Poserで使うGenesisフィギュア

Category : Poser
DAZ Studio(以下DS)からPoserで読み込むことができるGenesisフィギュアを出力する『GenesisをPoserへエクスポートする』の記事は、おかげさまでたくさんの方々に見ていただいています。その時点からDS、Poser共に何度かバージョンアップを繰り返し、Genesis関連のFixもたくさん行われました。
私も先日の半額セールでPoserPro2012を入手しましたので、やっとこの記事を自分で試してみることができるようになりました。余談ですが、一時期姿を消していたPoser9の英語体験版も公開が再開されたようです(ただし30日の試用期間のうちにキャンセルしないと、試用期間終了後に定価で購入することになるので注意が必要です)。

そこで今回は、現時点においてPoser上でGenesisフィギュアがどのぐらい使用できるのかを実際に試してみたいと思います。使用したアプリケーションとそのバージョンは以下の通りです。
 DAZ Studio 4.0.3.47 Pro
 Poser Pro2012 SR2 (9.0.2.21214)

※エクスポートしたGenesisフィギュアは、ウェイトマップの扱えるPoser 9/Pro2012以降のバージョンで読み込むことができます。

PoserでGenesis SS

※Dsa2Pz2について追記しました。(2012.4.14)

■Poserへ持ち込めた要素

『GenesisをPoserへエクスポートする』の内容に従って、GenesisフィギュアをCR2ファイルとして出力しました。
現在のバージョンでは、ジオメトリの出力は自動(UVセットが違うと違うファイル名になる)で行ってくれますので、ゼロフィギュア>マテリアルプリセット適用>CR2Exportの3ステップでOKになっています。また、CR2Exporterにはモーフを別ファイルに出力する「Save Binary Morph File (PMD)」というオプションが加わっています。

GenesisのCR2ファイルをPoserで読み込んだところ、プレビューは次の画像のようになります。
PoserでGenesis プレビュー 全身
マテリアルプリセットは「Sample Lana Wetsuit」(V4UV)で、赤い部分はその色のDiffuse Colorが設定されているだけです。

Genesisフィギュアの要素の中でPoserに持ち込めたのは次の通りです。

 ◆ジオメトリ
ベースメッシュ(低ポリゴン数)のみ
PoserでGenesis プレビュー ポリゴン

DS4ではプレビュー&レンダリング時にサーフェイスを滑らかなるように細分割しています(サブディビジョン・サーフェイス)。モーフやウェイトマップのデータもベースメッシュ基準ですので、こちらしか出力できません。

 ◆モーフ
全モーフ
PoserでGenesis プレビュー モーフ

インストールされているGenesisの全モーフが変換されます。モーフ・プロパティはBody(ルート)に全て、ポーズコントロール・プロパティ(表情モーフやMorphFormsなど)はBody、Head、左右Hand、左右Feetに分かれてあります。また、ジョイント・プロパティが同時に変化するモーフもきちんと動作しました。
いろいろとモーフダイアルを動かしてみたのですが、一部のモーフの影響がパーツ境界で途切れてしまう現象が起きました(ERCリンクの記述が足りないような感触です)。

 ◆マテリアル
Poser4までのマテリアル設定
PoserでGenesis マテリアル 初期ツリー

Poser5以降で加わったシェーダーツリーには対応していないため、Diffuse、Bump、Opacity、Reflectionの各テクスチャマップ設定ぐらいしか移行できません。さらに、Genesis用のマテリアルプリセットはHSSなどの拡張されたプロパティを持つシェーダーを使ったものが多いので、DiffuseとOpacityのテクスチャ、Diffuse Colorぐらいしか持って行けないと考えて良いでしょう。
また、UVセットも選択されている1セットのみです。

 ◆リグ
スケルトンとウェイトマップはOK

GenesisフィギュアのスケルトンとスキニングがPoserで再現されます。DSではIK設定がされていないので、Poser上でもIKは組んでありません。


■インバースキネマティクスの設定

ではPoser上でGenesisフィギュアを使いやすくするために、いろいろと設定をしていきましょう。
まずはIK(インバースキネマティクス)の設定です。ポージングにあまり使われないPoserのIKですが、設定しておかないと他のフィギュア用のポーズファイルを読み込んだ時に足首や手首が飛んで行ってしまうという現象が起きる場合があります。
PoserでGenesis プレビュー IK設定なし

IKを設定する手順は次の通りです。

 (1)Setupルームに移動します。
PoserでGenesis IKの設定0

 (2)Hierarchyパレットのリストを下の方までスクロールし、Genesisの「IK Chains」というノードを選択します。
PoserでGenesis IKの設定1

 (3)Modify Selectionにある「Create IK Chain」ボタンをクリックします。すると名前を聞かれますので、IKチェイン名を入力します。V4世代の名称に合わせるなら、左足の場合は「LeftLeg」となりますね。
PoserでGenesis IKの設定 IKチェイン名入力

 (4)リスト上でそのIKチェインに含まれるパーツをIKチェイン名へドラッグ&ドロップします。この時、胴体に近い方(上)から順番に行って下さい。左足の場合は「Left Thigh」「Left Shin」「Left Foot」をこの順で「LeftLeg」IKチェインへD&Dすることになります。
PoserでGenesis IKの設定2

 (5)IKチェインに含む全てのパーツをD&Dすると1つ完了です。
PoserでGenesis IKの設定3
両手両足の4つのIKチェインが出来上がるまで(2)に戻って繰り返しです。

V4世代準拠のIKチェイン設定を書き出しておきますので参考にして下さい。

LeftLeg
 Left Thigh
 Left Shin
 Left Foot(Goal)

RightLeg
 Right Thigh
 Right Shin
 Right Foot(Goal)

LeftArm
 Left Collar
 Left Shoulder
 Left ForeArm
 Left Hand(Goal)

RightArm
 Right Collar
 Right Shoulder
 Right ForeArm
 Right Hand(Goal)

IKの設定が終わったら、Poserライブラリに保存(ライブラリパレットで保存したい場所を開き+ボタンをクリック)しておきます。どこかに設定があるのかもしれませんが、ライブラリへ保存を行うとメッシュデータもCR2ファイルと同じ場所に同じ名前で保存されてしまいました。
この設定を行ってもIKはオフのままですので、IKを使ってポージングしたい時にFigureメニューまたはプレビューの右クリックメニューからIKをオンにして下さい。


■マテリアルの設定

GenesisフィギュアはV4やM4といった第4世代のマテリアルファイルが適用できるように、複数のUVセットを持っています。ただ、Poserに持ってこれるのは1種類のUVセットのみですので、V4のUVを持ったGenesis、M4のUVを持ったGenesisというように、複数のGenesisフィギュアを使い分けることになります(CR2Exporterではそれぞれ別の名称のObjファイルを自動で出力しますのでご心配なく)。
そのため、ベースフィギュアの場合はDSでのマテリアル設定のうち重要なのはUVセットのみで、Poser上でさっさとそのUVセットに対応したPoser用のマテリアルファイル(MATポーズやマテリアルコレクション)を適用してやれば良いだけです。
1つだけ注意点として、Genesisフィギュアには次のマテリアルグループが設定されていませんので、Materialルームでこれらのマテリアルを調整してもフィギュアには反映されません。
 1_Eyebrow
 1_EyeSocket
 7_EyeSurface

一応DS4のGenesis用しかない衣服をコンバートした場合を考えて、変換されるマテリアルプロパティの特徴を書いておきます。

 ・DiffuseテクスチャがDiffuse_ColorとSpecular_Colorの両チャンネルに接続される。
 ・BumpテクスチャはGradient_Bumpチャンネルに接続される。
 ・OpacityテクスチャがTransparencyとTransparency_Edgeの両チャンネルに接続される。
 ・ReflectionテクスチャがReflection_ColorチャンネルにSphere_Mapノードを挟んで接続される。
 ・Strengthプロパティなどの数値も一応変換される(精度は要検証)

ここから調整をするなら、バンプマップをBumpチャンネルに繋ぎ直す、TransparencyとTransparency_Edgeチャンネルにテクスチャが接続されている場合はそれぞれの数値を1にする、といったところから始めなければいけないでしょう。
PoserでGenesis プレビュー マテリアル修正


■ポーズプリセットの変換

GenesisフィギュアはV4などの第4世代フィギュアとはスケルトン構造が違います。そのためV4用のポーズファイルを適用すると手が体にめりこんだり、足の角度が違ったり、指が曲がらなかったりします。Genesis用に設定されたポーズプリセットは最初から付属しているものやDAZストアの製品などいくつかありますが、DSでのみ読み込むことができるファイルなので直接Poserから使用することができません。
そこで、『Poser Format Exporter (PFE)』という無料で配布されているDS用スクリプトを使って、それをPoserのポーズファイル(.pz2)に変換してしまいましょう。
PFEについて詳しくはこの記事をご参照下さい。

DS4上での作業になります。

 (1)Genesisを読み込み、変換したいポーズプリセットを適用します。
PoserでGenesis ポーズファイル変換 DS表示

 (2)Content LibraryタブのDAZ Studio Formats>(インストール先コンテンツディレクトリ)>Script>Utilities>Poser Format Exporter v1.5(DS4 Only)を開き、PoserFormatExporterアイテムをダブルクリックします。
PoserでGenesis ポーズファイル変換 PFEアイテム
※アイテムの右クリックメニューから「Create Custom Action」を実行しておくと、メインメニューのScriptsから起動できるようになりますので便利です。

 (3)ポーズのみの場合は次のようなオプション設定になります。
PoserでGenesis ポーズファイル変換 PFE設定 ポーズ
Path:Poser Formatsのコンテンツディレクトリ
(Runtime/Libraries/Pose以下)
File Name:<任意のファイル名>.pz2
Nodes:Root
Propagation:Recursive
Transforms:RotationとTranslation全てにチェック
Others:チェックせず
Attributes:チェックせず

アニメーションする場合はTimelineをAnimated Rangeにして開始フレームと終了フレームを設定して下さい。
PFEのPreferencesタブにある「Set Preferred Options」ボタンをクリックすると現在の設定内容を初期値として記憶してくれますので、たくさんのファイルを処理する場合に便利です。
PoserでGenesis ポーズファイル変換 PFE設定 設定保存

 (4)変換したポーズファイルをPoserでGenesisに適用すると、DSと同じポーズになります。
PoserでGenesis ポーズファイル変換 Poser表示

V4用のポーズプリセットをGenesisフィギュアに読み込んだ後にその差を補正するDS用スクリプトもあります。フリーの単機能のものはDAZフォーラムのこのトピックで公開されている方がいらっしゃいます。いろんな機能を持った有償のものは『PoseMaster for DAZ Studio』としてDAZストアで販売されています。

プリセットファイル変換スクリプトDsa2Pz2

1ファイルずつ変換するのは大変なので何かないかなと探しているとDSのプリセットファイルをPoserのポーズファイルに変換するスクリプトを作成された方がいらっしゃいました。DAZフォーラムのこのトピックからダウンロードすることができます。

解凍して出てきたファイルをコンテンツディレクトリ(Scriptsフォルダが適当でしょうか)にコピーし、DS4のContent Libraryタブから実行することで、ファイル変換ダイアログが出ます。
PoserでGenesis dsa2pz2 ダイアログ

このスクリプトでは次のようなことができます。

 ・DSのプリセットファイル(.dsa)をPoserのポーズファイル(.pz2)に変換
 ・ポーズプリセットやマテリアルプリセット(CR2Exporterと同等)、キャラクタープリセットなどをも可能
 ・ファイル1つのみ、またはフォルダ内のファイル全てが対象
 ・同時にサムネイルもコピー

Sourceに変換元ファイル(上ボタン)またはフォルダ(下ボタン)を、Destinationに変換先フォルダを指定し、STARTボタンをクリックすれば変換が始まります。

GenesisのBasicChildなど一部のポーズプリセットは正常に変換できないようです。これらのdsaファイルではsetTransformPropertyWithAttributesというプロパティ(通常はsetTransformPropertyが使われる)を使っているため、正しく文字列の変換ができないのではないかと思います。
Speeeeedや秀丸エディタなどの複数のファイルをルールに従って一括で文字列置換ができるツールを使って、変換後のファイルに対して「targetGeom etTransformPropertyWithAttributes( "XRotate」を「rotateX xrot」という風にxyz回転全て置換してやるとPoserで読み込めるようになりました。

PFEではポーズプリセットだけでなく、表情のプリセットも変換することができます。
その場合は、GenesisのHeadを選択してからPFEを起動し、次のオプションでコンバートして下さい。
PoserでGenesis ポーズファイル変換 PFE設定 表情
Path:Poser Formatsのコンテンツディレクトリ
(Runtime/Libraries/Face以下)
File Name:<任意のファイル名>.fc2
Nodes:Selected
Propagation:None
Transforms:チェックせず
Others:Numericにチェック
Attributes:チェックせず

キャラクタープリセットもコンバートできないか試行錯誤してみたのですが、Numericにチェックを入れてもルートにあるモーフ・パラメータ(FBMなど)を記録してくれないようです。これはあまり出番はないと考え放置しています。


■今回のまとめ

これで、Poser上でGenesisフィギュアに対して次のようなことができるようになりました。
※衣服と分ける意味でベースフィギュアと呼んでいます。衣服はコンフォームフィギュアですね。

 ・ベースフィギュアの呼び出し
 ・ベースフィギュアへのモーフの調整
 ・ベースフィギュアへのマテリアルの適用
 ・ベースフィギュアへのポージングまたはポーズファイルの適用

モーフィングやポージングはおおむね問題ないように見えます。ただし、一部モーフ(Basic ChildやGorilla)でPelvisの動きにHipが追従しないことがありました。
ポリゴン数がV4などと比べるとかなり少ないため、レンダリング時には「Smooth Polygons」のチェックを入れておいた方が良さそうです。

最後に用意されているGenesis用ポーズプリセットの中から、一番Genesisの柔軟性を生かしているポーズを適用しPoserでレンダリングしてみました。

PoserでGenesisをレンダリング

モーフはV5 + V5 SuperModelです。デフォルトではGenesisはおへそが無い状態なので、Actor>Upper Body>Torso>Universal>Real World>Navelモーフを1にしています。

次回はGenesis用の衣服をエクスポートして着せてみます。


Poser Format Exporter

PoseMaster for DAZ Studio

Victoria 5




Comment

No title

互換に関する研究、お疲れ様です。
やはりPoserのほうが好きなのと、Poserの資産を大量保有しているので、Genesisを何とかPoserで使いたいですね。

ポン太さんコメントありがとうございます。
使い慣れたアプリケーションでDAZフィギュアを使いたいというお気持ち、すごくわかります。

Poser9日本語版だからでしょうか?

こんばんは。Poser9日本語版 & DAZ Studio4 を先日始めたばかりの者です。いつも勉強させていただいております。
Poser9はガイドブック付きを購入し、只今ガイドラインに従って読み進めています。ところで、GenesisをPoser9に読み込みたいのですが、うまくいきません。どのようにしてPoser9のライブラリ、フィギュアの項目にGenesisフィギュアを表示させ、選択可能にできるのでしょうか。DAZフォーラムのビデオを見ていると、CR2ファイル出力後に自動的にPoserライブラリにGenesisのフォルダが追加されているようなのですが…。ちなみに、「ライブラリを追加」でDAZ Genesisのフォルダを選んでも、「ランタイムのフォルダではない」とエラーが出てしまいます。また、Cr2 Export Optionsのウィンドウが出てきたときに、Poser Version Tagが選択不能です(ただ「9」と灰色で薄く表示されてはいるようです)。日本語版特有の不具合なのでしょうか。よろしければご意見をお聞かせください。

Re: Poser9日本語版だからでしょうか?

さーすけさんはじめまして。私のブログを見ていただいてありがとうございます。
良いご質問ですね。

まず『GenesisをPoserへエクスポートする』の内容についてです。
現在はバージョンアップによって工程が簡略化されていますので、記事と細かい部分が違っていて戸惑うかもしれません。
Poser Version TagはGensisエクスポート時には9固定になりましたので、グレーアウトしています。これはそのままで大丈夫です。

次はPoser側で読み込むこの記事の内容についてですね。
まずMy Libraryフォルダをライブラリに追加して下さい。
指定するフォルダはMy Libraryまたはその下のRuntimeフォルダです。もちろん、Genesisをエクスポートしたランタイムでないといけません。複数のランタイムを運用するのに慣れた方以外は、テクスチャパスとの兼ね合いもありますので、GenesisをエクスポートするのはMy Library内をオススメします。

私が試したのは英語版ですが、日本語版でも問題なく読み込めると思います。

できました!

Kotozoneさん、簡潔かつ明快なお返事に感謝いたします。
ご指示の通りの手順で簡単に取り込むことができました。
大変基本的なことだったようでお恥ずかしい限りです。
右も左も分からずソフトをいじっている状態ですので、
これからもサイトを覗かせていただき勉強していきたいと思います。
この度は本当にありがとうございました。
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