Atmospheric Cameras その1:Volume Camera

Category : Atmospheric Cameras
DAZ Studio(以下DS)の標準機能にないものとして、霧やもやといったボリュームのレンダリングがあります。それを補うものとして私のブログでは『Mood Master(DS4非対応)』『UberVolume』といった製品やShader Mixerによるカスタムシェーダーをご紹介してきました。これらを使うことで、レンダリングに空気感や奥行きを加えることができます。

今回ご紹介する『Atmospheric Cameras for DAZ Studio』は、DS3&DS4で使うことができる、特殊効果をレンダリングに加えるカメラのセットです。Colorize Camera(色調補正)、Depth Camera(Zデプスマスク作成)、Fog Camera(フォグ)、Volume Camera(ライトのボリューム)の4種類のカメラが用意されており(全てにVignette:ビネット効果プロパティあり)、シーンのカメラと取り替えるだけで効果を発揮します。また、その設定もプリセットファイルとして多数用意されており、誰でも簡単に自分のレンダリングに特殊効果を付け加えることができます。
Shader Mixer製でありながら、プロパティがわかりやすくまとめられているのもオススメできる点です。

4つの特殊効果カメラのうち、今回はVolume Cameraについて検証したいと思います。実は1つの記事にまとめる予定だったのが、長くなってしまったので分けることにしました。

Atmospheric1 SS


■Volume Cameraの効果

Volume Cameraはライトのボリュームを描画することができるカメラです。
ライトのボリュームというのは、例えばライブ会場でスポットライトの光のすじが目に見えるように、光が空気中のちりなどに当たり明るく見える現象を指します。ライトのボリュームと言えば、DS3Advancedに搭載された後に標準添付されるようになった『UberVolume』があります。それに比べて、Volume Cameraはカメラを置くだけでどんなライトにもボリュームを加えることができます。

実際にどのようなレンダリングになるのかやってみます。
今回はこんなシーンを用意しました。
Atmospheric1 プレビュー ルーム

床と2つの壁でさえぎられ、いくつかのプリミティブが並べられた部屋に、天井(ありませんが)付近に床に向いたスポットライト1灯(Raytrace Shadow)を配置してあります。さらに通常のカメラを全てのオブジェクトがフレームに収まるように配置しています。
通常のカメラでレンダリングしたのが次の画像です。
Atmospheric1 使用工程1
スポットライトで照らされているオブジェクトの表面のみ明るく描画されます。

ではVolume Cameraを使ってみましょう。
Content Libraryタブの DAZ Studio Formats>(コンテンツディレクトリ)>Camera>Age of Armor>Atmosphere Cameras またはSmart Contentタブの Presets>Cameras>Atmospheric Effects Cameras を開いて下さい。
Atmospheric1 コンテンツ Cameras

「Volume Camera」をダブルクリックしてシーンに読み込みます。
ちなみに「!User Guide」をダブルクリックすると、ウェブブラウザで英語のユーザーガイドを見ることができます。
先ほどレンダリングに使ったカメラと同じアングルになるように操作するのも良いですが、手間を減らすためにカメラのパラメーターのコピー&ペーストをします。

パラメーターのコピー&ペースト

シーン内のあるカメラやライトのパラメーター(Parametersタブの内容)を他のカメラやライトにコピーしたい場合は次のようにします。
例えば、Camera 1のパラメーターをコピーしてCamera 2へペーストしたい時

 (1)Sceneタブでソースとなるオブジェクト(Camera 1)を選択します。
 (2)メインメニュー > Edit > Copy > Copy Selected Item(s) を実行してパラメータをコピーします。
 (3)Sceneタブでペースト先のオブジェクト(Camera 2)を選択します。
 (4)メインメニュー > Edit > Paste > Paste to Selected Item(s) を実行してパラメータをペーストします。

※コピー元とコピー先が異なったプロパティを持つオブジェクトだった場合、共通するプロパティのみコピーされます。
※フィギュアの場合はCopy FigureとPaste to Figureのメニューを使えば、全身のポーズなどもコピーできます。


ビューポートのカメラ選択メニューでVolume Cameraに切り替えれば、カメラの置き換え完了です。
おっと、レンダリングする前に少しだけVolume Cameraのパラメーターを調整しておきましょう。
Volume Cameraを選択した状態で、ParametersタブCamerasタブを開き、Volumeサイドメニューをクリックしてボリューム関係のプロパティを表示します。その中のLight Densityプロパティを0.004に上げて下さい。
レンダリングすると次のようになります。
Atmospheric1 使用工程2
スポットライトの光線がボリュームとして描画されました。
※背景に何もない部分には正常にボリュームが描画されませんのでご注意下さい。

先ほど調整したLight Densityプロパティはボリュームの明るさにダイレクトに影響します。初期値だとほとんどボリュームが見えないので、少し上げてもらったわけです。
ボリュームは無事描画されましたが、ざらざらしたノイズの多いものになっていますね。
今度はQualityプロパティ95に上げて下さい。
レンダリングすると次のようになります。
Atmospheric1 使用工程3

ボリュームにノイズがなくなり、なめらかなグラデーションになりました。さらにライトの影を設定しているために、陰になる部分のボリュームが描画されていないのがはっきりわかります。
このQualityプロパティはボリュームをレンダリングする品質です。高品質にするほどなめらかなグラデーションになりますが、レンダリング時間が増大します。90を超えるとレンダリング時間は指数関数的に増加しますので、ファイナルレンダリングでも95あたりにしておいたほうが無難です。


■Volume Cameraのプロパティ

他にもVolume Cameraには様々なプロパティが用意されています。
Volume Camera専用のプロパティはParametersタブのVolumeサイドメニューをクリックすることで表示することができます。
Atmospheric1 Parametersタブ Volume
・Off - On効果のオンオフ。割合で効果を付けられるわけではないので、0か1しか使わない。
・Volume Densityボリュームがどれだけライトの光を吸い取るか。低いほどボリュームが明るい。Volume Colorと相互に影響し合う。
・Light Densityボリュームがどれだけライトの影響を受けるか。高いほどボリュームが明るい。
・Turbulence Frequency高いほど濃淡の周期が短い。
・Turbulence Variance濃淡のコントラスト。高いほどボリュームに濃淡が加わる。
・Distant Start - Metersボリュームの描画を始めるカメラからの距離(m)。
・Distant End - Metersボリュームの描画を終了するカメラからの距離(m)。
・Qualityボリュームの品質。高いほど高品質&レンダリング時間増。
・Volume Colorボリュームの色。Volume Densityが高いほどより色づく。

いくつかのプロパティを調整して実際にレンダリングしてみました。

 ・Turbulence
ボリュームにランダムな濃淡を加えます。
Turbulence Frequencyが濃淡の繰り返しの頻度(小さいほど大雑把)で、Turbulence Varianceが濃淡のコントラストになります。初期値ではコントラスト0%なので濃淡がないわけですね。
Atmospheric1 パラメータ Turbulence
埃にけむる小部屋になりました。

 ・Volume Color
通常ボリュームの色にはライトの色が反映されます。Volume Colorプロパティはボリュームが光を吸収する色という説明がされており、いわゆるScatter Colorになります。さらにVolume Densityを高くすればするほど、Volume Colorプロパティがボリュームの色に影響を及ぼします。
ライトの色をオレンジ色(影付きライトの不具合回避済み)にした場合とボリュームの色をオレンジ色にした場合でレンダリングを比較してみました(オブジェクトの色を水色に変更してあります)。
Atmospheric1 パラメータ Volume Color
ボリュームの色を変更した場合の方はマテリアル本来の色が若干ですが覗いています。

 ・Distant Start / End
ボリュームはカメラからStartメートルの位置から描画されはじめ、Endメートルで描画されなくなります。DSの距離単位は1Unit = 1cmですから、初期値だと10000Unit離れた位置まで有効ということになります。このパラメーターを調整することで、ボリュームを描画する範囲を絞ったり、レンダリング時間を短縮したりすることができます。
下の画像ではStartを赤いスポットライトの向こうに設定し、ボリュームが描画されないようにしています。
Atmospheric1 パラメータ Start-End

いろいろ実験してみたところ、本来描画されない範囲をボリューム描画の範囲外にしてもレンダリング時間短縮効果はないようです(3m先に視界をさえぎる壁があるのでEndを3にするなど)。


■いろんなライトのボリューム

Volume Cameraにはどんなライトでもボリュームを描画するという特長があります。そこで、DS4で使えるいろいろなライトを配置し、どんなふうになるかレンダリングしてみました。
※それぞれのレンダリングでのVolume Cameraのパラメーターは、ライトに合わせて調整してあります。

 ・Spot Light
Atmospheric1 ライト種類 Spot
光が減衰しないため、ボリュームも均一な感じです。

 ・Distant Light
Atmospheric1 ライト種類 Distant
シーン全体にボリュームが描画されるため、かなりのレンダリング時間を要します。ボリュームを弱めに調整すると面白い効果が出ますね。窓から差し込む光なんかも表現できそうです。

 ・Point Light
Atmospheric1 ライト種類 Point
光源が明るく描画されるという、思わぬ効果が出ています。とても雰囲気のあるレンダリングになりました。

 ・Linear Point Light
Atmospheric1 ライト種類 Linear Point
こちらは一転ぼんやりした感じです。ユーザーマニュアルによると、Falloff Startを0にするようにと書かれています。

 ・UberAreaLight
Atmospheric1 ライト種類 Area
もうちょっと光源付近が明るくなると良いのですが、少し離れたところからぼんやり光る感じです。

 ・UberEnvironment2
Atmospheric1 ライト種類 UberEnv
Distant Lightと同じくこちらもシーン全体にボリュームが描画されますので、効果的な使い方とは言えませんね。

 ・ShaderMixerで作ったSpotLight
Atmospheric1 ライト種類 SM Spot
この記事で作成した(Math 2ブリックはDS4ではBinary Operationという名前になっています)光が距離で減衰するタイプのスポットライトです。ボリュームも光源から離れるに従って暗くなっていく、非常に理想的な描画のされ方になっています。

Point LightとShaderMixerで作ったSpotLightで思わぬ好結果が出ました。Distant Lightも効果的に使えば良いシーンができそうです(この記事の最後のレンダリング画像もDistant LightとVolume Cameraを組み合わせて使っています)。


■複数のライトがあるシーンのレンダリング

実際にレンダリングする時の注意点なのですが、前の項目でおわかりの通りVolume Cameraはシーン内の全てのライトに反応します。そのため、何も考えずにVolume Cameraでレンダリングすると、長い時間かかった上、出来上がりの画像が真っ白なんてことになりかねません。
そこで、通常のカメラでのレンダリングと、ボリュームを描画したいライトだけを点灯させたVolume Cameraでのレンダリングをし、その2枚のレンダリング画像をレイヤーの使えるフォトレタッチソフトで合成する(加算など)のが現実的な使い方ではないかと思います。

例としてUberEnvironment2とSpotLightを配置したシーンをレンダリングする手順を考えてみました。

Atmospheric1 シーンの合成 通常カメラ
UberEnvirnment2をライトに通常のカメラでのレンダリング (A)

Atmospheric1 シーンの合成 ボリュームカメラ
SpotLightをライトにVolume Cameraでレンダリング (B)

Atmospheric1 シーンの合成 加算で合成
Photoshopで(A)(B)を加算で合成


■今日の一枚

ShaderMixerで作ったSpotLightを複数使って、ライブステージでの登場シーンを作ってみました。変なマイクの持ち方ですが。

バックライトに照らされてスタート
Character:Tori for V5 , Victoria 5
Hair:Hampton Hair
Costume:Reckless V5
Prop:Imelda
Environment:Fashion Catwalk
Effect:Atmospheric Effects Cameras for DAZ Studio

当初は標準のスポットライトで満足していたのですが、今回いろんなライトを試してみることでボリュームの出方がとても理想的なものを見つけることができました。ボリュームは通常のレンダリングに比べて時間がかかるという難点がありますが、要所要所に効果的に使っていくことで十分実用になります。



今回のツールと画像の素材はこちら

Atmospheric Effects Cameras for DAZ Studio

Victoria 5

Tori for V5

Hampton Hair

Reckless V5

Imelda

Fashion Catwalk

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Topmodel Kit 2 for V4




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