NVIDIA Irayレンダラー その2:サンスカイライト
Category : Iray Renderer
DAZ Studio 4.8以降で使えるNVIDIA Irayレンダラーのライトについてのご紹介2回目は、サンスカイライト(Sun-Sky Lights)についてです。
サンスカイライトとひとくくりに言いますが、その実体は太陽光の役割をするサンライトと、それが大気で拡散した光を模したスカイライトのセットで、うまく使えば野外のライティングはこれでOKな便利なライトです。
今回はサンスカイライトの使い方と、そのプロパティを含めた調整方法についてご紹介していきます。
※今回の内容はベータ版時点でのものですので、正式リリース時の仕様とは異なっている場合があります。
※このライトについての公式ドキュメントはコチラで読むことができます。

■サンスカイライトの使用
サンスカイライトは前回ご紹介したようなライトと違い、シーンに配置するものではありません。
サンスカイライトをオンにするためには、Render SettingsタブのEditorページ(Engine:NVIDIA Iray時)でEnvironment Modeプロパティ(Environmentグループ)を「Dome and Scene」または「Sun-Sky Only」にします。

「Dome and Scene」モードの場合シーンに配置したライトも有効になり、「Sun-Sky Only」モードの場合はシーンのライトは無効になります。
シーンに何のライトも配置していない場合でも、カメラのヘッドランプ(フラッシュ機能)は点灯しますので、純粋にサンスカイライトのみでレンダリングしたい場合は「Sun-Sky Only」モードにして下さい。
「Dome and Scene」モードでは、次のようなことを考慮しなければいけません。
現実の太陽光とデスクライトでは明るさが全く違うように、Irayレンダラーではサンスカイライトとスポットライトを初期設定のままレンダリングしてもスポットライトの光はほとんど目立ちません。
それぞれのライトの強度を調整して無理やりミックスするのもありですし、その差をうまく使った絵作りを考えるのもありです。
強度の調整については多彩な調整用プロパティが用意されていますので、スカイライトとスポットライトを組み合わせたりするのも難しくありません。
■太陽の位置の変更
サンスカイライトの調節はRender SettingsタブのEnvironment>Dome>Sun-Skyグループ以下で行うことになります。

プロパティはたくさんありますが、まずはコレから。
●サンライトの向き
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Direction
太陽の位置を変えるには、2つの方法があります。
一つは、シーンの地球上における緯度や経度を決め、特定の日付時間を指定する方法です。
※これらのプロパティは「SS Sun Node」を指定している状態では表示されません。
もう一つは、シーン上にあるオブジェクトを基準にする方法です。
この場合サンプルシーンのようにヌルなどの適当なオブジェクトを作成するのも良いですが、専用のオブジェクトが用意されていますので、それを使いましょう。
そのためにはRender SettingsタブのPresetsページを開き、Render-Settings>Irayカテゴリにある「Sun Dial Set」をダブルクリックします。

Sun Dialというオブジェクトがシーンに読み込まれますので、そのSun Chainノードの「Elevation(高度)」と「Azimuth(方位)」プロパティをParametersタブまたはPosiongタブで調節することで太陽の位置が決まります。

もちろんユニバーサルツール等で回転するのでも構いません。
太陽の位置を変更することで、次の2枚のレンダリング画像のようにサンスカイライトの明るさや色が変化します(以下でご紹介するプロパティでの調節もしています)。


■主要なプロパティ
続いてよく使うプロパティをいくつかご紹介します。
●空を描画する
プロパティグループ:Environment>Dome
シーンの背景に空と地平線を描画させるには、このプロパティをオンにします。
オフの状態でもシーンのオブジェクトへの反射等の影響は変わりません。
●サンライトの強度
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Sun
サンライトの強度です。0にするとスカイライトのみが有効になります。
●サンスカイライトの強度
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Intensity
スカイライトの強度プロパティはないようですが、サンスカイ全般の強度を調整できるプロパティがこれです。素のままだと他のライトと比べて明るすぎるためでしょうか、初期値が0.1になっています。
●地面の色
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Ground
Draw DomeプロパティをOnにした時の地面の基準色を変更するプロパティです。
●シャドウキャッチャーを有効にする
プロパティグループ:Environment>Ground
どちらかと言うとIBLで使うことが多いでしょうが、サンスカイライトに対しても働きます。
■その他のプロパティ
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Sun
レンダリングのアングルに太陽が入る場合に、その大きさなどを調節するためのプロパティです。
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Sky
スカイライトの色に大きく影響するプロパティなどです。
サンスカイライトとひとくくりに言いますが、その実体は太陽光の役割をするサンライトと、それが大気で拡散した光を模したスカイライトのセットで、うまく使えば野外のライティングはこれでOKな便利なライトです。
今回はサンスカイライトの使い方と、そのプロパティを含めた調整方法についてご紹介していきます。
※今回の内容はベータ版時点でのものですので、正式リリース時の仕様とは異なっている場合があります。
※このライトについての公式ドキュメントはコチラで読むことができます。

■サンスカイライトの使用
サンスカイライトは前回ご紹介したようなライトと違い、シーンに配置するものではありません。
サンスカイライトをオンにするためには、Render SettingsタブのEditorページ(Engine:NVIDIA Iray時)でEnvironment Modeプロパティ(Environmentグループ)を「Dome and Scene」または「Sun-Sky Only」にします。

「Dome and Scene」モードの場合シーンに配置したライトも有効になり、「Sun-Sky Only」モードの場合はシーンのライトは無効になります。
シーンに何のライトも配置していない場合でも、カメラのヘッドランプ(フラッシュ機能)は点灯しますので、純粋にサンスカイライトのみでレンダリングしたい場合は「Sun-Sky Only」モードにして下さい。
「Dome and Scene」モードでは、次のようなことを考慮しなければいけません。
現実の太陽光とデスクライトでは明るさが全く違うように、Irayレンダラーではサンスカイライトとスポットライトを初期設定のままレンダリングしてもスポットライトの光はほとんど目立ちません。
それぞれのライトの強度を調整して無理やりミックスするのもありですし、その差をうまく使った絵作りを考えるのもありです。
強度の調整については多彩な調整用プロパティが用意されていますので、スカイライトとスポットライトを組み合わせたりするのも難しくありません。
■太陽の位置の変更
サンスカイライトの調節はRender SettingsタブのEnvironment>Dome>Sun-Skyグループ以下で行うことになります。

プロパティはたくさんありますが、まずはコレから。
●サンライトの向き
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Direction
太陽の位置を変えるには、2つの方法があります。
一つは、シーンの地球上における緯度や経度を決め、特定の日付時間を指定する方法です。
・SS Latitude/Longitude/Day/Time | 「SS Sun Node」を指定しない場合に太陽の位置を決定するための、緯度/経度/日付/時間です。東京の場合Latitude+35、Longitude+139になります。 |
・SS UTC Offset (hrs) | 「SS Sun Node」を指定しない場合の協定世界時(UTC)からのずれです。日本の場合はUTC+9になります。 |
※これらのプロパティは「SS Sun Node」を指定している状態では表示されません。
もう一つは、シーン上にあるオブジェクトを基準にする方法です。
・SS Sun Node | シーン内のノードを指定すると、原点から見てそのノードの方向を太陽の位置にします。 |
この場合サンプルシーンのようにヌルなどの適当なオブジェクトを作成するのも良いですが、専用のオブジェクトが用意されていますので、それを使いましょう。
そのためにはRender SettingsタブのPresetsページを開き、Render-Settings>Irayカテゴリにある「Sun Dial Set」をダブルクリックします。

Sun Dialというオブジェクトがシーンに読み込まれますので、そのSun Chainノードの「Elevation(高度)」と「Azimuth(方位)」プロパティをParametersタブまたはPosiongタブで調節することで太陽の位置が決まります。

もちろんユニバーサルツール等で回転するのでも構いません。
太陽の位置を変更することで、次の2枚のレンダリング画像のようにサンスカイライトの明るさや色が変化します(以下でご紹介するプロパティでの調節もしています)。


■主要なプロパティ
続いてよく使うプロパティをいくつかご紹介します。
●空を描画する
プロパティグループ:Environment>Dome
・Draw Dome | Onでドームをレンダリングします。 |
シーンの背景に空と地平線を描画させるには、このプロパティをオンにします。
オフの状態でもシーンのオブジェクトへの反射等の影響は変わりません。
●サンライトの強度
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Sun
・SS Sun Disk Intensity | 太陽光の強度です。 |
サンライトの強度です。0にするとスカイライトのみが有効になります。
●サンスカイライトの強度
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Intensity
・SS Multiplier | 最終的にサンスカイライトの明るさに掛け合わされる値です。 |
スカイライトの強度プロパティはないようですが、サンスカイ全般の強度を調整できるプロパティがこれです。素のままだと他のライトと比べて明るすぎるためでしょうか、初期値が0.1になっています。
●地面の色
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Ground
・SS Ground Color | 地平線より下の色を決定する色です。 |
Draw DomeプロパティをOnにした時の地面の基準色を変更するプロパティです。
●シャドウキャッチャーを有効にする
プロパティグループ:Environment>Ground
・Draw Ground | Onでシャドウキャッチャー機能が働きます。シャドウキャッチャーとはそこに地面があるものとして、オブジェクトが地面に落とす影をその地面がなくても描画する機能です。 |
・Ground Shadow Intensity | シャドウキャッチャーでできる影の濃さです。1より下の値だと影は薄くなり、1を上回ると影は不自然に濃くなります。 |
どちらかと言うとIBLで使うことが多いでしょうが、サンスカイライトに対しても働きます。
■その他のプロパティ
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Sun
レンダリングのアングルに太陽が入る場合に、その大きさなどを調節するためのプロパティです。
・SS Sun Disk Scale | シーンに写り込んだ時の太陽の大きさです。1が物理的に正しい大きさですが、デフォルトは人の視覚的に気持ち良い大きさになる4になっています。 |
・SS Sun Glow Intensity | シーンに写り込んだ時の太陽のまわりの輝きの強度です。 |
・SS Physically Scaled Sun | Onのとき、「SS Sun Disk Scale」と「SS Sun Glow Intensity」のパラメータに関係なく、太陽光の強度とオブジェクトのスペキュラへの影響が「物理的に正しい太陽」のものとなるよう自動調節します。 |
プロパティグループ:Environment>Dome>Sun-Sky>Sky
スカイライトの色に大きく影響するプロパティなどです。
・SS Haze | 大気のもやの量です。0で完全にクリアな昼の空、15で極端な曇り空あるいはサハラ砂漠の砂嵐の空に相当します。このパラメータは空と地平線、太陽光とその影のソフトさ、太陽のまわりの輝きのソフトさの強度と色、空気遠近法の強さに影響します。 |
・SS Blue-Red Tint | 太陽光の赤みをコントロールします。0で物理的に正しい色になり、-1で極端に青く、1で極端に赤くなります。 |
・SS Saturation | 太陽光の彩度です。1で物理的に計算された彩度レベルになり、0だと白黒、2だと極端に彩度が増幅されます。 |
・SS Horizon Height | 地平線の高さを調節します。0で標準的な高さに、-10で真下に、10で天頂になりますので、-0.2などのごく小さな調節で十分です。また、このパラメータは高度に対する太陽光の色にも影響します。 |
・SS Horizon Blur | 地平線のぼかし効果を調節します。0だと完全にシャープな地平線になります。通常0.5以下の小さな値が使われます。 |
・SS Night Color | 最も暗い時の空の色です。 |