示
ビューポートのフィギュア上にウェイトマップを表示して編集するためには、次のような手順が必要になります。
・Node Weight Map Brushツールを装備する。
・Sceneタブかビューポートでフィギュアのどれかのノードを選択する。Node Weight Map Brushツール装備時は右クリックメニューの「Select ”~”」でマウスポインタ位置のノードを選択できる。
・Tool Settingsタブのウェイトマップ・リストから編集したいウェイトマップを選択する。
もしも選択したフィギュアがウェイトマップを使っていない場合、Node Weight Map Brushツールを装備した時に次のような警告が出るようになっています。

初期設定ではウェイトマップは多色のグラデーションで表現されます。サーフェイスに重ねられるので最終的な色は変わってしまいますが、ウェイト0から無色~黄色(255,255,0)~青(0,0,255)~赤(255,0,0)のグラデーションになっています。

この色はTool Settingsタブのオプションメニューの Weight Display > Edit Gradient Colors を実行すると出現する設定ダイアログで変更することができます。

バージョンアップにより設定が複雑になりましたが、全てを調整する必要はありません。
@数値とあるのがウェイト値を表し、@0でウェイト値0ということです。Alphaはウェイト表示の透明度(Alpha@0はColor@0の色の透明度)を示します。ウィンドウ下段の@数値と色指定のセットがウェイト値いくつのときに何色で表示するかという設定で、その間がウェイト値に従ったグラデーションになります。Number of Colorsを増やせばウェイト値と色指定のセットを増やすことができます。

■ウェイトマップの操作
Tool Settingsタブでは、編集するウェイトマップを選択するだけでなく、ウェイトマップ毎の編集を行うことができます。
ウェイトマップ・リストのウェイトマップ名上で右クリックすると、次のようなメニューが開きます。

・Add | 未使用のウェイトマップを追加する。 |
・Copy Selected | ウェイトマップをコピーする。 |
・Paste Selected | コピーしたウェイトマップをペーストする。 |
・Merge Into Selected | コピーしたウェイトマップを現在のものに加算する。 |
・Remove Selected | ウェイトマップを削除する。 |
TriAxウェイトマップだと何枚もウェイトマップがありますので、コピー&ペーストができるのは助かりますね。
もう一つ便利な機能として、ウェイトマップを左右対称にコピーしてくれるものがオプションメニューの Weight Editing > Weight Map Symmetry にあります。

・Mode | 処理の対象。フィギュア全体(Entire Figure)、選択中のボーンのみ(Selected Bone)、選択中のウェイトマップのみ(Selected Map)。 |
・Axis | 基準となる軸とコピー元&先。 |
・Create maps if they do not exist | コピー先にウェイトマップが設定してなかった場合に、それを作成する。 |
この機能はペイント中ではなく後処理として使うもので、フィギュア全体を一括処理できるスグレモノです。ただし、左右対称のメッシュを持ったフィギュアでないと正常に機能が働かないと思われます。
■ウェイトペイント
やはり今回も本題にたどり着くまでえらくかかりましたが、ウェイトマップにウェイト値をペイントする方法の説明に入ります。ここはわりと分かりやすい部分で、お絵かきソフトのようにウェイトマップを表示したフィギュアをマウスでなぞれば色(=ウェイト値)が着くようになっています。
うまくペイントするコツは、色が着くのは頂点だということを考慮することです。
使用できるブラシは4種類あり、ビューポートの右クリックメニューの Brush Mode か、Tool Settingsタブ右上端のアイコンで切り替えることができます。切り替えると同時に、タブのBrush欄とビューポートの右クリックメニューの一部がそのブラシ専用のものに変化します。
※ここではウェイト0%を黄、ウェイト100%を赤と表現します。
※キーボードショートカットは初期設定でのものです。変更や確認にはCustomizeウィンドウをご覧下さい。
以下にご紹介するブラシの他に、「Geometry Selection」モードが用意されています。
このモードにすれば、Geometry Editorツールに切り替えることなく、マウス操作によるポリゴン選択ができるようになっています。
・ペイントブラシ(Paint Brush)

<ペイント方法>
マウスのドラッグ。
<効果>
ウェイト値をマウスポインタの位置に設定。
<キー操作>
Altキー+左ドラッグでウェイトを減らす。
Ctrlキー+左ドラッグで一時的にスムースブラシを使う。
Ctrlキー+ホイールでブラシの内径と外径を両方変化させる。
Shiftキー+ホイールでブラシの内径を変化させる。
Altキー+ホイールでブラシの外径を変化させる。
<オプション>
・Use Symmetry | チェックを入れると左右対称のペイントを有効にする。 |
・Sensitivity | 描画の強さ。 |
・Outer Radius / Inner Radius | ブラシの外径/内径。 |
・Brush Falloff (メニュー) | ブラシの外径と内径間のウェイト値の偏り。 |
・スムースブラシ(Smooth Brush)

<ペイント方法>
マウスによるドラッグ。
<効果>
マウスポインタの位置周辺をぼかし、滑らかにする。
<キー操作>
Altキー+左ドラッグでウェイトを減らす。
Ctrlキー+左ドラッグで一時的にペイントブラシを使う。
Ctrlキー+ホイールでブラシの内径と外径を両方変化させる。
Shiftキー+ホイールでブラシの内径を変化させる。
Altキー+ホイールでブラシの外径を変化させる。
<オプション>
・Use Symmetry | チェックを入れると左右対称のペイントを有効にする。 |
・Sensitivity | 描画の強さ。 |
・Outer Radius / Inner Radius | ブラシの外径/内径。 |
・Brush Falloff (メニュー) | ブラシの外径と内径間のウェイト値の偏り。 |
・方向グラデーション(Directional Gradient)

<ペイント方法>
黄と赤のハンドルをドラッグして移動、「Apply Gradient」ボタンをクリック。
各ハンドルのギズモをドラッグすることで、そのハンドルをボーンのローカル軸に沿って移動することができる。
<効果>
黄のハンドル(ウェイト0%)と赤のハンドル(ウェイト100%)の間に滑らかなグラデーションを描く。
<オプション>
・Use Symmetry | チェックを入れると左右対称のペイントを有効にする。 |
・Align To Bone | 黄ハンドルをボーンのセンターポイントに合わせ、グラデーション方向をボーンの向きに沿わせる。 |
・Flip Gradient | ハンドルの配置を反転する。 |
・Apply Gradient | ペイントの実行。 |
・Gradient Falloff (メニュー) | グラデーションの偏りを設定する。 |
・Gradient Handles (メニュー) | ハンドルの数を2ハンドル(黄~赤)、3ハンドル(黄~赤~赤)、4ハンドル(黄~赤~赤~黄)に設定する。 |
・球状グラデーション(Sphere Gradient)

<ペイント方法>
球体に付いているギズモで変形し、「Apply Gradient」ボタンをクリック。
<効果>
赤い球体の外側から黄色い球体の内側へ滑らかなグラデーションを描く。この時、赤い球体の内側はウェイト100%、黄色い球体の外側はウェイト0%になる。
<キー操作>
Ctrlキーを押しながら球体の表面にあるスケースギズモを操作すると、拡縮の中心が反対側のスケールギズモになる。
<オプション>
・Snap To Bone | 2つの球体をボーンに合わせて配置します。 |
・Apply Gradient | ペイントの実行。 |
・Gradient Falloff (メニュー) | グラデーションの偏りを設定する。 |
※共通オプションについて
4つのブラシに共通のオプションは次の通りです。
・Respect Selection | チェックを入れるとジオメトリ選択範囲外に描画できなくする。 |
・Point Size | ウェイトマップ表示を頂点にした時のウェイト点の大きさ。 |
※Use Symmetryについて
チェックを入れると左右対称メッシュを持つフィギュアについて、片側をペイントすると逆側にも対称になるようにペイントが実行されます。左右対称のノードを持つフィギュアに対しては対称になる組のウェイトマップの対称位置に、真ん中にある左右対称なノードに対しては同一ウェイトマップの対称位置にと、自動で判定してくれるようです。
Maskは描画できる範囲を制限するオプションです。
Positiveで軸の+側が、Negativeで軸の-側が描画できなくなります。「Mask Centerline」にチェックを入れると、軸上の頂点(中央)にペイントできなくなります。
※グラデーションの偏りについて
方向グラデーションブラシと球状グラデーションブラシでは、Gradient Falloffメニューによってペイントするグラデーションの偏りを設定することができます。そのパラメータの違いを画像にしました。それぞれの画像の上段がウェイトマップ(3色)で、下段がそれを元にボーンをY軸+方向へ移動させた時のメッシュの変形具合です。


■ポリゴン選択からのウェイトペイント
Geometry Editorツールで選択したポリゴンやフィギュアに存在するポリゴン・グループをウェイトマップのペイントに活用することもできます。
・ポリゴン・グループからのポリゴン選択

ビューポートの右クリックメニューまたはTool Settingsタブのオプションメニューから Geometry Selection > Select By でフィギュアに存在するポリゴン・グループを選択することができます。
また、ペイントモードを「Geometry Selection」にすれば、Geometry Editorツールに切り替えなくてもマウス操作によるポリゴン選択ができます。
・ポリゴン選択範囲をウェイト値で塗りつぶす

ビューポートの右クリックメニューまたはTool Settingsタブのオプションメニューから Weight Editing > Fill Selected Faces を実行すると次のようなダイアログが出現し、設定したウェイト値でポリゴン選択範囲を塗りつぶすことができます。

・ポリゴン選択範囲にスムースをかける

ビューポートの右クリックメニューまたはTool Settingsタブのオプションメニューから Weight Editing > Smooth Selected Faces を実行すると次のようなダイアログが出現し、ポリゴン選択範囲のウェイト値を滑らかなグラデーションにすることができます。

私が使ってみた感じでは、smooth factorの効果の強さで、number of iterationsの回数繰り返し処理するということのようです。「Restrict Influence」は直訳だと「影響を制限する」となりますが、効果は不明です。
■右クリックメニュー
Node Weight Map Brushツールを装備したときのビューポートの右クリックからアクセスできるメニューを一覧にしました。
・Select "~" | マウスポインタ位置のノードを選択する。 |
・Select Weight Map | 編集するウェイトマップを選択する。 |
・Brush Mode | ブラシのモードを切り替える。ジオメトリ選択(Geometry Selection)、ペイントブラシ(Paint Brush)、スムースブラシ(Smooth Brush)、方向グラデーション(Directional Gradient)、球状グラデーション(Sphere Gradient)。 |
・Brush Falloff | ブラシの外径と内径間のウェイト値の偏りを設定する。ペイントブラシモード、スムースブラシモードで表示。 |
・Gradient Falloff | グラデーションの偏りを設定する。方向グラデーションモードで表示。 |
・Gradient Handles | ハンドルの数を2ハンドル(黄~赤)、3ハンドル(黄~赤~赤)、4ハンドル(黄~赤~赤~黄)に設定する。方向グラデーションモードで表示。 |
・Gradient Editing | Tool Settingsタブのブラシの設定欄のメニュー。方向グラデーションモードで表示。 |
・Selection Type | ジオメトリ選択のタイプをポリゴン(Polygon)/エッジ(Edge)/頂点(Vertex)に変更する。 |
・Selection Mode | ジオメトリ選択のモードを矩形選択(Marquee)/投げ縄選択(Lasso)/ドラッグ選択(Drag)に変更する。 |
・Geometry Selection | ジオメトリの選択。個々のメニューの説明はGeometry Editorツールの記事へ。 |
・Geometry Visibility | ジオメトリの表示/非表示。非表示にしたジオメトリにはウェイトの描画ができなくなる。個々のメニューの説明はGeometry Editorツールの記事へ。 |
・Geometry Locking | ジオメトリのロック/アンロック。ロックしたジオメトリにはウェイトの描画ができなくなる。個々のメニューの説明はGeometry Editorツールの記事へ。 |
・Weight Display | ウェイト値の描画モード。描画しない(Don't Draw Weights)、ウェイト値を頂点に描画する(Draw Weighted Vertices)、ウェイト値をポリゴンに描画する(Draw Weighted Surface)、ウェイトがあるかないかを元に描画する(Draw Surface With Weight)。 Show Children Weightsにチェックで、子ノードのウェイトも加算して描画する。 |
Weight Editing | ウェイトマップの編集メニュー。 |
・Fill Selected | ジオメトリ選択範囲を塗りつぶす。 |
・Smooth Selected | ジオメトリ選択範囲にスムースをかける。 |
・Attenuate Selected | ジオメトリ選択範囲のウェイト値をパーセンテージを掛けて減じる。 |
・Fill by Bone Selection Group(s) | |
・Filter Weights Below | 指定値以下の値を持つ頂点のウェイト値を0にする。 |
・Normalize Weight | |
・Copy Weight Maps | ウェイトマップを複数ノードでそれぞれ一括コピーする。 |
・Weight Map Symmetry | ウェイトマップを左右対称にする。 |
・Weight Conversion | TriAxウェイトマップとGeneralウェイトマップ間で、ウェイトマップの変換をする。 |
・Clear Weight | フィギュア単位でGeneral/TriAx/Scaleウェイトマップを全て削除する。 |
今回のツールはこちら
![]() Content Creator Toolkit |
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