これまでにDAZ Studio(以下DS)に標準で備わっているタブの解説をいくつか記事にしてきました。しかし多用するタブでありながら
Surfaces (Color)タブはまだ記事にしていませんでした。今回は初心に戻る意味も込めて、その
Surfacesタブ(Colorは省略します)について記事にしてみたいと思います。
シーンに呼び出したオブジェクトには、その材質(マテリアル)編集の単位として、サーフェイス・グループ(サーフェイス)というのが設定されています。そしてそれぞれのサーフェイス毎にさらに、Diffuse Color(拡散色)やGlossiness(光沢)などのサーフェイス・プロパティが設定されており、それによって材質を表現するようになっています。例えば、シャツのボタン、布地などがサーフェイス・グループに当たり、ボタンの色や凸凹などがサーフェイス・プロパティに当たります。
Surfacesタブでは、個々のサーフェイス・プロパティを編集し、服の色を変えたり、コップを金属に見せかけたりといったことを行うことができます。
今回は、
Surfacesタブでのマテリアルの編集方法をまとめました。個々のプロパティが材質のどの要素を担当するかは、どちらかと言えば(DAZ Studio Default)シェーダーの解説になりますので、次回に回したいと思います。
■Surfacesタブの表示Surfacesタブには3つのページがあります。
<Presetsページ>
Smart Contentタブで表示されるアイテムのうち、コンテンツタイプが
Preset>Materialsになっているものだけが表示されます。マテリアル適用時にはここを使うようにすれば、
Smart Contentタブでのカテゴリの移動を減らすことができますね。
<Editorページ>
シーンに存在するオブジェクトの材質(マテリアル)プロパティを表示・編集することができます。サイド・ナビゲーション・メニューにはオブジェクト>サーフェイス・グループ>プロパティ・グループという階層表示でリストアップされ、コンテンツエリアにDiffuse ColorやSpecular Strengthなどの個々のプロパティが表示されます。
<Shader Bakerページ>AdvancedまたはPro版に存在するページです。テクスチャにライティングやシェーディングを焼き付ける機能があります。
■Surfacesタブのオプションメニュー・Display Selected Item(s) Only | 選択オブジェクトに含まれるサーフェイスのみをサイドメニューにリストアップします。 |
・Display Selected and Fitted Item(s) | 選択オブジェクトとそれにFit toで関連付けられているものに含まれるサーフェイスをサイドメニューにリストアップします。 |
・Display All Items | シーン内の全てのオブジェクトに含まれるサーフェイスをサイドメニューにリストアップします。 |
・Copy Selected Surface(s) | 選択したサーフェイスの設定をコピーします。(s)と付いていますが、1サーフェイスのみが対象です。 |
・Paste to Selected Surface(S) | コピーしたサーフェイスの設定を、選択したサーフェイス(複数選択可)にペーストします。 |
・Reflesh Images | シーン内で使われているテクスチャを読み込み直し(てDS内部形式に変換し直し)ます。使用中のテクスチャを外部アプリケーションで編集した後などに行って下さい。 |
・Automatically Reflesh Images | チェックを入れた場合、シーンで使用されているテクスチャのファイルが更新されると、それを読み込み直し(てDS内部形式に変換し直し)ます。 |
・Load UV Set | UVセットを追加します。 |
・Compile RenderMan Shaders | Pixar社のレンダラーRenderMan用のシェーダーをDS用に変換します。 |
■サーフェイス・プロパティの表示と編集Surfacesタブのコンテンツエリアに表示されるプロパティには次のようなフォーマットがあります(名称は分類上私が付けたものです)。
・Color (色)色をRGB数値で設定します。テクスチャ使用可能。

<用途> Diffuse Color、Specular Color、Reflection Colorなど。
<編集方法> 数値上で左ドラッグまたは、その周囲の左クリックによるカラーセレクタの呼び出し。
・Strength (強度)値を設定します。テクスチャ使用可能。
テクスチャを設定して初めて値が設定できるようになるプロパティもあります。

<用途> Diffuse Strength、Specular Strength、Bump Strengthなど。
<編集方法> 数値上で左クリックからの数値入力または、スライダーの左ドラッグ。
・Value (値)値を設定します。

<用途> Glossiness、Negative Bump、Horizontal Tilesなど。
<編集方法> 数値上で左クリックからの数値入力または、スライダーの左ドラッグ。
・Switch (スイッチ)オン/オフを設定します。

<用途> Multiply Specular Through Opacity、Smoothなど。
<編集方法> On/Offスイッチの左クリック。
・Menu (メニュー)ドロップダウンメニューのうちの1つを設定します。

<用途> Lighting Model、UV Setなど。
<編集方法> 左クリックからのメニュー選択。
<テクスチャの設定について>ColorとStrengthのプロパティにはテクスチャを設定することができます。左端のアイコン

がそれで、左クリックすることでメニューが表示されます。

・Browse | ファイル選択ダイアログを表示し、PC内の画像ファイルをテクスチャとして設定します。テクスチャが適用されていない場合は最後に読み込んだテクスチャのフォルダが、既にテクスチャが適用されている場合はそれがあるフォルダが開くようになっています。 |
・None | テクスチャを剥がします。 |
・Layered Image Editor | Layered Image Editor(LIE)プラグインがインストールされていると表示されます。LIEウィンドウを表示します。LIEについてはこの記事をご参照下さい。 |
上記のメニューの下にはDSを起動してから読み込まれたテクスチャが全てリストアップされ、そこから簡単にテクスチャを設定することができます。
テクスチャを設定したプロパティはアイコンの部分にテクスチャのサムネイルが表示されます。

テクスチャを設定する(テクスチャ・マッピング)と、1つのサーフェイス上でありながら場所によって色や強度を変化させることができます。また、同じテクスチャを設定しても、Diffuse Color、Bump Strength、Displacement Strengthなどの割り当て先のプロパティによって、サーフェイスに現れる変化はまったく違ったものになります。
■サーフェイス・プロパティの複数同時編集Surfacesタブでは、複数のサーフェイスを同時に編集するための機能が備わっています。ただしDS4のそれはDS3とは少し違っていますので、改めてここで解説します。
<複数選択からの編集>Surface Selectionツールを使って
ビューポート上でCtrlキー+左クリックを行ったり、
Surfacesタブのサイドメニュー上でCtrlキーまたはShiftキー+左クリックを行った場合、複数のサーフェイスが選択されます。
この時、コンテンツエリアのプロパティ名の先頭に(3):などの表示が付加され、その数字がまとめて表示されているプロパティの数になります。
複数選択したプロパティが同じ値だった場合、次のようにその値が表示されます。
複数選択したプロパティが違う値だった場合、以下の画像のような表示になります。
数値の場合は<Multiple>、

色の場合はRGB数値が消え、テクスチャの場合はサムネイル表示の背景が白色に、

スイッチの場合もMultiple、

メニューの場合は文字が消えます。

複数選択したプロパティを編集した場合、その個々のプロパティは編集した部分のみ更新されます。それ以外の部分は元の値が保たれますので、安心して編集することができます。
<検索からの編集>UberSurfaceなどの多量のプロパティを持つシェーダーを編集する場合は、コンテンツエリアに表示するプロパティを絞り込むのが有効です。しかしサーフェイスを複数選択した場合にその個々のプロパティをサイドメニューで絞り込むことはできません。その場合は検索ボックスを使ってプロパティを絞り込む方法があります。
例えば検索ボックスに「Specular」と入力した場合、サイドメニューで選択されているサーフェイスのうち、Specular Color、Specular Strength、Multiply Specular Through Opacityの3つのプロパティがコンテンツエリアに表示されます(DAZ Studio Defaultシェーダーの場合)。

検索ボックスの右の×アイコンをクリックすれば、検索ボックスはクリアされ、絞り込みは解除されます。
<サーフェイス単位のコピー&ペースト>Surfacesタブのオプションメニューまたは、サイドメニュー上の右クリックメニューを使えば、サーフェイス単位で設定をコピー&ペーストすることができます。ペースト時にサーフェイスを複数選択しておけば、まとめて同じサーフェイス設定にすることもできます。
使いやすい右クリックメニューからのコピー&ペーストのやり方は次の通りです。
(1)サイドメニューでコピーしたいサーフェイスを選択し、右クリックメニューから「Copy Selected Surface(s)」を実行します。

(2)今度はサイドメニューでペーストしたいサーフェイスを選択し、右クリックメニューから「Paste to Selected Surface(S)」を実行します。

※ペースト時に特定のプロパティのみを選択していた場合でも、そのサーフェイスの全てのプロパティが書き換えられます。
テーマ : 3DCG
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