pwToon その1:アニメ調レンダリングに挑戦
Category : pwToon
これまではリアル志向のレンダリングに役立つプラグイン等を紹介してきましたが、今回はガラッと変えてDAZ Studio(以下DS)のトゥーンシェーダ『pwToon』でアニメ調レンダリングに挑戦したいと思います。
※記事の構成を少し変えました。

■とりあえず使ってみる
今回はトゥーンということで無事ホームページを復活されたakatoraさん作のDecoちゃんをモデルに、すてきなフィギュアを無償で公開してくださっているakatoraさんに感謝しつつ、こんなシーンを作ってみました。
※すでに公開を終了されています。

ライトはDistantLight1灯のみです。
Poserで読み込むとすでにプレビューの状態でトゥーンになっているのですが、DSではこんな感じです。というわけでさっそく『pwToon』を適用しましょう。
何度か紹介していますが、『pwToon』はシェーダなので、サーフェイスに適用する必要があります。
Sceneタブでフィギュアを選択 > Surfacesタブでサーフェイスを選択 > Contentタブのシェーダアイコンをダブルクリック
という工程をたどらなければなりません。『pwToon』は Studio > Shaders にインストールされます。さらにその下に「pwToon Resources」というフォルダがありますが、そこにはいろいろなプリセットが用意されていますので、イラスト調やマンガ調などにすぐに試すことが出来ます。

今回は1からシェーダの設定をしていきます。適用直後はこんな感じです(右脇にしわができてしまったのでちょっと腕の角度を変えました)。

レンダリング時間は若干増えますが、前準備に時間がかかっているようで、レンダリングが始まると早いです。
■パラメータの調整
今回はテレビアニメを参考にしようと思い立ちましたので、ラインはくっきり、影は1段階、全体的に明るくを目指します。
そのようにSurfacesタブのパラメータを調整していきます。以下、特に部位が書いてないものはすべてのサーフェイスに適用しています。全選択でざっくりと!
※Surafacesタブのスクリーンショット上の数値は文章に沿っていない場合がありますので、あらかじめご了承下さい。
まずはリムシェーディングを消します。これはオブジェクトのリム(フチ)付近を明るくしたり暗くしたりできるパラメータです。
Rim Shadingの両方のRim Multiplierカラーを黒(0,0,0)にします。

シェーディングによる影の面積を少なくしてエッジをくっきりさせます。
Diffuse ShadingのDiffuse Upper BoundとDiffuse Lower Boundを少し下げて同じ値にします。これを同じ値にすることで、色の境界がはっきりします。肌に関しては40%にまで下げてしまいます。(逆に数値を違うものにすることでグラデーションを作り出すことが出来ます。)

次は輪郭線を調整します。
OutlineのOutline Widthを変えることで太さが変わります。
Interior LineのInterior Line Spacingはモデルの重なっている部分に輪郭線を引く しきい値のようで、値が小さいほど輪郭線が出やすくなります。場所によってはDraw Interior LineをOffにして消してしまってもいいでしょう。爪はオフに、水着ははっきり輪郭線を出すために値を小さくしました。髪の毛はここでは値を小さくしましたが、最終的にはオフにしてしまいました。

また、目と歯の色が暗く出てしまったので、
Diffuse Colorを白(255,255,255)にして明るくしました。

ここまでで、トゥーンレンダリングといえるものになったと思います。
ここからは、細部の色調整をして見栄えを良くしていきます。
まず肌の影の色を調整します。
デフォルトの色だと濃すぎるので、明るく、その上赤みを加えてさらに明るく見えるようにします。(昔どこかのウェブサイトで見たのですが、アニメでは肌を明るく見せるために肌の色と同じ輝度で位相を赤く変えただけの影色を使うこともあるそうです。あくまで一例ですし、背景や時刻、天気などによって使う色は変わってくると思いますが。)
Diffuse ShadingのShading Colorを明るい色にします。今回は肌は(238,200,185)にしました。ちょっと赤すぎるかもしれません。その他の部位も同じように影の色を調整してやります。
※レンダリングされる影の色は、Diffuseの色にDiffse Shadingの色を乗算で重ねた色になります。
輪郭線の色も黒(0,0,0)ではきつすぎるので少し明るくしてやります。
OutlineのOutline Colorをグレーに、Interior LineのInterior Line Colorも同じ色にしました。
まゆがちょっと太くなっていたので、Draw Interior LineをOffにし、くちびるの下のラインが気になったのでSpacingを大きくしました。

色の調整をしたのがこちらの画像です。明るい雰囲気になったでしょうか?
■さらに味付けする
最後に、爪とくちびるにだけスペキュラを入れることにしました。
SpecularのGlossinessとSpecular Sharpnessを95%に、Specular Colorを白(255,255,255)にしてくっきり鋭いハイライトを入れます。このフィギュアは目にハイライトが書き込んであるので必要ないですが、無い場合は目にもスペキュラを設定してやるとよいでしょう。
さらにライトの影を落としてレンダリングしてみました。

結構すごいことだと思うんですが、『pwToon』ではライトの落とす影がシェーディングによる影ときれいに混ざり合います(Raytrace影で検証しました)。
最後までどうするか迷っていた鼻の下の影をDiffuse Colorを肌と同じ色にすることで消してしまいました。
トゥーンレンダリングには、輪郭線の滑らかさも重要です。今回この点を良くするために、オブジェクトをSubdivision処理することでポリゴン数を増やすことにしました。
メニューから Edit > Convert to SubD でフィギュアごとに1段階Subdivision処理を施してやります。フィギュアのルートを選択したときにParametersタブの一番下にSubdivisionメニューが加わりますので、分割数をプレビューとレンダリング別々に設定することが出来ます。
レンダリングしてみると、ポリゴン数がダイレクトにレンダリング時間に影響する感じを受けました。

今回のツールはこちら
※記事の構成を少し変えました。

■とりあえず使ってみる
今回はトゥーンということで無事ホームページを復活されたakatoraさん作のDecoちゃんをモデルに、すてきなフィギュアを無償で公開してくださっているakatoraさんに感謝しつつ、こんなシーンを作ってみました。
※すでに公開を終了されています。

ライトはDistantLight1灯のみです。
Poserで読み込むとすでにプレビューの状態でトゥーンになっているのですが、DSではこんな感じです。というわけでさっそく『pwToon』を適用しましょう。
何度か紹介していますが、『pwToon』はシェーダなので、サーフェイスに適用する必要があります。
Sceneタブでフィギュアを選択 > Surfacesタブでサーフェイスを選択 > Contentタブのシェーダアイコンをダブルクリック
という工程をたどらなければなりません。『pwToon』は Studio > Shaders にインストールされます。さらにその下に「pwToon Resources」というフォルダがありますが、そこにはいろいろなプリセットが用意されていますので、イラスト調やマンガ調などにすぐに試すことが出来ます。

今回は1からシェーダの設定をしていきます。適用直後はこんな感じです(右脇にしわができてしまったのでちょっと腕の角度を変えました)。

レンダリング時間は若干増えますが、前準備に時間がかかっているようで、レンダリングが始まると早いです。
■パラメータの調整
今回はテレビアニメを参考にしようと思い立ちましたので、ラインはくっきり、影は1段階、全体的に明るくを目指します。
そのようにSurfacesタブのパラメータを調整していきます。以下、特に部位が書いてないものはすべてのサーフェイスに適用しています。全選択でざっくりと!
※Surafacesタブのスクリーンショット上の数値は文章に沿っていない場合がありますので、あらかじめご了承下さい。
まずはリムシェーディングを消します。これはオブジェクトのリム(フチ)付近を明るくしたり暗くしたりできるパラメータです。
Rim Shadingの両方のRim Multiplierカラーを黒(0,0,0)にします。

シェーディングによる影の面積を少なくしてエッジをくっきりさせます。
Diffuse ShadingのDiffuse Upper BoundとDiffuse Lower Boundを少し下げて同じ値にします。これを同じ値にすることで、色の境界がはっきりします。肌に関しては40%にまで下げてしまいます。(逆に数値を違うものにすることでグラデーションを作り出すことが出来ます。)

次は輪郭線を調整します。
OutlineのOutline Widthを変えることで太さが変わります。
Interior LineのInterior Line Spacingはモデルの重なっている部分に輪郭線を引く しきい値のようで、値が小さいほど輪郭線が出やすくなります。場所によってはDraw Interior LineをOffにして消してしまってもいいでしょう。爪はオフに、水着ははっきり輪郭線を出すために値を小さくしました。髪の毛はここでは値を小さくしましたが、最終的にはオフにしてしまいました。

また、目と歯の色が暗く出てしまったので、
Diffuse Colorを白(255,255,255)にして明るくしました。

ここまでで、トゥーンレンダリングといえるものになったと思います。
ここからは、細部の色調整をして見栄えを良くしていきます。
まず肌の影の色を調整します。
デフォルトの色だと濃すぎるので、明るく、その上赤みを加えてさらに明るく見えるようにします。(昔どこかのウェブサイトで見たのですが、アニメでは肌を明るく見せるために肌の色と同じ輝度で位相を赤く変えただけの影色を使うこともあるそうです。あくまで一例ですし、背景や時刻、天気などによって使う色は変わってくると思いますが。)
Diffuse ShadingのShading Colorを明るい色にします。今回は肌は(238,200,185)にしました。ちょっと赤すぎるかもしれません。その他の部位も同じように影の色を調整してやります。
※レンダリングされる影の色は、Diffuseの色にDiffse Shadingの色を乗算で重ねた色になります。
輪郭線の色も黒(0,0,0)ではきつすぎるので少し明るくしてやります。
OutlineのOutline Colorをグレーに、Interior LineのInterior Line Colorも同じ色にしました。
まゆがちょっと太くなっていたので、Draw Interior LineをOffにし、くちびるの下のラインが気になったのでSpacingを大きくしました。

色の調整をしたのがこちらの画像です。明るい雰囲気になったでしょうか?
■さらに味付けする
最後に、爪とくちびるにだけスペキュラを入れることにしました。
SpecularのGlossinessとSpecular Sharpnessを95%に、Specular Colorを白(255,255,255)にしてくっきり鋭いハイライトを入れます。このフィギュアは目にハイライトが書き込んであるので必要ないですが、無い場合は目にもスペキュラを設定してやるとよいでしょう。
さらにライトの影を落としてレンダリングしてみました。

結構すごいことだと思うんですが、『pwToon』ではライトの落とす影がシェーディングによる影ときれいに混ざり合います(Raytrace影で検証しました)。
最後までどうするか迷っていた鼻の下の影をDiffuse Colorを肌と同じ色にすることで消してしまいました。
トゥーンレンダリングには、輪郭線の滑らかさも重要です。今回この点を良くするために、オブジェクトをSubdivision処理することでポリゴン数を増やすことにしました。
メニューから Edit > Convert to SubD でフィギュアごとに1段階Subdivision処理を施してやります。フィギュアのルートを選択したときにParametersタブの一番下にSubdivisionメニューが加わりますので、分割数をプレビューとレンダリング別々に設定することが出来ます。
レンダリングしてみると、ポリゴン数がダイレクトにレンダリング時間に影響する感じを受けました。

Character: | Deco Ver3b |
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Hair: | DecoHair |
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