Look At My Hair その1:プリセットで動物をふさふさにする
Category : Look At My Hair
人の髪の毛や動物の毛皮など、毛を3DCGで表現するのは困難です。毛を一本一本モデリングするのは大変な作業なので、テクスチャマッピングを透明度に使ってエッジをギザギザにしたり、ディスプレイスメントに使って凹凸を作ったりするテクニックが使われます。それらの方法に対して、3Dモデルに毛を一本一本生やしレンダリングしようというのが「ファー(fur)」と呼ばれるものです。
『Look At My Hair』(LAMH)はDAZ Studio 4.5で使用できる「ファー」プラグインです。
LAMHでは次のようなことができます。
・フィギュアや小道具にファーを生やす
・ポリゴン指定または密度マップによる生やす場所(follicle:毛包)の指定
・ガイドヘアを使ったファーの調髪
・専用シェーダー(3種類)の適用
・Renderman curve(ライン)またはポリゴンメッシュでのファー出力
・プリセットデータの保存・読込
・毛の代わりに指定したオブジェクトのインスタンスを生やす
プラグイン製作者による公式サイトには、チュートリアルビデオやサンプル画像、市販フィギュアに対応したプリセットデータなどが充実しています。
今回はそのプリセットデータを使って、DS4.5でファーをレンダリングしてみます。

■インストール時の注意点
LAMHを使うためには、特殊な手順が必要です。
Serial Numberはインストール後に初めてCreate > New LAMH Objectを行った時(A)に表示されます。
Installation CodeはDAZストアのマイページ内My Serial Numbersで確認できます。
この二つをプラグインの登録サイトで入力すると、Activation Codeがもらえます。
そしてAにInstallation CodeとActivation Codeを入力することで、プラグインが使用可能です。
これ以外の情報は必要ありませんので、安心してアクティベートして下さい。
■プリセットを使う
いきなり最初から自分でLAMHを使ってキャラクターの髪を作ったりするのは難しいので、DAZフィギュアに合わせて用意されたプリセットを使ってみます。
今回は『Millennium Big Cat』のタイガー用プリセットを使いました。こちらのページよりダウンロードできる『DAZ Millennium Big Cat - tiger fur』をLAMHのプリセットフォルダ(Windowsの場合はマイドキュメント内のDAZ 3D\Studio\lookatmyhairAM\presets)に解凍しておきます。
(1)シーンに『Millennium Big Cat』を読み込み、モーフ&マテリアル、そしてポーズを適用します。さらにカメラやライトの設定を済ませます。

この段階(ファー適用前)でレンダリングすると次のようになります。
ライトはDistantライト(レイトレース影)1灯とUberEnvironment2(ソフトAO)を使っています。

レンダリング時間 49秒
最大メモリ使用量 約492MB
ヒゲやマユゲはポリゴンモデル、タテガミなどは透明度マッピングによる処理ですね。
(2)ファーを生やしたいオブジェクトを選択しておき、メインメニューから Create > New 'Look At My Hair' Object を実行します。

(3)LAMHウィンドウが出現するので、ウィンドウ右上のアイコン郡から「select and import objects from Studio」をクリックします。

(4)シーン内にオブジェクトが複数ある場合は「pick an object」というダイアログが出ますので、ファーを生やしたいオブジェクト(blMilBigCat_45866)を選択して左下のアイコンをクリックします。

すると、LAMHウィンドウにモデルが読み込まれます。

(5)続いて「load project」アイコンをクリックしてプリセットを読み込みます。

ファイル選択ダイアログが出ますので、最初に解凍しておいたプリセットファイル「DAZ Mil Big Cat - tiger fur.lmh」を指定します。
この時、適用先のオブジェクトを選択していないとワーニングが出ますので、DSに戻って選択して下さい。
(6)しばらくすると読み込んだプリセットで設定された通りに、モデルに青色の毛(ガイドヘア)が生えます。ウィンドウ左下端に進捗状況が出ますが、プレビューが更新されるまでは結構時間がかかります。

拡大するとこのようにきれいに整えられたガイドヘアが一本一本生えているのがわかります。

(7)今度は「export hair」アイコンをクリックしてファーをDSへ出力します。

オプションダイアログが出ますので、そのまま右上のアイコンをクリックして下さい。

(8)DSにファーオブジェクトが読み込まれ、LAMHウィンドウと同じように青色の毛が生えます。

この状態でレンダリングしたのが次の画像です。レンダリングの設定はShading Rate 0.1(カメラからの距離が遠い場合はもっと小さく)が推奨されています。

レンダリング時間 1分37秒
最大メモリ使用量 約930MB
拡大するとこんな感じで細い毛が生えているのがわかります。

■毛の量とシェーダーの変更
毛は生えましたが、もっとふさふさもふもふにしたい!と思いましたので、毛の量を増やします。
その方法は簡単です。
LAMHウィンドウに戻り、「export hair」アイコンを再びクリックします。
そしてオプションダイアログの「hair quantity」の数値を増やします。この時、数値を入力した後に必ずEnterキーを押して確定させて下さい。

オプションダイアログの右上のアイコンをクリックすると、さらに次のようなダイアログが出る場合があります。

これはDSのシーンに前に出力したファーオブジェクトが残っている場合に出ます。上書きして問題なければ「Yes」をクリックして下さい。
hair quantity 5倍でレンダリングしたのが次の画像です。

レンダリング時間 3分26秒
最大メモリ使用量 約1345MB
だいぶふさふさしてきましたね。
hair quantity 10倍でレンダリングしたのが次の画像です。

レンダリング時間 6分4秒
最大メモリ使用量 約1890MB
体表のほとんどがファーで覆われました。ふさふさもふもふです。
体表に張られたテクスチャの色が毛の色に反映されるように設定されているので、毛の色で模様ができています。
レンダリング時の時間とメモリ使用量(ワーキングRAM)も記録しておきましたので、参考にして下さい。レンダリング時間は思ったより全然増えませんし、ビューポートではガイドヘアしか表示されないので軽いままです。
今度は用意された3種類のシェーダーを試してみます。
シェーダーの変更はLAMHウィンドウの右上にある「setup current hair groups」アイコンをクリックして開く「materials setup」ウィンドウでします。

surface shader欄のドロップダウンメニューから「Standard shader/Advanced shader/Ambient Occlusion」シェーダーを変更することができます。

設定後左上の「update materials and exit」アイコンをクリックし、続いて出るダイアログで「Yes」ボタンをクリックするとマテリアルが更新されます(再びDSへexportするのをお忘れなく)。

Standard shader

レンダリング時間 6分4秒
Advanced shader

レンダリング時間 5分44秒
Ambient Occlusion

レンダリング時間 4分4秒
ファーで気になるのはちゃんと影が落ちるかという点ですが、しっかり影もふさふさしています。

obj出力も試してみました。
出力時のオプションダイアログでgeometry type欄を「.obj files」に変更すると、DS以外でもレンダリングできるポリゴンモデルとしてファーオブジェクトが作成されます。
プレビュー

レンダリング

レンダリングでは影がキツイですが、ライト調整次第でしょう。
■注意点など
LAMHを使う上でわかった注意点などを挙げます。
・DSのシーンファイルにファーの情報が保存されない(LAMHの方でsave projectする)
・GenesisをLAMHに読み込む時にMesh ResolutionがBaseに変更される
・フィギュアのポーズを変更するとしばらくして毛も追従する(Renderman curveのみ)が、アニメーションレンダリングはエラーで止まる
・obj出力の際、ファーオブジェクトのDiffuse Colorのテクスチャパスがおかしくなっているので、指定し直す必要がある
・Renderman Curveのファーをレンダリングする時、LAMHウィンドウを閉じてしまっているとエラーになってしまうことがある
今回のツールと画像の素材はこちら
『Look At My Hair』(LAMH)はDAZ Studio 4.5で使用できる「ファー」プラグインです。
LAMHでは次のようなことができます。
・フィギュアや小道具にファーを生やす
・ポリゴン指定または密度マップによる生やす場所(follicle:毛包)の指定
・ガイドヘアを使ったファーの調髪
・専用シェーダー(3種類)の適用
・Renderman curve(ライン)またはポリゴンメッシュでのファー出力
・プリセットデータの保存・読込
・毛の代わりに指定したオブジェクトのインスタンスを生やす
プラグイン製作者による公式サイトには、チュートリアルビデオやサンプル画像、市販フィギュアに対応したプリセットデータなどが充実しています。
今回はそのプリセットデータを使って、DS4.5でファーをレンダリングしてみます。

■インストール時の注意点
LAMHを使うためには、特殊な手順が必要です。
Serial Numberはインストール後に初めてCreate > New LAMH Objectを行った時(A)に表示されます。
Installation CodeはDAZストアのマイページ内My Serial Numbersで確認できます。
この二つをプラグインの登録サイトで入力すると、Activation Codeがもらえます。
そしてAにInstallation CodeとActivation Codeを入力することで、プラグインが使用可能です。
これ以外の情報は必要ありませんので、安心してアクティベートして下さい。
■プリセットを使う
いきなり最初から自分でLAMHを使ってキャラクターの髪を作ったりするのは難しいので、DAZフィギュアに合わせて用意されたプリセットを使ってみます。
今回は『Millennium Big Cat』のタイガー用プリセットを使いました。こちらのページよりダウンロードできる『DAZ Millennium Big Cat - tiger fur』をLAMHのプリセットフォルダ(Windowsの場合はマイドキュメント内のDAZ 3D\Studio\lookatmyhairAM\presets)に解凍しておきます。
(1)シーンに『Millennium Big Cat』を読み込み、モーフ&マテリアル、そしてポーズを適用します。さらにカメラやライトの設定を済ませます。

この段階(ファー適用前)でレンダリングすると次のようになります。
ライトはDistantライト(レイトレース影)1灯とUberEnvironment2(ソフトAO)を使っています。

レンダリング時間 49秒
最大メモリ使用量 約492MB
ヒゲやマユゲはポリゴンモデル、タテガミなどは透明度マッピングによる処理ですね。
(2)ファーを生やしたいオブジェクトを選択しておき、メインメニューから Create > New 'Look At My Hair' Object を実行します。

(3)LAMHウィンドウが出現するので、ウィンドウ右上のアイコン郡から「select and import objects from Studio」をクリックします。

(4)シーン内にオブジェクトが複数ある場合は「pick an object」というダイアログが出ますので、ファーを生やしたいオブジェクト(blMilBigCat_45866)を選択して左下のアイコンをクリックします。

すると、LAMHウィンドウにモデルが読み込まれます。

(5)続いて「load project」アイコンをクリックしてプリセットを読み込みます。

ファイル選択ダイアログが出ますので、最初に解凍しておいたプリセットファイル「DAZ Mil Big Cat - tiger fur.lmh」を指定します。
この時、適用先のオブジェクトを選択していないとワーニングが出ますので、DSに戻って選択して下さい。
(6)しばらくすると読み込んだプリセットで設定された通りに、モデルに青色の毛(ガイドヘア)が生えます。ウィンドウ左下端に進捗状況が出ますが、プレビューが更新されるまでは結構時間がかかります。

拡大するとこのようにきれいに整えられたガイドヘアが一本一本生えているのがわかります。

(7)今度は「export hair」アイコンをクリックしてファーをDSへ出力します。

オプションダイアログが出ますので、そのまま右上のアイコンをクリックして下さい。

(8)DSにファーオブジェクトが読み込まれ、LAMHウィンドウと同じように青色の毛が生えます。

この状態でレンダリングしたのが次の画像です。レンダリングの設定はShading Rate 0.1(カメラからの距離が遠い場合はもっと小さく)が推奨されています。

レンダリング時間 1分37秒
最大メモリ使用量 約930MB
拡大するとこんな感じで細い毛が生えているのがわかります。

■毛の量とシェーダーの変更
毛は生えましたが、もっとふさふさもふもふにしたい!と思いましたので、毛の量を増やします。
その方法は簡単です。
LAMHウィンドウに戻り、「export hair」アイコンを再びクリックします。
そしてオプションダイアログの「hair quantity」の数値を増やします。この時、数値を入力した後に必ずEnterキーを押して確定させて下さい。

オプションダイアログの右上のアイコンをクリックすると、さらに次のようなダイアログが出る場合があります。

これはDSのシーンに前に出力したファーオブジェクトが残っている場合に出ます。上書きして問題なければ「Yes」をクリックして下さい。
hair quantity 5倍でレンダリングしたのが次の画像です。

レンダリング時間 3分26秒
最大メモリ使用量 約1345MB
だいぶふさふさしてきましたね。
hair quantity 10倍でレンダリングしたのが次の画像です。

レンダリング時間 6分4秒
最大メモリ使用量 約1890MB
体表のほとんどがファーで覆われました。ふさふさもふもふです。
体表に張られたテクスチャの色が毛の色に反映されるように設定されているので、毛の色で模様ができています。
レンダリング時の時間とメモリ使用量(ワーキングRAM)も記録しておきましたので、参考にして下さい。レンダリング時間は思ったより全然増えませんし、ビューポートではガイドヘアしか表示されないので軽いままです。
今度は用意された3種類のシェーダーを試してみます。
シェーダーの変更はLAMHウィンドウの右上にある「setup current hair groups」アイコンをクリックして開く「materials setup」ウィンドウでします。

surface shader欄のドロップダウンメニューから「Standard shader/Advanced shader/Ambient Occlusion」シェーダーを変更することができます。

設定後左上の「update materials and exit」アイコンをクリックし、続いて出るダイアログで「Yes」ボタンをクリックするとマテリアルが更新されます(再びDSへexportするのをお忘れなく)。

Standard shader

レンダリング時間 6分4秒
Advanced shader

レンダリング時間 5分44秒
Ambient Occlusion

レンダリング時間 4分4秒
ファーで気になるのはちゃんと影が落ちるかという点ですが、しっかり影もふさふさしています。

obj出力も試してみました。
出力時のオプションダイアログでgeometry type欄を「.obj files」に変更すると、DS以外でもレンダリングできるポリゴンモデルとしてファーオブジェクトが作成されます。
プレビュー

レンダリング

レンダリングでは影がキツイですが、ライト調整次第でしょう。
■注意点など
LAMHを使う上でわかった注意点などを挙げます。
・DSのシーンファイルにファーの情報が保存されない(LAMHの方でsave projectする)
・GenesisをLAMHに読み込む時にMesh ResolutionがBaseに変更される
・フィギュアのポーズを変更するとしばらくして毛も追従する(Renderman curveのみ)が、アニメーションレンダリングはエラーで止まる
・obj出力の際、ファーオブジェクトのDiffuse Colorのテクスチャパスがおかしくなっているので、指定し直す必要がある
・Renderman Curveのファーをレンダリングする時、LAMHウィンドウを閉じてしまっているとエラーになってしまうことがある
今回のツールと画像の素材はこちら
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