Reality4 その3:最高20倍速になったCPUレンダリング

Category : Reality
「従来よりレンダリングが最高20倍速くなった」とプラグイン作者のメール等で告知のあった、DAZ Studio用LuxRenderレンダリングエディタ『Reality4』が4.1.1にバージョンアップしました。
バージョン4.1の登場からはちょっと間が空いてしまいましたが、実はテストレンダリングをしてみてOpenCLでのレンダリング結果が思わしくなかったので、こちらでのご紹介を控えていたのです。その不具合(スキンマテリアルタイプに出るゴミ)も4.1.1で修正されましたので、改めて今回の記事を書かせていただきました。

まず、レンダリングが20倍速くなったと言われる理由は、LuxRender自体のバージョンアップにあります。バージョン1.4(現在は1.5)からLuxCoreというレンダリングエンジンが追加され、そのLuxCoreを使えばCPUレンダリングが速く、OpenCL(GPU)レンダリングではさらに速くなるとのことです。

LuxRenderで致命的だったのはやはりレンダリング速度の遅さでした。それが今回速くなったと言うのですから、期待せざるをえませんね。
今回はそのLuxCoreの実力を見ていきましょう。

※Scene Configurationの比較の項目で速いTypeが逆になっていたのを訂正しました。(2015.11.03)

Reality4d SS



■Reality4.1のインストールと優位点

インストールに関してバージョン4.1からはLuxRender自体をインストーラに含めるようになったため、別途LuxRenderのインストールは必要ありません。プラグインでサポートするバージョンがあらかじめ添付されたので、バージョン違いから発生する不具合はなくなるでしょう。

そしてDAZ StudioにIrayレンダリングエンジンが搭載されたことを受けて、Reality4の製品ページでは次のような優位性が紹介されています。

 ・物理ベースの多くの種類のマテリアルが用意されており、その適用はクリックするだけで、特殊なシェーダー設定は必要ない。
 ・複雑なノードシステムによることのないわかりやすいマテリアル設定。
 ・3Delight、Iray用のシェーダーを自動変換。
 ・最高20倍速くなったCPUレンダリング、そして新しいGPUレンダリングは猛烈に速い。
 ・レンダリング中にDAZ Studioへ戻ってシーンの編集や新しいシーンの作成を始めることができる。
 ・レンダリング中にその進行を止めることなく、ライトの強さや色を変更することができる。
 ・AMDあるいはnVIdiaのOpenCLに対応しているGPUがあれば、GPUを使ったレンダリングができる。

やはり最大のアピールポイントはレンダリングの高速化なわけですが、レンダリング中に個々のライトの調整ができたり、AMDのGPUを載せたグラフィックカードでもOKというのもポイント高いですね。


■レンダリングエンジンの設定

Reality4.1からはRenderタブの「Acceleration」が「Scene Configuration」に統合され、ここでレンダリングエンジンに関する設定を行うことができます。

Reality4d パネル シーンコンフィグ
・CPU-AcceleratedLuxCoreエンジンでCPUレンダリングをします。最高20倍速くなったと言われる例のモードです。
・OpenCL renderingLuxCoreエンジンでGPUレンダリングをします。
・CPU-No acceleration従来のエンジンでCPUレンダリングをします。

「Acceleration」を切り替えると「Scene Configuration」のType、Samplerも次の表のように一緒に切り替わります。
AccelerationTypeSampler
・CPU-AcceleratedMono-directionalMetropolis
・OpenCL rendering-Sobol
・CPU-No accelerationBidirectionalMetropolis

ただし、OpenCLモード切り替え時のTypeだけは変更されないままなので注意して下さい。また、これらの設定はあくまでデフォルト値ですので変更可能ですが、OpenCLモードでSampler:Metropolisにするとレンダリングが開始されませんでした。

「Scene Configuration」のType(Surface Integrator)とSamplerの種類ですが、今までのバージョンで追加されたり消えたりと複雑な変遷をたどっている点、レンダリング結果として実感する効果の差がわかりにくい点を考え、ここでは説明しません。詳しくはLux Render wikiの該当項目(ココココ)をご覧下さい。
それぞれMono-directional(path)とSobolが新しいもののようです。

また、「Extra Boost」の効果ですが、速さにブーストがかかるのかと思いきや、逆にびっくりするほど遅くなります。そのため現状は使用をオススメしません(このオプションは「New optionally biased path tracing」に関するもののようです)。

最後に注意点なのですが、OpenCLモードに切り替えると「Texture collection」(使用するテクスチャのリサイズとシーンデータフォルダへのコピー)がオンになります。
他のモードに戻す時は、忘れずにオフにして下さい。

Reality4d パネル テクスチャ


■Accelerationの比較

ではCPU-Acceleratedモード、そしてOpenCLモードつまり、LuxCoreの実力を見ていきましょう。

今回は2つのシーンでそれぞれのモードでのレンダリング時間を計ってみました。
それぞれ1000S/pまでレンダリングしました。そしてトーンマッピングをKernel:Linearにして、同じ露出になるように設定しています。
PCのCPUはIntel Corei5-2500K、GPUはNvidia Geforce GTX960(4GB)です。

 <シーン1>
Reality4d プレビュー ハイヒール
以前の記事でも使用した女性の足と靴が主題の室内シーンです。
ライトはメッシュライト2灯で、スキンマテリアルタイプや3Dテクスチャを使用しています。
ちなみに、Reality4で作成し保存したデータをReality4.1で読み込んだのですが、ライトを正常に認識してくれず、置きなおす必要がありました。また、カメラもシーンにはないスポットライトやUberEnvironment2がリストにあったりして、RealityのCamerasタブでレンダリングに使用するカメラを選択する必要もありました。

Reality4d レンダリングAサムネイル CPUReality4d レンダリングAサムネイル CPU加速Reality4d レンダリングAサムネイル GPU
※画像をクリックすると画像全体が別ウィンドウで開きます。
Acceleration   CPU-No accelerationCPU-AcceleratedOpenCL rendering(GTX960)
レンダリング時間7時間47分19秒48分54秒15分17秒

「CPU-No acceleration」のどれだけ時間かかるんだという遅さが目に付きますが、それが「CPU-Accelerated」では1時間以内に納まりました。約9.5倍という速さです。
そしてさらに「OpenCL rendering(GTX960)」が驚きの速さで、「CPU-No acceleration」に比べると約30倍になりました。
※ただし、過去記事での同じシーンのCPUレンダリング(Reality4.0.5&LuxRender1.3.1)は5時間22分で終了しています。

 <シーン2>
Reality4d プレビュー アジア寺院
今度は屋外の建物のシーンです。
ライトはサンスカイライト、マテリアルは少しだけ見えている池をWaterマテリアルタイプに変更しただけで、他は自動変換のままです。ほとんどGlossyマテリアルタイプなのですが、前みたいにテカテカになったりしてませんね。

Reality4d レンダリングBサムネイル CPUReality4d レンダリングBサムネイル CPU加速Reality4d レンダリングBサムネイル GPU
※画像をクリックすると画像全体が別ウィンドウで開きます。
Acceleration   CPU-No accelerationCPU-AcceleratedOpenCL rendering(GTX960)
レンダリング時間2時間22分56秒37分30秒11分55秒

「CPU-No acceleration」に比べて、「CPU-Accelerated」は3.8倍、「OpenCL rendering(GTX960)」は12倍という速さになりました。<シーン1>ほどではないにしろ、確実にレンダリングは速くなりました。

ところで、どちらのシーンも、従来のレンダリング(CPU-No acceleration)とLuxCoreエンジンでのレンダリング(CPU-AcceleratedとOpenCL rendering)でレンダリング画像に色味やテクスチャに差が出ました。
わかりやすいところでは、<シーン1>では壁の大理石のパターン(3Dテクスチャ)や金属の反射そして肌の色合いに、<シーン2>ではスカイライトの明るさや植物(抜きテクスチャを設定したサーフェイス?)の陰影に、それぞれ差異が見られます。
特に植物の陰影は3種類全部違っていて、どれが正しいのかわからない状態です。
どうやらLuxRenderはバージョン2.0へ向けて従来のエンジンの機能をLuxCoreエンジンに載せ換える作業中のようでして、バージョンアップ履歴にはサポートやフィックスの項目がたくさんリストアップされています。
そのため、バージョンアップが進めばこのような差異もなくなる、あるいは良い方向へ進化するのではないかと思われます。

<シーン2>のスカイライトのレンダリング結果がちょっと気になったので、それだけをレンダリングしてみました。「Render as statue」にチェックを入れてカラーテクスチャをはがし、さらにLuxRenderのウィンドウでスカイライト(sky)のみをオンにしました。露出設定は同じです。

Reality4d レンダリングCサムネイル CPUReality4d レンダリングCサムネイル GPU
※画像をクリックすると画像全体が別ウィンドウで開きます。

色味は同じくらいの青系なのですが、明るさ・コントラストが結構違います。黄~赤系の色味のサンライトと混ぜ合わされる割合が変わったため、結果的に違う色に見えたと考えられます。どちらにしろオブジェクトの立体感はしっかりと出ているのでスカイライトとしては問題ないでしょう。LuxRenderのウィンドウでスカイライトの強度を1.25倍ぐらいにすればだいたい同じになります。
ちなみにOpenCLの方で一部の床が真っ黒なのは「Render as statue」でレンダリングした時だけでしたが、一応マテリアルの設定でサブディビジョンを1に上げることで解消しました。

他にも植物の抜きテクスチャが気になりますが、今回は深入りしません。


■Scene Configurationの比較

「Acceleration」のモードを変更すると「Scene Configuration」も一部切り替わると書きましたが、「Scene Configuration」の設定でレンダリングはどう変わるのかも気になるところです。

そこで、全てのTypeとSamplerが選択できる「CPU-Accelerated」モードで<シーン2>をレンダリングしてみました。

Reality4d レンダリングDサムネイル Mono&MetroReality4d レンダリングDサムネイル Mono&Sobol
Reality4d レンダリングDサムネイル Bid&MetroReality4d レンダリングDサムネイル Bid&Sobol
※画像(4分割)をクリックすると画像全体が別ウィンドウで開きます。

 ・レンダリング時間
 MetropolisSobol
Mono-directional37分11秒52分29秒
Bidirectional44分19秒53分49秒

レンダリング速度については、TypeはMono-directionalの方が速く(wikiには室内照明ではBidirectionalの方が有利とあります)、SamplerはMetropolisの方が速くなりました。OpenCLレンダリング時はSampler:Sobolでしか正常にレンダリングできませんので、レンダリング速度的にはTypeはMono-directionalを、そしてCPUレンダリングにはSampler:Metropolisを、GPUレンダリングにはSampler:Sobolを選択することになります。

レンダリング品質については今回は深くは見ませんが、Sobolサンプラー時にはっきりノイズが減っているのがわかります。

                    ***

以上のように、これまで一晩かかることも珍しくなかったレンダリングが、数十分~数時間で終わるようになりました。さらにGPUレンダリングも実用的になり、正直私も見直したほどの速度アップが見込めます。
現状のLuxCoreの実力を見れば、LuxRender2.0への期待も高まりますね。



今回の素材はこちら

Reality 4.1 - DAZ Studio Edition

Streets Of Asia 3: Courtyard

Buddha Statues

Stephanie 6

Victoria 6

Cross Strap Heels

Star Of Mikaella



テーマ : 3DCG
ジャンル : コンピュータ

Comment

No title

CPのレンダリングが20倍というメールがずいぶん前に来て、嘘だろう!と思い無視していましたが、やっぱりGPU込みの話だったんですね。
LuxRenderでGPUが絡むと、どうやってもテクスチャの質感がCPUのみのときのようにきれいにならない、あるいは致命的におかしい!という過去の悪夢が頭をよぎります(^^;
宣伝文句見てもGPU使用時の質感改善に関しては何のコメントもなかったので、ダウンロードすらしていませんでしたが、一度試してみます。記事ありがとうございました。

No title

GPUレンダラー勝負で、reality4.1とirayのレンダリング比較も気になる所です。
realityの方は購入したばかりで殆ど弄ってませんが、同一シーンですと圧倒的にirayの方が早くて綺麗なんです。
realityに最適化したらもっとirayに追いつけるのだろうか・・・。

No title

新しいLuxRender、ちょっと気になってました。
詳細な情報、どうもありがとうございます。
まだCPUとOpenCLのレンダリング結果には差があるんですねぇ。
だんだん改善されてきているみたいなので、LuxRender2.0に期待です♪

みなさんコメントありがとうございます。
前回の記事からしばらく間が空いてしまったのに、早速レスポンスいただけてとても嬉しいです^^。

>Cyawcatさん
その気持ちわかります。私もSLG以来すっかり試そうという気分になりませんでした。
ただ、今回のLuxCoreエンジンについては根本からOpenCL対応を考慮に入れるのは当然だったでしょうし、期待しても良いのではないでしょうか。
20倍速については、CPUレンダリングでもそうなるシーンもあるという最高値でしょうね。

>Makuraeさん
今回は従来のエンジンとLuxCoreエンジンとの差の方が目立ちました。以後のバージョンではLuxCoreエンジンが主流になりどんどん機能充実していくでしょうから、改善も早いのではないかと思います。

今はIrayがありますから、どうしてもそれと比較してしまいますよね。
Sobolサンプラーのノイズの少なさが良かったので、GPUレンダリング対決をするのも面白いかもしれません。

No title

こんにちは。
記事とは全く関係ない質問で申し訳ないのですが、他に頼れるところもなく・・・・

以前DAZ Studio 4.6を使用していたのですが、PCが故障してしまい、また新たなPCでフリー配布のものをダウンロード(アカウントは同じです)する頃には4.8になっていました。
フィギュアをビューポートに出したところまでは良かったのですが、フィギュアを選択してポーズをつけるということが出来ません。たとえば腕にカーソルを当てればそこがオレンジ色に変化して、クリックすると腕を動かせる、というようなことが出来たと思うのですが、なんの変化もありません。
右側のShapingタブのバーを動かして体型を変化させることなどは出来ます。
何度かインストールし直してみたのですが、やはりフィギュアを選択できません。
念のためインストールマネージャーもインストールし直しましたが同じでした。

あまりパソコン自体にも詳しくないため、私にはお手上げです。
どうかお力を貸していただけないでしょうか。

こんにちは。
フィギュアのポーズをつけるにはいくつかの方法がありますが、まずはそのフィギュアが可動かどうかということを確認して下さい。まさかそんなと思われるかもしれませんが、あり得ることです。
ビューポート上でフィギュアのポーズをつけるには、ユニバーサルツールを使って下さい。
その他のツールの場合は、フィギュアの動かしたいノードを選択した上で、PosingタブまたはParametersタブで回転させます。Sceneタブでノードを選択するということも確認のために使えます。

No title

 Kotozone様、ご丁寧な回答ありがとうございます。
コメントを拝見してから、DAZ Studioを再びインストールし、ご指摘頂いた事項を確認しようとしたのですが、何故だか何の問題もなく動作していました。
無事に思うように動かせることが出来て、安心しています。
私の早とちりにお時間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした。
これからもブログの更新頑張ってください。
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