Bryceの360度パノラマレンダリング

Category : Bryce
これまでやってきたBryceの記事で、空と雲の設定がだいたいできるようになりました。それをDAZ Studioのレンダリングに生かせないかと考えて最初に思い立ったのが、Bryceでレンダリングした空を背景に使うことです。しかもその空を他のシーンでも再利用できるように、できればスカイドームのテクスチャとしてレンダリングしたいところです。

Bryceのレンダリングオプションに「360° Panoramaic Projection」というものがあります。直訳すると「360度パノラマ映像」ですから、これを使えばなんとかなりそうです。
今回は、このレンダリングオプションについて調べました。

Bryceパノラマレンダ SS


■QTVRの作成

結論から言うと、「360° Panoramaic Projection」はQTVR(Quick Time VR)動画を作成するためのものです。QTVRとはアップルのマルティメディア技術であるQuick Timeを使った、周囲を見回すことができるインタラクティブな画像です。まずはマニュアルに習って、BryceのシーンをQTVRとして出力してみます。

今回は初期コンテンツに含まれるシーン Scene Files\David Brinnen\Free content Lincolnshire wind turbines 1.br7 を使いました。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 シーンプレビュー

 (1)最初にカメラの角度をリセットしておきます。
まずビュー・コントロールのオプションメニューで「Camera View」を選択し、作業ウィンドウをカメラビューに切り替えます。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 メニュー カメラビュー

そして選択パレットのメニューから「Select Camera」を実行してカメラを選択します。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 メニュー カメラ選択

作業ウィンドウに出たオブジェクトボタンのAをクリックして特性ウィンドウを出します。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 カメラ設定
そこでRotation XYZ全てとPan VH両方を0にします。

 (2)続いてカメラの位置を決めます。周囲360度を見回す中心となりますので、オブジェクトの分布などを見て決めて下さい。トップビューにすると分かりやすいと思います。

 (3)レンダリングサイズをQTVR用のものにします。
メニューバーからFile>Document Setupを選択し、Document Setupウィンドウを出します。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 ドキュメント設定
このウィンドウの右側のプリセット群の中に「QTVR Panorama」というのがありますので、それをクリックして下さい。他の数値はいじらずそのままにしておきます。
これでAspect Ratio 13:4、Resolution 1248*384pixelsに設定されます。
※サイズを変更したい場合は、横が96で割り切れる数値にして下さい。

 (4)レンダー・コントロールのオプションメニューで「360° Panoramaic Projection」にチェックを入れます。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 メニュー パノラマモード

 (5)ナノ・プレビューを確認します。ここにレンダリング結果のプレビューが出ますので、地平線が横一直線になっているかを確認して下さい。そうなってない場合は(1)をやり直します。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 ナノプレビュー

 (6)レンダリングを開始します。レンダリングサイズがウィンドウサイズより大きくてレンダリング画像の一部分しか見えてなくても、ちゃんと全てレンダリングされますので大丈夫です。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 レンダリング

 (7)QTVR形式で保存します。
メニューバーのFile>Export Imageを実行し、ファイル保存ダイアログを出します。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 QTVR保存
ファイルの種類を「Quick Time VR File (*.mov)」にして、適当な場所に保存して下さい。

これで、保存したファイルを実行すると出来上がったQTVRを見ることができます。
※Quick Time Playerがインストールされている必要があります。
Bryceパノラマレンダ QTVR作成 player
※これは画面キャプチャした画像ですので動かすことはできません。


■パノラマレンダリング

前の項目でレンダリングしたパノラマ画像はそのままシーンを覆って背景となる球体、スカイドーム(ないしはスカイスフィア)に張り付けられるでしょうか?答えは否です。

Bryceのパノラマレンダリングがどのようなものかを検証するために、こんなシーンを作成してみました。
Bryceパノラマレンダ 球体シーン プレビュー

中心にカメラがあり、そこから同じ距離に球体を64個配置してあります(Carrara8で作成し、FBX形式でやりとりしました)。カメラから見ると上4個下4個の球体が縦に並んでおり、周囲にそれが8列あるのが見えるはずです。パノラマレンダリング(QTVR 13:4)の結果は次のようになりました。
Bryceパノラマレンダ 球体シーン レンダQTVRパノラマ

4個×8列しか球体がありませんね。しかも上端と下端の球体は縦に伸びています。
QTVRは上下にはほとんどカメラを振れないので、この範囲のレンダリングで十分なんです。上下左右360度が見れるCubic VRというのもありますが、Bryce7では対応していないようです。端が伸びているのも、QTVRに適したフォーマットなのでしょう。

今度はIBLに使われるHDR画像での横縦比2:1でレンダリングしてみました。
Bryceパノラマレンダ 球体シーン レンダ2対1

縦に6個の球体が見えるようになりましたが、やはり全天をレンダリングすることはできず、上下端の伸びもひどくなっていってます。
こういう歪みがあるということは、球体であるスカイスフィアに張り付ける画像ではなさそうです。

    <試行錯誤中…>

円柱に張り付けると丁度良い歪みだと分かりました。スカイスフィアならぬスカイシリンダーです。
Carrara8で円柱を作成し、上下の蓋を削除、画像の端に来るラインを選択してUVをUnfold、そして格子が画像いっぱいに均等になるようにUV編集しました。張り付けるテクスチャが横縦比2:1ですから、円柱の円周:高さ=2:1になるようにオブジェクトをリサイズしてスカイシリンダーの完成です。
Bryceパノラマレンダ 球体シーン スカイシリンダー作成


■スカイシリンダーの使用

Bryceで横縦比2:1のサイズのパノラマレンダリングをした画像をPoserやDAZ Studioで背景として使うための小道具セットを作成してみました。
次のアイコンからダウンロードページにジャンプします。

ダウンロードしたファイルを解凍して、DSのコンテンツディレクトリへコピーして下さい。

DAZ Studioでの使い方は次の通りです。

 Content LibraryタブのDAZ Studio Formats>(インストール先)>Props>SkyCylinder内にある「RTR - SkyCylinder」をダブルクリックします。
Bryceパノラマレンダ contentタブ

すると、サンプルの空テクスチャが張られたスカイシリンダーと太陽光代わりのDistant Lightが読み込まれます。

円筒の読み込みやプリセットの適用にはRTRスクリプトを使わせていただきました。RTRスクリプトについての記事はコチラです。

Poserで使う場合はPoserライブラリからProps>KotozoneにあるSkyCylinderを読み込んで下さい。

使用に際して、次のことに気を付けて下さい。

 ・空のテクスチャが張られているオブジェクトは円筒なので、真上には空がありません。そのためカメラの振りは上下30度ぐらいまでにしておいて下さい。
 ・同フォルダにある「SkyCylinder zerocamera」は原点位置に設定したカメラです。必要であれば使って下さい。このカメラからのビューにして、右ドラッグによるカメラ回転操作(Rotate)を行うことが一番背景の歪みが抑えられる見え方になりますが、絶対このカメラを使わないといけないということではありません。ただし、カメラの高さとスカイシリンダーの中心の高さがずれるほど、空が歪んで見えます。
 ・スカイシリンダーは十分な大きさにしてありますが、もしもシーンのオブジェクトに重なってしまったら、「SkyCylinder_2by1」オブジェクトを選択の上、ParametersタブのGeneral>Scaleを大きくして下さい。
 ・SceneタブでSun LightをSkyCylinderにドラッグ&ドロップしてペアレントを組んでおけば、SkyCylinderを回転させても太陽光の角度も同時に変化するようになって便利です。
Bryceパノラマレンダ DSで使う ペアレント


■スカイシリンダー用のパノラマ画像のレンダリング

スカイシリンダーに張り付ける画像を自作する場合、QTVRの作成の項目に沿って、Document Setupウィンドウのフォーマットを以下のように変更して作成し、レンダリング後にQuickTime VR形式ではなく普通の画像(pngなど)として保存して下さい。

Bryceパノラマレンダ テクスチャ自作 ドキュメント設定

 Document Aspect Ratio: 2:1
 Document Resolution: お好みで(雲がある場合は2000*1000ぐらいは欲しい)。


また、太陽の位置をDAZ Studioのライト設定に反映させるために、スカイラボでのAltitudeとAzimuthの値をメモしておいて下さい。
Bryceパノラマレンダ テクスチャ自作 太陽の位置

自作のテクスチャをDAZ Studio上で使う時に設定する項目は次の通りです。

 ・SurfacesタブにてSkyCylinderのDiffuse Colorに張られているテクスチャを差し替える。
 ・ParametersタブにてSun LightのRotateを以下の式に従って変更する。
   RotX -Altitude
   RotY 180-Azimuth

例えばBryceでAzimuth=125、Altitude=23だった場合、RotX=-23、RotY=55。逆にならないように注意。

SkyCylinderのマテリアルプリセットとSun Lightのライトプリセットをセットで保存しておけば、次回からの適用も楽になりますね。プリセットの保存についてはコチラの記事をご参照下さい。


■今日の一枚

サンプルテクスチャを適用したスカイシリンダーを背景として、DAZ Studioでシーンを作ってみました。Sun1灯では影の部分が真っ暗になってしまうので、UberEnvironment2をアンビエントライトとして追加してあります。

空に突き出した尖塔

このシーンを上空から見ると次の画像のようになります。
Bryceパノラマレンダ DSで使う プレビュー
※分かりやすいようにそれぞれのオブジェクトのスケールを調整してあります。




今回のツールと画像の素材はこちら

Bryce 7 Pro

Divinity Skies Oracle



Comment

No title

CubicのQTVRは上下左右6面のレンダリングとGoCubicやPano2VR等のツールを使うことで簡単に作成できます。
DAZにもBryce6用のチュートリアルがありますが以下のHoro氏のものが簡潔にまとめられていると思います。
http://www.horo.ch/raytracing/how2pano/seven_en.html

T2さんコメントありがとうございます。
Cubic VR作成用のレンダリングオプションがあれば簡単にスカイスフィア用のテクスチャが作れるかなと期待してしまったのですが、そう簡単にはいかないみたいですね。考えてみれば名前からしてSphere VRではなくCubic VRでした。
スカイゾーンに使うオブジェクトのUVに興味があったので、Horo氏のホームページはとても勉強になりました。ご紹介いただいてありがとうございました。

No title

Bryceの紹介記事、ありがとうございます。
パノラマレンダリングの設定をわかりやすく説明していただいたので、大変に助かりました。

スカイシリンダーもダウンロードさせていただきました。
何かの機会にぜひ使わせていただきたいと思います。

甘利純さん初めまして。
Bryceの記事はまだ充実していないせいかあまり人気が無いみたいなので、コメントいただけるととても嬉しいです。Bryceについては解説本や古くからのサイトもありますし、比較的新しい機能を記事にしていけたらいいかなと思っています。

大変参考になります

Kotozone様
 初めまして。iZo Arts と申します。
 以前Bryce7PLEを使い出して、うまく使いこなせず途中で放り出してしまいました。最初にこのサイトにお目にかかれていればもう少し頑張れたかも知れません。
 最近、Bryce7proがフリーになっていることを知り、再びDL&インストをして、いざ使ってみようとしますと、何と忘却の彼方。そこで、分かりやすいサイトはないかなぁ、と探していましたら、こちらに出会ったという次第です。Kotozone様のサイトで1から勉強しようかなぁ、と思っております。
 すばらしいサイトですね。「グッドジョブ!」って思わず言いたくなりました。もしご迷惑でなければ、私のブログでリンク、ご紹介させてください。
 これからも、Bryce、DazStudio の記事をいっぱい書いてくださいませ。期待しております。
 

Re: 大変参考になります

iZo Artsさんはじめまして。私のブログを褒めていただいてとても嬉しいです。ありがとうございます。
Bryceのインターフェイスって独特ですよね。私もしばらく使っていないので忘れてしまっていそうです。ブログに書いておけばそれを見直せば良いので、私がブログを書く理由の一つがそれだったりします。
まだBryceの記事は少ないですが、バージョン7Proの新機能を中心に試してみたいと思っていますので、期待せずお待ち下さい。
リンクは自由にしていただいて結構です。これからも私のブログをよろしくお願いします。
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