Content Creator Toolkit その11:小道具とのERC Freeze
Category : Content Creator Toolkit
DAZ Studio 4.6.2.118がリリースされた際のChange Log(バージョンアップ内容)に、Property Hierarchyタブ(旧Property Editorタブ)の機能「ERC Freeze」についての項目がいくつかありました。
特に目を引く項目がこれです。
「ERC Freezeの対象に小道具(prop)を加えた」ということ、つまり、ERC Freezeを使ってコントロール・プロパティを小道具にも作成できるようになったということです。
ERC Freezeは、他のプロパティに連動させるコントロール・プロパティを作成する(ERCリンクを作る)機能です。
そのバージョンアップに伴って、ペアレントさえしておけば、フィギュアのプロパティで小道具を操ったり、小道具のプロパティでフィギュアを操ったりすることがERC Freezeで簡単に設定できるようになっています。
今回はその使用例として、小道具でフィギュアの目の向きを操作する設定をしてみたいと思います。

Property HierarchyタブはContent Creater Toolkit(CCT)に含まれるタブですが、CCTはPro版には最初から含まれているプラグインなので、DAZ Studio 4.6Proユーザーは誰でもそのタブを使うことができます。
■小道具のプロパティでフィギュアを操る
ではERC Freezeを使って小道具のプロパティでフィギュアを操るようにする手順を見ていきましょう。
今回は新たなコントロール・プロパティを作成するのではなく、既存のプロパティ(Translate)でフィギュアのプロパティを制御します。
cubeを上下左右(XY平面)に動かすとフィギュアの目がその方向を向き、奥(Z-方向)へ動かすとまぶたを閉じる、という動きを目指します。
(1)シーンにフィギュア(今回はGenesis 2 Female)を読み込み、小道具(今回は一辺0.1mのcube)を作成します。

(2)小道具をフィギュアの子としてペアレントします。そのためにSceneタブで「cube」をドラッグして、「Genesis 2 Female」にドロップします。

これで「Genesis 2 Female」の子として「cube」がペアレントされました。
(3)フィギュアにRestore Figure Poseをかけ、全てのパラメータを初期値にします。
(4)コントロール側のパラメータを動かします。
「cube」の「Y Translate」を10にしました。


(5)コントロールされる側のパラメータを(4)に対応する分だけ動かします。
「Genesis 2 Female」のPose Controls > Head > Eyesグループの「Eyes Up-Down」を1にしました。


(6)Property Hierarchyタブを開き、タブ内の適当な場所で右クリック、出現するメニューから「ERC Freeze」を実行します。

(7)ERC Freezeのウィンドウが出現しますので、コントロール・プロパティの設定をします。

Control Property Selection欄(コントロール・プロパティの指定)
Node:「cube」(Genesis 2 Femaleの直下)
Property:「YTranslate (Y Translate)」
Freeze Properties欄(コントロールされるプロパティの指定)
Property:「CTRLEyesUpDown (Eyes Up-Down)」のみにチェック
以上の設定をした上で、Additional Options欄のApply Control Propertyのチェックだけを外し、Acceptします。
(8)小道具のプロパティの範囲を制限して、操作しやすくします。
「cube」を選択し、Parametersタブを開きます。「Y Translate」のプロパティの右上端にある歯車アイコンをクリックして出現するメニューから「Parameter Settings」を選択します。

設定ウィンドウが出現しますので、「Use Limits」にチェックを入れた上で、Min:-10、Max:10にしてAcceptします。

これで、プレビュー上で操作した場合でも、設定した値を超えてパラメータが動かなくなります。
(9)小道具に設定したコントロール・プロパティを操作して、フィギュアが操作できるか確認します。
「cube」のY Translateのスライダを動かすと、フィギュアの目が上下すれば成功です。
(10)(3)に戻り、「X Translate」と「Eyes Side-Side」、「Z Translate」と「Eyes Closed」についても同様にしてERC Freezeを実行します。
(11)最後に「cube」のプロパティDisplay > Visible in Renderを「Off」にしてレンダリングされないようにしておきます。

***
これで、cubeの動きに合わせてGenesis2Fの目が動くようになりました。

このようにERC Freezeを使用する事によって、小道具とフィギュアのプロパティの間にERCリンクが作成されます。目がcubeの方を向いている(Point At)わけではないことに注意して下さい。
上の画像のように操作しやすい位置にcubeを移動したい場合は、Genesis2Fとcubeの間にNullをはさんで、Nullを移動すればOKです。一時的に小道具とフィギュアのペアレントを解除しても、保存するまではERCリンクが有効なので安心してペアレントを組み替えることができます。

このフィギュアにポーズ・プリセットを適用すると、思ったように目の動きを制御できなくなる場合があります。
その場合は「cube」のパラメータを0にした上で「Right Eye」「Left Eye」のRotationを0にリセットすれば大丈夫です。
フィギュアの動きを操作用のプロップで制御するという手法は、パラメータの演算が設定できる3DCGソフトでは当たり前のように使われています。DAZ StudioやPoserではERCという仕組みを使ってこれを実現しているわけですが、今回ERC Freezeで簡単に設定できるようになったということになります。
複数のプロパティでもコントロールできるので、目の動きだけでなく表情や動作でも設定可能です。今回の使用例もコントロール・プロパティを他のプロパティでコントロールするというイレギュラーな例と言えますね。
特に目を引く項目がこれです。
Added support for props to ERC Freeze
「ERC Freezeの対象に小道具(prop)を加えた」ということ、つまり、ERC Freezeを使ってコントロール・プロパティを小道具にも作成できるようになったということです。
ERC Freezeは、他のプロパティに連動させるコントロール・プロパティを作成する(ERCリンクを作る)機能です。
そのバージョンアップに伴って、ペアレントさえしておけば、フィギュアのプロパティで小道具を操ったり、小道具のプロパティでフィギュアを操ったりすることがERC Freezeで簡単に設定できるようになっています。
今回はその使用例として、小道具でフィギュアの目の向きを操作する設定をしてみたいと思います。

Property HierarchyタブはContent Creater Toolkit(CCT)に含まれるタブですが、CCTはPro版には最初から含まれているプラグインなので、DAZ Studio 4.6Proユーザーは誰でもそのタブを使うことができます。
■小道具のプロパティでフィギュアを操る
ではERC Freezeを使って小道具のプロパティでフィギュアを操るようにする手順を見ていきましょう。
今回は新たなコントロール・プロパティを作成するのではなく、既存のプロパティ(Translate)でフィギュアのプロパティを制御します。
cubeを上下左右(XY平面)に動かすとフィギュアの目がその方向を向き、奥(Z-方向)へ動かすとまぶたを閉じる、という動きを目指します。
(1)シーンにフィギュア(今回はGenesis 2 Female)を読み込み、小道具(今回は一辺0.1mのcube)を作成します。

(2)小道具をフィギュアの子としてペアレントします。そのためにSceneタブで「cube」をドラッグして、「Genesis 2 Female」にドロップします。

これで「Genesis 2 Female」の子として「cube」がペアレントされました。
(3)フィギュアにRestore Figure Poseをかけ、全てのパラメータを初期値にします。
(4)コントロール側のパラメータを動かします。
「cube」の「Y Translate」を10にしました。


(5)コントロールされる側のパラメータを(4)に対応する分だけ動かします。
「Genesis 2 Female」のPose Controls > Head > Eyesグループの「Eyes Up-Down」を1にしました。


(6)Property Hierarchyタブを開き、タブ内の適当な場所で右クリック、出現するメニューから「ERC Freeze」を実行します。

(7)ERC Freezeのウィンドウが出現しますので、コントロール・プロパティの設定をします。

Control Property Selection欄(コントロール・プロパティの指定)
Node:「cube」(Genesis 2 Femaleの直下)
Property:「YTranslate (Y Translate)」
Freeze Properties欄(コントロールされるプロパティの指定)
Property:「CTRLEyesUpDown (Eyes Up-Down)」のみにチェック
以上の設定をした上で、Additional Options欄のApply Control Propertyのチェックだけを外し、Acceptします。
(8)小道具のプロパティの範囲を制限して、操作しやすくします。
「cube」を選択し、Parametersタブを開きます。「Y Translate」のプロパティの右上端にある歯車アイコンをクリックして出現するメニューから「Parameter Settings」を選択します。

設定ウィンドウが出現しますので、「Use Limits」にチェックを入れた上で、Min:-10、Max:10にしてAcceptします。

これで、プレビュー上で操作した場合でも、設定した値を超えてパラメータが動かなくなります。
(9)小道具に設定したコントロール・プロパティを操作して、フィギュアが操作できるか確認します。
「cube」のY Translateのスライダを動かすと、フィギュアの目が上下すれば成功です。
(10)(3)に戻り、「X Translate」と「Eyes Side-Side」、「Z Translate」と「Eyes Closed」についても同様にしてERC Freezeを実行します。
(11)最後に「cube」のプロパティDisplay > Visible in Renderを「Off」にしてレンダリングされないようにしておきます。

***
これで、cubeの動きに合わせてGenesis2Fの目が動くようになりました。

このようにERC Freezeを使用する事によって、小道具とフィギュアのプロパティの間にERCリンクが作成されます。目がcubeの方を向いている(Point At)わけではないことに注意して下さい。
上の画像のように操作しやすい位置にcubeを移動したい場合は、Genesis2Fとcubeの間にNullをはさんで、Nullを移動すればOKです。一時的に小道具とフィギュアのペアレントを解除しても、保存するまではERCリンクが有効なので安心してペアレントを組み替えることができます。

このフィギュアにポーズ・プリセットを適用すると、思ったように目の動きを制御できなくなる場合があります。
その場合は「cube」のパラメータを0にした上で「Right Eye」「Left Eye」のRotationを0にリセットすれば大丈夫です。
フィギュアの動きを操作用のプロップで制御するという手法は、パラメータの演算が設定できる3DCGソフトでは当たり前のように使われています。DAZ StudioやPoserではERCという仕組みを使ってこれを実現しているわけですが、今回ERC Freezeで簡単に設定できるようになったということになります。
複数のプロパティでもコントロールできるので、目の動きだけでなく表情や動作でも設定可能です。今回の使用例もコントロール・プロパティを他のプロパティでコントロールするというイレギュラーな例と言えますね。