Content Creator Toolkit その6:V4M4のモーフをGenesisに
Category : Content Creator Toolkit
DAZストアにて『Genesis Generation X』というDAZ Studio 4(以下DS4)用のプラグインが発売開始されました。
このプラグインは、DAZのVictoria4またはMichael4フィギュア用のモーフ(A4、F4なども含む)をGenesisフィギュアで使えるようにコンバートするものです。以前はRenderosityにて『Gen4』という名前で販売されていましたが、それをバージョンアップしたもののようです。私も、まにほにさんから『Gen4』の話を聞いていて興味があったのですが、買う前に販売中止になってしまっていました。
一方、DAZフォーラムのそのプラグイン関係のトピックで、DAZ関係者が「Content Creator Toolkit(CCT)でも同じことができる」と発言されていたり、Victoria5のトピックのFAQにも「CCTのTransfer UtilityでV4のモーフがコンバートできる」と書かれていました。ずっと気になっており、前回のTransfer Utilityの記事を書く際にできそうな感触はつかんでいたのですが、やっとその方法が判明しました。その最後の決め手になったのが『Generation X』の必要プロダクトが『V4 and M4 Shapes for Genesis』になっていたことだったんです。
今回はCCTのTransfer Utilityを使ってV4からGenesisへモーフを移植する方法を解説します。

■モーフの移植
V4またはM4のモーフをGenesisで使えるようにするにはTransfer Utilityを使います。
Transfer Utilityの使い方については前回の記事をご参照下さい。
では、V4のElite Utopiaモーフをコンバートする過程を例として順を追っていきます。
(1)シーンにGenesisとV4を読み込みます。

(2)V4を選択し、メインメニューの Edit > Figure > Rigging > Convert Figure to Weight Mapping を実行します。SceneタブのオプションメニューからでもOKです。

(3)どの方式のウェイトマップに変換するか選択するダイアログが出現しますので、「TriAx Weight Mapping」になっているのを確認してAcceptボタンをクリックして下さい。
ウェイトマップ・フィギュアに変換したのは、そうしないとTransfer Utilityのソースフィギュアとして使用できないためです。

(4)Transfer Utilityを起動します。そして次の画像のような設定でAcceptボタンをクリックして下さい。ポイントは次の通りです。
Source Scene Item: Victoria 4.2
Target Scene Item: Genesis
General Options: Morph Targetのみ。さらにそのExtended OptionsでSource Morphsにチェックを入れる。
Post Transfer Options: 全てチェックを外す。

(5)移植が完了しましたら、Genesisを選択して、まずShapingタブのVictoria 4モーフを1にします。

(6)ParametersタブでサイドメニューをMorphs>Importedの順にクリックし、タブ上端の検索ボックスに「UtopianBody」と入力します。すると表示されるパラメータがEliteUtopianモーフ関連に絞られますので、その全てのモーフ・パラメータを100%にして下さい。

これでプレビューではV4にEliteUtopianモーフを適用した状態とそっくりなGenesisが表示されていると思います。

同じようにしてMorph++やFreak4、Aiko4などのモーフがコンバートできます。一つ重要なポイントとしては、そのモーフを適用するベースフィギュアに対応するGenesis用モーフ『V4 and M4 Shapes for Genesis』は購入しないといけないということです。『David 3 for Genesis』なんて製品もありますから、それがあればD3のモーフもコンバートできそうです(未確認)。
コンバート精度については、頭以外はなかなかいい感じですが、頭部のモーフ、特に目元や口を開けるものなどがちょっと厳しいです。また、リグの違いからポーズを取ったときに不具合が出るものもあります。
今度はV4のキャラクター製品『MH Rain』をコンバートしてみました。

DS4とHexagonでやりとりをして、まるごとモーフ化したものをGenesisへ移植しました(自分で使うだけだからできる荒業ですね)。遠目だと正常に移植できているように見えますが、下乳の付け根付近と目元のジオメトリは乱れてしまっています。
■モーフのクリーンアップ
コンバートしたモーフを適用する際に、毎回Parametersタブで多くのモーフ・パラメータを操作するのは大変です。それに、EliteUtopianの場合はポーズを取らすと胸がいびつな変形をしてしまいましたのでなんとかしたいところです。そこで、モーフを適用したフィギュアを一度エクスポートして、新規全身モーフとしてGenesisに読み込み直してみましょう。
(1)先ほどの工程の最後の状態のGenesisから、ShapingタブでVictoria4モーフを0にします。
(2)ParametersタブのGeneral>Mesh Resolutionサイドメニューをクリックし、Resolution LevelをBaseにします。
(3)メインメニューの File > Export でWavefront Object (*.obj)として保存して下さい。オプションは以下のようにします。
To: Poser
Use Bone Welds: チェックを外す
Write Groups: チェックを外す
(4)シーンをクリアして、新たにGenesisを読み込みます。
(5)Morph Loader Proを使って先ほど保存したObjファイルを読み込みます。オプションは以下の通り(EliteUtopianの場合の設定です)。
From: Poser
Name: FBMEliteUtopian
Property Group: Actor/Female/Real World
Overwrite Existing: Deltas Only
これで、ShapingタブにFBMEliteUtopianというモーフ・パラメータが出現します。それとVictoria 4モーフを有効にすることで、GenesisでEliteUtopianモーフが使えるようになりました。出力したObjファイルをモデラーで修正してもいいですし、EliteUtopian用のリグをCCTで調整してもいいです。


今回ご紹介したように、CCTでのモーフのコンバートにはなかなか面倒な手続きを踏まなければいけませんし、期待通りの精度に満たない部分もあります。こうなるとがぜん『Genesis Generation X』が気になってきました。
今回のツールと画像の素材はこちら
このプラグインは、DAZのVictoria4またはMichael4フィギュア用のモーフ(A4、F4なども含む)をGenesisフィギュアで使えるようにコンバートするものです。以前はRenderosityにて『Gen4』という名前で販売されていましたが、それをバージョンアップしたもののようです。私も、まにほにさんから『Gen4』の話を聞いていて興味があったのですが、買う前に販売中止になってしまっていました。
一方、DAZフォーラムのそのプラグイン関係のトピックで、DAZ関係者が「Content Creator Toolkit(CCT)でも同じことができる」と発言されていたり、Victoria5のトピックのFAQにも「CCTのTransfer UtilityでV4のモーフがコンバートできる」と書かれていました。ずっと気になっており、前回のTransfer Utilityの記事を書く際にできそうな感触はつかんでいたのですが、やっとその方法が判明しました。その最後の決め手になったのが『Generation X』の必要プロダクトが『V4 and M4 Shapes for Genesis』になっていたことだったんです。
今回はCCTのTransfer Utilityを使ってV4からGenesisへモーフを移植する方法を解説します。

■モーフの移植
V4またはM4のモーフをGenesisで使えるようにするにはTransfer Utilityを使います。
Transfer Utilityの使い方については前回の記事をご参照下さい。
では、V4のElite Utopiaモーフをコンバートする過程を例として順を追っていきます。
(1)シーンにGenesisとV4を読み込みます。

(2)V4を選択し、メインメニューの Edit > Figure > Rigging > Convert Figure to Weight Mapping を実行します。SceneタブのオプションメニューからでもOKです。

(3)どの方式のウェイトマップに変換するか選択するダイアログが出現しますので、「TriAx Weight Mapping」になっているのを確認してAcceptボタンをクリックして下さい。
ウェイトマップ・フィギュアに変換したのは、そうしないとTransfer Utilityのソースフィギュアとして使用できないためです。

(4)Transfer Utilityを起動します。そして次の画像のような設定でAcceptボタンをクリックして下さい。ポイントは次の通りです。
Source Scene Item: Victoria 4.2
Target Scene Item: Genesis
General Options: Morph Targetのみ。さらにそのExtended OptionsでSource Morphsにチェックを入れる。
Post Transfer Options: 全てチェックを外す。

(5)移植が完了しましたら、Genesisを選択して、まずShapingタブのVictoria 4モーフを1にします。

(6)ParametersタブでサイドメニューをMorphs>Importedの順にクリックし、タブ上端の検索ボックスに「UtopianBody」と入力します。すると表示されるパラメータがEliteUtopianモーフ関連に絞られますので、その全てのモーフ・パラメータを100%にして下さい。

これでプレビューではV4にEliteUtopianモーフを適用した状態とそっくりなGenesisが表示されていると思います。

同じようにしてMorph++やFreak4、Aiko4などのモーフがコンバートできます。一つ重要なポイントとしては、そのモーフを適用するベースフィギュアに対応するGenesis用モーフ『V4 and M4 Shapes for Genesis』は購入しないといけないということです。『David 3 for Genesis』なんて製品もありますから、それがあればD3のモーフもコンバートできそうです(未確認)。
コンバート精度については、頭以外はなかなかいい感じですが、頭部のモーフ、特に目元や口を開けるものなどがちょっと厳しいです。また、リグの違いからポーズを取ったときに不具合が出るものもあります。
今度はV4のキャラクター製品『MH Rain』をコンバートしてみました。

DS4とHexagonでやりとりをして、まるごとモーフ化したものをGenesisへ移植しました(自分で使うだけだからできる荒業ですね)。遠目だと正常に移植できているように見えますが、下乳の付け根付近と目元のジオメトリは乱れてしまっています。
■モーフのクリーンアップ
コンバートしたモーフを適用する際に、毎回Parametersタブで多くのモーフ・パラメータを操作するのは大変です。それに、EliteUtopianの場合はポーズを取らすと胸がいびつな変形をしてしまいましたのでなんとかしたいところです。そこで、モーフを適用したフィギュアを一度エクスポートして、新規全身モーフとしてGenesisに読み込み直してみましょう。
(1)先ほどの工程の最後の状態のGenesisから、ShapingタブでVictoria4モーフを0にします。
(2)ParametersタブのGeneral>Mesh Resolutionサイドメニューをクリックし、Resolution LevelをBaseにします。
(3)メインメニューの File > Export でWavefront Object (*.obj)として保存して下さい。オプションは以下のようにします。
To: Poser
Use Bone Welds: チェックを外す
Write Groups: チェックを外す
(4)シーンをクリアして、新たにGenesisを読み込みます。
(5)Morph Loader Proを使って先ほど保存したObjファイルを読み込みます。オプションは以下の通り(EliteUtopianの場合の設定です)。
From: Poser
Name: FBMEliteUtopian
Property Group: Actor/Female/Real World
Overwrite Existing: Deltas Only
これで、ShapingタブにFBMEliteUtopianというモーフ・パラメータが出現します。それとVictoria 4モーフを有効にすることで、GenesisでEliteUtopianモーフが使えるようになりました。出力したObjファイルをモデラーで修正してもいいですし、EliteUtopian用のリグをCCTで調整してもいいです。


今回ご紹介したように、CCTでのモーフのコンバートにはなかなか面倒な手続きを踏まなければいけませんし、期待通りの精度に満たない部分もあります。こうなるとがぜん『Genesis Generation X』が気になってきました。
今回のツールと画像の素材はこちら
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