DUFプリセットの保存と再利用
Category : DAZ Studio 4
DAZ Studio 4.0より導入されたDSONフォーマットのファイルは、それまで使われていたDAZ Scriptフォーマットのものに置き換わるように実装されてきました。そしてついにDS4.5より、ほぼ完全にDSONフォーマットが標準の地位を獲得しました。
シーンデータの保存はDSONフォーマットでしかできなくなり(dazファイルの読み込みはまだできます)、DAZ Scriptフォーマットのプリセット保存はDeprecated(非推奨)として隅に追いやられました。また、DSONフォーマットのファイルの拡張子として.duf(DAZ User File)が新設され、それまで使われていた.dsf(DAZ Support File)はジオメトリなどの実データのみに使われるように変更されました。
また、保存できるプリセットとしてHierarchical Material(s)、Wearable(s)といった便利なものが追加されました。
今回はDSONフォーマットで保存できるプリセット(DUFプリセット)のうち、フィギュア周りのものと、新規追加されたものを説明していきたいと思います。
『Content Creator Toolkit その8:DSF形式での保存』のDSFプリセット保存部分のDS4.5対応版となります。
DAZ Studio 4.5.0.137 Proを使用しています。
■DUF保存メニュー
シーン内のフィギュアや小道具の設定をプリセットとして保存するには、メインメニューから File > Save As を開くと各種DUFプリセット保存メニューがありますので、保存したい要素に合わせてメニューを実行して下さい。
これまでのDAZ Scriptフォーマットのプリセット保存メニューはDeprecated以下に入っています。
保存時にはそれぞれの保存フォルダを記憶するようになっており、初期状態では\My Library\Preset内に種類別のフォルダが作られ、そこに保存されるようになっています。
同時に、ファイルのカテゴリや適合性がデータベースに登録され、Smart Contentタブなどから読み込みやすいようになっています。
メニューを実行すると、保存場所を選択するダイアログと保存する要素に即したオプションダイアログが出現します。オプションでほぼ全てに存在するものがありますので、ここで説明してしまいます。
チェックを付けるとファイルを圧縮してファイルサイズを小さくすることができます。チェックを付けないとテキストファイルとして出力されますので、内容をテキストエディタやJSONエディタ※などで編集することができます。ただし、Scene保存にはオプションがなく、標準で圧縮されます。
.dufファイルの圧縮/解凍はBatch Convertタブでまとめてすることができます。また、一般の解凍ソフトでも可能です。
※DSON(DAZ Scene Object Notation)フォーマットはJSON(JavaScript Object Notation)を基にしており、JSON Viewerなどの専用エディタで読み込むと内容を把握しやすいように表示できます。
■シーンの保存
DS4.5よりシーンデータの保存にはDSONフォーマットが使われるようになりました。特にオプションなどもないので、これまでのような感覚で使っていくことになると思います。
シーン全体を保存するにはメインメニューから File > Save As > Scene を、シーン内のオブジェクトから選んで保存するには File > Save As > Scene Subset を実行して下さい。
シーン保存の注意点などは次の通りです。
・レンダリング設定も保存されます。
・ファイルサイズが圧縮効果で大幅減少しています。
・Auto-fitツールなどで変換した服がある場合(dsfファイル化していない)でもそのままシーン保存できます。
・読み込みはSmart Contentタブの/Default/Unassigned/Scene(シーン)または/Default/Unassigned/Set(サブセット)からが楽です。
・dazファイルを読み込み、DS4.5以降で保存しなおした場合、それを読み込むとメッシュが異常になっている場合があります。そうなってしまったら、それをそのままもう一度別ファイル名で保存すると正常に戻る可能性があります。
・読み込み時に一部のオブジェクトデータが無い場合、警告の表示と共にそのオブジェクトがバウンディング・ボックスに置き換えられ、シーン読み込みは継続されます。
Genesis世代のフィギュアや服のデータを保存する場合、ジオメトリデータとして製品のdsfファイルを参照するようになりました。V4などのobj形式のジオメトリデータを持つフィギュアや、dsfファイル化していないGenesis用の服の場合はdata\auto_adapted内にdsf形式のジオメトリデータが保存され、それが参照されます。
過去に製作した13のシーンをDS4.5で保存しなおしてみました。そのうちメッシュ異常が出たのが3ファイルで、再保存し直しで正常に戻りました。ただしそのうちの1ファイルはフィギュアのポーズが一部再現されませんでした。マテリアルやライトなどは全てdazファイルと同じ状態で保存できています。
■DUFプリセットの保存
プリセットとして保存される要素はマテリアル・ポーズ・モーフの3種類に大きく分かれます。それぞれのメニューがどの要素のプリセットを保存することになるのか、分かりやすいようにこんなシーンを作ってみました。
シーンにはGenesisフィギュア1体を配置し、マテリアル、ポーズ、モーフ、表情の各パラメータを調節してあります。
このシーンにあるGenesisをそれぞれのメニューでプリセット保存し、フィギュアを削除、その後Smart Contentタブから素のGenesisを呼び出して下の画像の状態にします。
そして保存したプリセットをGenesisに適用し、どのような状態になるかを見ます。
同時に、各プリセットのオプションも次のような項目に分けてまとめました。
保存される要素: どんな要素を保存するか
保存先: 初期設定での保存フォルダ
コンテンツタイプ: 設定されるコンテンツタイプ
コンテンツカテゴリ: 設定されるカテゴリ分け
保存オプション: 保存時のオプション設定
読み込みオプション: Ctrlキーを押しながら読み込んだ時のオプション設定
※これらのプリセットの保存時、読み込み時には、対象となるオブジェクトを選択しておく必要があります。
ちなみにDUFプリセットファイルについて、DSF保存の記事で挙げた問題点は現在全て解消されています。
・Character Preset
保存される要素: フィギュアの階層構造、モーフ・パラメータ、マテリアル
保存先: Presets\Character
コンテンツタイプ: ActorまたはFollwer
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/ActorまたはFollwer
保存オプション: モーフ・パラメータ、マテリアルを含めるスイッチ
読み込みオプション: 全て/モーフ・パラメータのみ/マテリアルのみ
このメニューで保存されたDUFファイルは他のプリセットと違い、適用先のフィギュアが無くても読み込むことができます。適用先のフィギュアを選択していた場合は次のようなダイアログが出現し、「Load a new Figure into the scene(新規フィギュアとして読み込む)」「Apply this Character to the currently selected Figure(s)(選択中のフィギュアに適用する)」のどちらかを選ぶようになっています。
このプリセットの用途としては、Genesisにキャラクター製品のモーフとマテリアルを適用した後にプリセットとして保存し、次回から簡単に呼び出せるようにする使用法が考えられますね。
・Properties Preset
保存される要素: モーフ・パラメータ、ポーズ、マテリアル
保存先: Presets\Properties
コンテンツタイプ: Preset > Properties
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Properties
保存オプション: 現在のフレーム/アニメーション範囲、保存プロパティ指定
読み込みオプション: リミットに従う/外す、[モーフ]:パラメータを置き換える/加算する、パーセンテージ適用、[ポーズ]:適用ノード制限、適用プロパティ制限、[マテリアル]:全て/選択サーフェイスのみ、テクスチャを置き換える/除外する
このプリセットではShapingタブ、Posingタブ、Surfacesタブの内容をまとめて保存できます。小道具のプリセット保存に良いかもしれません。
・Shaping Preset
保存される要素: モーフ・パラメータ
保存先: Presets\Shaping
コンテンツタイプ: Preset > Morph > Apply
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Morph/Apply
保存オプション: 現在のフレーム/アニメーション範囲、保存プロパティ指定
読み込みオプション: パラメータを置き換える/加算する、リミットに従う/外す、パーセンテージ適用
このプリセットではShapingタブの内容を保存できます。読み込みオプションが独特ですね。
・Pose Preset
保存される要素: ポーズ
保存先: Presets\Poses
コンテンツタイプ: Preset > Pose
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Pose
保存オプション: 現在のフレーム/アニメーション範囲、保存プロパティ指定
読み込みオプション: 適用ノード制限、適用プロパティ制限、リミットに従う/外す
このプリセットではPosingタブの内容を保存できます。コントロール・プロパティもここに含まれます。
読み込みオプションの適用ノード制限は、Nodes:Selected、Propagation:Recursiveで選択ノード以下だけにポーズを読み込みます。また、MorphformsはGenesisフィギュアではPose Controlsと名称が変わっており、表情パラメータなどが含まれます。
・Material(s) Preset
保存される要素: マテリアル(オブジェクト単位)
保存先: Presets\Material
設定カテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Materials
コンテンツタイプ: Preset > Materials
コンテンツオプション: 保存プロパティ指定
読み込みオプション: 全て/選択サーフェイスのみ、テクスチャを置き換える/除外する
このプリセットではSurfacesタブの内容を保存できます。
読み込みオプションをImages:Ignoreにしておけば、フィギュアに張られているテクスチャをそのままにして、その他のパラメータだけを読み込むことができます。他のキャラクターにシェーダー設定を移植するのに便利です。
・Shader Preset
保存される要素: マテリアル(1サーフェイスのみ)
保存先: Presets\Shaders
コンテンツタイプ: Preset > Shader
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Shader
保存オプション: 保存プロパティ指定
読み込みオプション: 全て/選択サーフェイスのみ、テクスチャを置き換える/除外する
保存時にはSurfacesタブで保存したい1つのサーフェイスを選択しておく必要があります。Materials Fileが複数サーフェイスに対しサーフェイス名で管理したパラメータを割り当てするのに対し、こちらは1サーフェイスのパラメータのみを保存したプリセットです。そのため読み込み時にはサーフェイス名に関係なく適用することができます。
■特殊なプリセットの保存
ここではDS4.5から追加された、Hierarchical Material(s) PresetとWearable(s) Presetについて説明します。どちらもとても興味深い動作をするプリセットです。
・Hierarchical Material(s) Preset
保存される要素: マテリアル(複数オブジェクト)
保存先: Presets\Hierarchical Materials
コンテンツタイプ: Preset > Materials > Hierarchical
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Materials/Hierarchical
保存オプション: 保存オブジェクト指定
読み込みオプション: 全て/選択サーフェイスのみ、テクスチャを置き換える/除外する
ペアレントが組まれている複数のオブジェクトのマテリアルをまとめて保存します。
いろいろと試してみたのですが、全て小道具で構成されている階層構造なら正常に読み込みができました。おそらく、背景オブジェクトのマテリアル保存のために追加されたのではないかと思います。通常のマテリアルプリセットではそれぞれのオブジェクトごとに適用する必要がありますので、大量のオブジェクトがシーンに配置される背景オブジェクトではマテリアルプリセットを作成することが困難でした。
・Wearable(s) Preset
保存される要素: 着用させた服の階層構造、マテリアル、モーフ・パラメータ、ポーズ
保存先: Presets\Wearables
コンテンツタイプ: Preset > Wearables
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Wearables
保存オプション: 保存オブジェクト指定
読み込みオプション: なし
フィギュアに着用させた服のデータを保存します。フィギュアに服を着用させた状態でフィギュアを選択してウェアラブル・プリセットを保存しておけば、次からは裸のフィギュアにそれを適用するだけで服のパーツが全て読み込まれ、着用されます。服のパラメータも保存されるので、調整モーフの設定なども保存時の状態が復元されます。また、手に持たせた小道具のデータなども保存が可能です。
保存時のオプションでInclude Target Poseにチェックを入れると、ベースフィギュアのポーズが保存されます。
キャラクター・プリセットとウェアラブル・プリセットは階層構造のデータなども格納しますので、プリセットの枠を超えている気がします。しかし対象の製品などがインストールされていないと動作しないことには変わりないので、配布時などは気を付けつつ便利に使っていきましょう。
現在Genesisフィギュアのキャラクター製品は適用の方法がまちまちで使うときに困るので、キャラクター・プリセットの同梱は推奨したいところです。
服製品にもウェアラブル・プリセットが入っていれば便利でしょうね。
シーンデータの保存はDSONフォーマットでしかできなくなり(dazファイルの読み込みはまだできます)、DAZ Scriptフォーマットのプリセット保存はDeprecated(非推奨)として隅に追いやられました。また、DSONフォーマットのファイルの拡張子として.duf(DAZ User File)が新設され、それまで使われていた.dsf(DAZ Support File)はジオメトリなどの実データのみに使われるように変更されました。
また、保存できるプリセットとしてHierarchical Material(s)、Wearable(s)といった便利なものが追加されました。
今回はDSONフォーマットで保存できるプリセット(DUFプリセット)のうち、フィギュア周りのものと、新規追加されたものを説明していきたいと思います。
『Content Creator Toolkit その8:DSF形式での保存』のDSFプリセット保存部分のDS4.5対応版となります。
DAZ Studio 4.5.0.137 Proを使用しています。
■DUF保存メニュー
シーン内のフィギュアや小道具の設定をプリセットとして保存するには、メインメニューから File > Save As を開くと各種DUFプリセット保存メニューがありますので、保存したい要素に合わせてメニューを実行して下さい。
これまでのDAZ Scriptフォーマットのプリセット保存メニューはDeprecated以下に入っています。
・Scene | シーン全体の保存 |
・Scene Subset | シーンの一部を保存 |
・Hierarchical Material(s) Preset | ペアレントを組んだ複数オブジェクトのマテリアル・プリセットの保存 |
・Wearable(s) Preset | フィギュアに着せた複数アイテムのキャラクター・プリセットの保存 |
・Character Preset | キャラクター・プリセットの保存 |
・Properties Preset | プロパティ・プリセットの保存 |
・Shaping Preset | モーフのプリセット保存 |
・Pose Preset | ポーズのプリセット保存 |
・Material(s) Preset | マテリアルのプリセット保存(オブジェクト単位) |
・Shader Preset | マテリアルのプリセット保存(1サーフェイスのみ) |
保存時にはそれぞれの保存フォルダを記憶するようになっており、初期状態では\My Library\Preset内に種類別のフォルダが作られ、そこに保存されるようになっています。
同時に、ファイルのカテゴリや適合性がデータベースに登録され、Smart Contentタブなどから読み込みやすいようになっています。
メニューを実行すると、保存場所を選択するダイアログと保存する要素に即したオプションダイアログが出現します。オプションでほぼ全てに存在するものがありますので、ここで説明してしまいます。
・Compress File | ファイルを圧縮する |
チェックを付けるとファイルを圧縮してファイルサイズを小さくすることができます。チェックを付けないとテキストファイルとして出力されますので、内容をテキストエディタやJSONエディタ※などで編集することができます。ただし、Scene保存にはオプションがなく、標準で圧縮されます。
.dufファイルの圧縮/解凍はBatch Convertタブでまとめてすることができます。また、一般の解凍ソフトでも可能です。
※DSON(DAZ Scene Object Notation)フォーマットはJSON(JavaScript Object Notation)を基にしており、JSON Viewerなどの専用エディタで読み込むと内容を把握しやすいように表示できます。
■シーンの保存
DS4.5よりシーンデータの保存にはDSONフォーマットが使われるようになりました。特にオプションなどもないので、これまでのような感覚で使っていくことになると思います。
シーン全体を保存するにはメインメニューから File > Save As > Scene を、シーン内のオブジェクトから選んで保存するには File > Save As > Scene Subset を実行して下さい。
シーン保存の注意点などは次の通りです。
・レンダリング設定も保存されます。
・ファイルサイズが圧縮効果で大幅減少しています。
・Auto-fitツールなどで変換した服がある場合(dsfファイル化していない)でもそのままシーン保存できます。
・読み込みはSmart Contentタブの/Default/Unassigned/Scene(シーン)または/Default/Unassigned/Set(サブセット)からが楽です。
・dazファイルを読み込み、DS4.5以降で保存しなおした場合、それを読み込むとメッシュが異常になっている場合があります。そうなってしまったら、それをそのままもう一度別ファイル名で保存すると正常に戻る可能性があります。
・読み込み時に一部のオブジェクトデータが無い場合、警告の表示と共にそのオブジェクトがバウンディング・ボックスに置き換えられ、シーン読み込みは継続されます。
Genesis世代のフィギュアや服のデータを保存する場合、ジオメトリデータとして製品のdsfファイルを参照するようになりました。V4などのobj形式のジオメトリデータを持つフィギュアや、dsfファイル化していないGenesis用の服の場合はdata\auto_adapted内にdsf形式のジオメトリデータが保存され、それが参照されます。
過去に製作した13のシーンをDS4.5で保存しなおしてみました。そのうちメッシュ異常が出たのが3ファイルで、再保存し直しで正常に戻りました。ただしそのうちの1ファイルはフィギュアのポーズが一部再現されませんでした。マテリアルやライトなどは全てdazファイルと同じ状態で保存できています。
■DUFプリセットの保存
プリセットとして保存される要素はマテリアル・ポーズ・モーフの3種類に大きく分かれます。それぞれのメニューがどの要素のプリセットを保存することになるのか、分かりやすいようにこんなシーンを作ってみました。
シーンにはGenesisフィギュア1体を配置し、マテリアル、ポーズ、モーフ、表情の各パラメータを調節してあります。
このシーンにあるGenesisをそれぞれのメニューでプリセット保存し、フィギュアを削除、その後Smart Contentタブから素のGenesisを呼び出して下の画像の状態にします。
そして保存したプリセットをGenesisに適用し、どのような状態になるかを見ます。
同時に、各プリセットのオプションも次のような項目に分けてまとめました。
保存される要素: どんな要素を保存するか
保存先: 初期設定での保存フォルダ
コンテンツタイプ: 設定されるコンテンツタイプ
コンテンツカテゴリ: 設定されるカテゴリ分け
保存オプション: 保存時のオプション設定
読み込みオプション: Ctrlキーを押しながら読み込んだ時のオプション設定
※これらのプリセットの保存時、読み込み時には、対象となるオブジェクトを選択しておく必要があります。
ちなみにDUFプリセットファイルについて、DSF保存の記事で挙げた問題点は現在全て解消されています。
・Character Preset
保存される要素: フィギュアの階層構造、モーフ・パラメータ、マテリアル
保存先: Presets\Character
コンテンツタイプ: ActorまたはFollwer
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/ActorまたはFollwer
保存オプション: モーフ・パラメータ、マテリアルを含めるスイッチ
読み込みオプション: 全て/モーフ・パラメータのみ/マテリアルのみ
このメニューで保存されたDUFファイルは他のプリセットと違い、適用先のフィギュアが無くても読み込むことができます。適用先のフィギュアを選択していた場合は次のようなダイアログが出現し、「Load a new Figure into the scene(新規フィギュアとして読み込む)」「Apply this Character to the currently selected Figure(s)(選択中のフィギュアに適用する)」のどちらかを選ぶようになっています。
このプリセットの用途としては、Genesisにキャラクター製品のモーフとマテリアルを適用した後にプリセットとして保存し、次回から簡単に呼び出せるようにする使用法が考えられますね。
・Properties Preset
保存される要素: モーフ・パラメータ、ポーズ、マテリアル
保存先: Presets\Properties
コンテンツタイプ: Preset > Properties
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Properties
保存オプション: 現在のフレーム/アニメーション範囲、保存プロパティ指定
読み込みオプション: リミットに従う/外す、[モーフ]:パラメータを置き換える/加算する、パーセンテージ適用、[ポーズ]:適用ノード制限、適用プロパティ制限、[マテリアル]:全て/選択サーフェイスのみ、テクスチャを置き換える/除外する
このプリセットではShapingタブ、Posingタブ、Surfacesタブの内容をまとめて保存できます。小道具のプリセット保存に良いかもしれません。
・Shaping Preset
保存される要素: モーフ・パラメータ
保存先: Presets\Shaping
コンテンツタイプ: Preset > Morph > Apply
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Morph/Apply
保存オプション: 現在のフレーム/アニメーション範囲、保存プロパティ指定
読み込みオプション: パラメータを置き換える/加算する、リミットに従う/外す、パーセンテージ適用
このプリセットではShapingタブの内容を保存できます。読み込みオプションが独特ですね。
・Pose Preset
保存される要素: ポーズ
保存先: Presets\Poses
コンテンツタイプ: Preset > Pose
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Pose
保存オプション: 現在のフレーム/アニメーション範囲、保存プロパティ指定
読み込みオプション: 適用ノード制限、適用プロパティ制限、リミットに従う/外す
このプリセットではPosingタブの内容を保存できます。コントロール・プロパティもここに含まれます。
読み込みオプションの適用ノード制限は、Nodes:Selected、Propagation:Recursiveで選択ノード以下だけにポーズを読み込みます。また、MorphformsはGenesisフィギュアではPose Controlsと名称が変わっており、表情パラメータなどが含まれます。
・Material(s) Preset
保存される要素: マテリアル(オブジェクト単位)
保存先: Presets\Material
設定カテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Materials
コンテンツタイプ: Preset > Materials
コンテンツオプション: 保存プロパティ指定
読み込みオプション: 全て/選択サーフェイスのみ、テクスチャを置き換える/除外する
このプリセットではSurfacesタブの内容を保存できます。
読み込みオプションをImages:Ignoreにしておけば、フィギュアに張られているテクスチャをそのままにして、その他のパラメータだけを読み込むことができます。他のキャラクターにシェーダー設定を移植するのに便利です。
・Shader Preset
保存される要素: マテリアル(1サーフェイスのみ)
保存先: Presets\Shaders
コンテンツタイプ: Preset > Shader
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Shader
保存オプション: 保存プロパティ指定
読み込みオプション: 全て/選択サーフェイスのみ、テクスチャを置き換える/除外する
保存時にはSurfacesタブで保存したい1つのサーフェイスを選択しておく必要があります。Materials Fileが複数サーフェイスに対しサーフェイス名で管理したパラメータを割り当てするのに対し、こちらは1サーフェイスのパラメータのみを保存したプリセットです。そのため読み込み時にはサーフェイス名に関係なく適用することができます。
■特殊なプリセットの保存
ここではDS4.5から追加された、Hierarchical Material(s) PresetとWearable(s) Presetについて説明します。どちらもとても興味深い動作をするプリセットです。
・Hierarchical Material(s) Preset
保存される要素: マテリアル(複数オブジェクト)
保存先: Presets\Hierarchical Materials
コンテンツタイプ: Preset > Materials > Hierarchical
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Materials/Hierarchical
保存オプション: 保存オブジェクト指定
読み込みオプション: 全て/選択サーフェイスのみ、テクスチャを置き換える/除外する
ペアレントが組まれている複数のオブジェクトのマテリアルをまとめて保存します。
いろいろと試してみたのですが、全て小道具で構成されている階層構造なら正常に読み込みができました。おそらく、背景オブジェクトのマテリアル保存のために追加されたのではないかと思います。通常のマテリアルプリセットではそれぞれのオブジェクトごとに適用する必要がありますので、大量のオブジェクトがシーンに配置される背景オブジェクトではマテリアルプリセットを作成することが困難でした。
・Wearable(s) Preset
保存される要素: 着用させた服の階層構造、マテリアル、モーフ・パラメータ、ポーズ
保存先: Presets\Wearables
コンテンツタイプ: Preset > Wearables
コンテンツカテゴリ: /Default/Unassigned/Preset/Wearables
保存オプション: 保存オブジェクト指定
読み込みオプション: なし
フィギュアに着用させた服のデータを保存します。フィギュアに服を着用させた状態でフィギュアを選択してウェアラブル・プリセットを保存しておけば、次からは裸のフィギュアにそれを適用するだけで服のパーツが全て読み込まれ、着用されます。服のパラメータも保存されるので、調整モーフの設定なども保存時の状態が復元されます。また、手に持たせた小道具のデータなども保存が可能です。
保存時のオプションでInclude Target Poseにチェックを入れると、ベースフィギュアのポーズが保存されます。
キャラクター・プリセットとウェアラブル・プリセットは階層構造のデータなども格納しますので、プリセットの枠を超えている気がします。しかし対象の製品などがインストールされていないと動作しないことには変わりないので、配布時などは気を付けつつ便利に使っていきましょう。
現在Genesisフィギュアのキャラクター製品は適用の方法がまちまちで使うときに困るので、キャラクター・プリセットの同梱は推奨したいところです。
服製品にもウェアラブル・プリセットが入っていれば便利でしょうね。