ボリューム・クラウドを使う

Category : Bryce
『Bryceファーストステップ:シンプルな景観を作る』の記事で作成したレンダリング画像において、まず私が残念に思ったのがでした。その雲はスカイラボ(の天候プリセット)によって設定されたもので、遠近感はあるのですが立体感に乏しく、入道雲のようなモコモコっとしたものは表現できません。
雲や煙、炎などのかちっとした形のないものを表現するためには、ボリュームという概念を取り入れたレンダラを持つ3DCGソフトを使わなければ難しいです。幸いBryceではボリュームを扱うことができ、立体感のある雲を作成することができます。
今回は、立体感&遠近感を合わせ持った雲、ボリューム・クラウドを使ってみます。

ボリュームクラウド SS


■サーフェイスとボリューム

Bryceでボリュームを扱うには、マテリアルタイプをサーフェイスからボリュームに変更してやるだけでOKです。マテリアルラボで1から設定していくこともできますが、マテリアル・プロパティも独自のものに変化しますのでなかなか大変です。そこでBryceの記事では毎回お世話になっているプリセット・ライブラリから、ボリュームタイプのマテリアル・プリセットを使ってしまいましょう。

例として、1つのCubeをレンダリングしてみました。

こちらはサーフェイスタイプのマテリアル・プリセット(Misc>Basic>Soft Cyan)を適用したものです。
ボリュームクラウド 比較1 サーフェイスマテリアル
まさしく直方体ですね。オブジェクトの表面が描画されています。

今度はボリュームタイプのマテリアル・プリセット(Atmospherics>Clouds-Volume>Soft Cumulus)を適用しました(立体感を強調するためにDiffuse Colorをさらに明るくしています)。
ボリュームクラウド 比較2 ボリューム・キューブ1
今度は直方体が消え、代わりに中に雲が出現しました。これがボリュームを描画したレンダリングになります。ちゃんと立体的な雲の形になっているので、太陽の角度を変えると陰影の付き方が変化します。
ボリュームクラウド 比較3 ボリューム・キューブ2


■ボリューム・クラウド・プレーン

実際にボリューム・クラウドを空の雲としてシーンに使うには、ボリューム・クラウド・プレーンを配置するのが最適です。シーンには最初から雲があるのであまり使われないのですが、作成パレットにはGround(地面)やWater(水)と並び、Cloud(雲) Planeという雲の層を作成するアイコンが用意されています。
ボリュームクラウド クラウドプレーン作成1

普通にCloud Planeアイコンをクリックすると無限平面が作成され、雲の層を増やすのに使われたりしますが、これを左クリックの長押しをすることでメニューが出現します。ここでドラッグしたまま「Volume」にマウスカーソルを持って行き、指を離すことで厚みを持った無限平面(Slab:厚板?)が作成されます。
ボリュームクラウド クラウドプレーン作成2

デフォルトの雲も平面に雲のパターンを描いたものなので、遠近感は出せても立体感を出すのは難しかったんですね。

SlabにSoft Cumulusプリセットを適用してレンダリングしてみたのが、次の画像です。
ボリュームクラウド 比較4 ボリューム・スラブ1ボリュームクラウド 比較5 ボリューム・スラブ2

かなりモコモコしていますね。もう少しマテリアルを調整すれば雲になりそうです。
ちなみに、Clouds-Volumeサブカテゴリにあるプリセットのうち、Simple Cloud、Stormfront、Heavy Pollusion、Diagonal Cloudsなどは地平線まで雲が続きます。その他のプリセットは1つの塊になります。

ただしボリュームを使う時は注意して下さい!レンダリング時間がかなり増大します。例えば、デフォルトの雲しか無いシーンをレンダリングすると1秒ぐらいしかかかりませんが、上のボリューム・クラウド・プレーンの場合は5分(右の方)かかっています(400*300pixels、Regular品質)。
テストレンダリングで雲以外を調整したい場合は、ボリュームタイプのマテリアルを使っているオブジェクトの属性をHiddenにしておけば描画されず、レンダリング時間も増大しません。オブジェクトボタンAをクリックしてオブジェクト特性ウィンドウを出し、Hiddenにチェックを入れて下さい。
ボリュームクラウド オブジェクトをレンダリングしない
Hiddenにチェックを入れることで、作業ウィンドウでは表示されていても、レンダリング時には描画されなくなります。

GroundとWaterでもSlabを作成できます。ボリューム・ウォーターは水中の表現などに使われることがあるようです。

ちなみに、選択パレットでSlabを選択する場合は水面アイコン、Planeを選択する場合は地面アイコンとなり、作成パレットとは違う分類になっています。
ボリュームクラウド Slabの選択


■シーンの作成

では、ボリューム・クラウドを使ったシーンを作成してみましょう。
『Bryceファーストステップ:シンプルな景観を作る』で作成したシーンにある雲をボリューム・クラウドに差し替えてやります。

ボリュームクラウド シーン作成 レンダリング1
※雲が良く見えるようにアングルを変更しました。

 (1)まずシーンにある平面的な雲を消します。
天候パレットのスカイラボアイコンをクリックして、スカイラボを呼び出します。
ボリュームクラウド 天候パレット スカイラボアイコン

そしてCloud Coverタブへ切り替え、StratusおよびCumulusをオフに(クリックして点灯しているボタンをグレーアウトさせる)します。
ボリュームクラウド スカイラボ シーンの初期雲を消す

ボリュームクラウド シーン作成 レンダリング2
雲が無くなりました。

 (2)ボリューム・クラウド・プレーンを作成します。
作成パレットのCloud Planeアイコンの長押しメニューから「Volume」を選択し、Slab 1を作成します。
ボリュームクラウド クラウドプレーン作成2

 (3)Slab 1にボリュームタイプのマテリアル・プリセットを適用します。
マテリアル・プリセット・ライブラリを出してボリュームタイプのマテリアル・プリセットを適用します。今回はAtmospherics>Clouds-Volume>Simple Cloudsを使いました。
ボリュームクラウド プリセット simple clouds

 (4)雲を上空へ移動します。
雲の高さはだいたい2000mくらいということなので、Slab 1をY+移動します。しかしマウスドラッグで狙った高度にするのは難しいので、数値入力で移動させましょう。そのためにはオブジェクトボタンAをクリックしてオブジェクト特性ウィンドウを出します。
ボリュームクラウド オブジェクト特性 高度を上げる
Position Yを830BU(1BU=8feet=約2.44m)にします。Slabの中心は丁度真ん中なので、高度820BU+SizeYの半分10BUという計算です。

 (5)雲のレンダリング品質を下げます。
レンダリングして確認したいところですが、その前にボリュームのクオリティを落としてレンダリング時間を減らしておきましょう。オブジェクトボタンMをクリックしてマテリアルラボを出し、Quality/Speedを0にしてしまいます。これでボリュームの品質が悪くなる代わりに、レンダリング時間を減らすことができます。
もうボリュームタイプのマテリアルになっているので操作はしませんが、Ambientプロパティの左にある丸いアイコンがサーフェイス/ボリュームの切り替えボタンです。
ボリュームクラウド マテリアルラボ 品質を下げる

レンダリングして確認します(水面をHiddenにしたRegularレンダリングです)。
ボリュームクラウド シーン作成 レンダリング3
雲が小さすぎますね。

 (6)Slab 1を拡大します。
雲を大きくしてやるために、Slab 1のSizeを増加させます。オブジェクト特性ウィンドウで、Sizeを(4000,800,4000)、Posiotion Yを1620にしました(SlabのSize Yが増えた分高度を上げています)。
ボリュームクラウド オブジェクト特性 拡大する

レンダリングして確認します。
ボリュームクラウド シーン作成 レンダリング4
遠近感を感じ取れるぐらいの大きさになりましたが、雲が多すぎます。

 (7)雲のパターンを拡大します。
今度はマテリアルラボで雲のマテリアルを調整することで、雲を大きく、その間隔も広くします。雲の形や密度はBase Densityに張られているテクスチャによるものです。
マテリアルラボを開き、右のテクスチャ表示エリア内、Texture Aコンポーネント・ウィンドウの左上端のボタンをクリックするとテクスチャの変形ツールが開き、張り付ける大きさなどを変更することができます。
ボリュームクラウド マテリアルラボ テクスチャの縮小
Scaleを全て10%に下げ、(ソースを小さくすることで)テクスチャが拡大して張られるようにします。

ボリュームクラウド シーン作成 レンダリング5
晴れの雲をイメージしていたので、これぐらいが丁度良さそうです。

 (8)雲の位置や大きさの微調整をします。
他にもマテリアルラボのパラメータを変更したりすることで、雲の密度や位置、大きさ、硬さを調整することができます。Slab 1のマテリアルの最終的なパラメータは次の画像の通りです。
ボリュームクラウド マテリアルラボ 最終パラメータ

近くにも雲が欲しかったので、Slab 1を編集パレットのRot Yで回転させて雲の位置をずらしました。これで雲をボリューム・クラウドに差し替える作業は終わりです。
ボリュームクラウド シーン作成 レンダリング6

前の記事でインストールした製品『Bryce 7 Content Bundle 1』には、ボリューム・クラウドを使ったいろんな形、天候の雲のシーンが多数収録されています。例えばContent\David Brinnen\Bryce Bundle 1\Volumetric Skies\OK_B70126_Bright_Sunlit_Clouds_a_v2.br7を代わりに使うと、次のようなレンダリング画像になります(メニューバーのFile>Mergeから読み込みます)。

ボリュームクラウド シーン作成 レンダリング7

ボリュームを使えば雲だけに留まらず、爆発、火山の煙や濃密な霧、もやなどサーフェイスでは表現できないものをレンダリングすることができます。ぜひいろいろと試してみて下さい。初期コンテンツのScene Files\David Brinnen and Horo Wernli\Free_content_dungeon_dimension_hdr_eg4.br7もボリュームが使ってありますので、そのマテリアルを覗いてみるのも勉強になると思います。



今回のツールと画像の素材はこちら

Bryce 7 Pro

Bryce 7 Content Bundle 1



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