Irayレンダリングに対応したライトセット選び

Category : その他ライト
 3DCGのレンダリングにおいては、ライティングがとても重要です。さらにIrayなどの物理ベースレンダラーではなおさらその重要性が増します。しかし、ライティング次第でそのシーンはまったく違った見え方になるにもかかわらず、理想的なライティングをすることは困難です。

 そんな時に助かるのが、DAZストアなどで販売されている、多種多様なシーンに合わせて調整済みのライティングの設定(ライトセット)です。とはいえ、ライトセットといってもスポットライト3灯といった基本的なものからHDRイメージを使った背景込みのもの、ライティングの要素を一つ一つ組み合わせて構築するものなど、バリエーションに富んでいます。
今回は、DAZストアで販売しているDAZ StudioのIrayレンダラー用のたくさんのライトセットを2カテゴリ5タイプに分けて、その中からそれぞれいくつかピックアップしてご紹介します。

Irayライトセット SS

※ライトセットの分類を見直しました。(2016.11.29)


■ライトセットの分類

 DAZストアなどにそういうカテゴリ分けはないのですが、ライトセット選びの参考にここでは2カテゴリ5タイプにライトセット商品を分けてみました。
各タイプの判別方法や調整方法(代表的なもの)、長所や短所をリストアップしていきますので、購入の参考にしてみて下さい。
以下のレンダリング画像は同じシーンを各ライトセットでライティングしたものです。レンダリング時間はシーンによって違いますので、あくまでこの例のシーンでのものだということをご了承ください。

 DAZ Studioというアプリケーションの性格上、ご紹介するのは人物のポートレートに適したライトセットがほとんどになります。


 ●初期ライティング

 まずはシーンに何もライト要素を置かないで初期設定のままレンダリングしてみます。
lraylightsets_akikogen3_default.jpg
Character:Akiko for Mei Lin 7
Hair:Razor-Cut Bob Hair for Genesis 3 Female(s)
Costume:Trend Setter Outfit for Genesis 3 Female(s)

 レンダリング時間 3分25秒

このシーンは人物と後ろの壁と床だけのシンプルなものです。
何も設置ライトがないと、「DTHDR-RuinsB-500.hdr」というHDRイメージを使った環境ライティング+カメラのヘッドランプ(ストロボ)によりライティングされます。
このHDRイメージは下半分が黄色い土で上半分が青い空という環境マッピングに使われる基本的な画像に似ており、ヘッドランプというカメラ方向からの光を補助するかたちで、極端に暗い部分を作らないベーシックでありながら一段上のレンダリングを見せてくれる環境マップになっています。



■ライトオブジェクト系ライトセット

 シーンに配置するライトオブジェクトを組み合わせたプリセットを数種類~数十種類含んだライトセットです。

この記事ではその性質や調整方法の違いから「ライトオブジェクト系ライトセット」をさらに2タイプにわけました。


 ●基本ライトタイプ

 判別方法:商品ページの「What's Included and Features」の項目が少ない。キーワード「Spot」「Lightsets」

 調整方法:ライトオブジェクトをLightsタブで調節するなど。

 長所:設置ライトの組み合わせなので、それぞれのライトの位置や角度、強さなどを自在に調節できる。ビューポートをスポットライト視点にできるのも調節に役立つ。OpenGLプレビューでライティングが反映される。

 短所:実際のライトの大きさ(Light Geometry)をOpenGLプレビューで把握できない。

 基本ライトであるスポットライト、ポイントライトでライティングするタイプのライトセットです。基本的に屋内のライティングを想定しており、シーン次第、使う人次第のアレンジが簡単なのが特徴です。
実をいうとIray用に限って言えば、これのみのライトセットはあまりありません。3Delightレンダリング用としてはたくさんありますが、ディスタントライトを使ったものが多く、明るさの調整も必要なため、Irayレンダリングへの流用はおすすめできません。

『OOT Male Iray Lights』は、男性フィギュアに対して使うことを想定した、陰影のはっきりした「基本ライトタイプライトオブジェクト系ライトセット」です。バックライトやリムライトを使ったものが多く、暗闇に人物の輪郭が強く浮き上がるようなレンダリングになります。
lraylightsets_akikogen3_OOT.jpg
 レンダリング時間 5分35秒


 ●メッシュライトタイプ

 判別方法:キーワード「Mesh Light」

 調整方法:ライトオブジェクトをSurfacesタブで調節する、または付属の調節用プリセットを使う。

 長所:それぞれのライトオブジェクトの位置や角度、強さなどを自在に調節できる。ライトの大きさがプレビューに表示される。

 短所:各メッシュライトの向きの調節がしにくい。Irayプレビュー(Photorealモード)でないとプレビューでライティングが反映されない。

 オブジェクト全体または一部のマテリアルのエミッションをオンにすることで光らせ、ライトオブジェクトとするタイプのライトセットです。メッシュを大きくすることで、影のエッジがクッキリしないやわらかな光になっているのが特徴です。また、背景セットに組み込まれている場合も多く、シーンに即したライティングが構築しやすい傾向があります。

『Ultra Genesis Studio Vol 1 - Iray Box Lights』は、人物フィギュアのポーズに合わせて、ねそべり、顔アップ、バストアップそれぞれ4種類ずつ計12種類のライトセットその他を含んだ「メッシュライトタイプライトオブジェクト系ライトセット」です。
lraylightsets_akikogen3_ultra.jpg
 レンダリング時間 17分37秒

『Render Studio Iray』は基本的に「メッシュライトタイプライトオブジェクト系ライトセット」に入りますが、フォトスタジオの背景、カメラプリセット、メッシュライト(フィル、ヘア、キー、リム、サイドなど)など個々の要素を一つ一つ組み立てていくライティング構築キットのようなライトセットです(シーンプリセットも5種類あり、他商品に拡張キットもあります)。
lraylightsets_akikogen3_rstudio.jpg
 レンダリング時間 6分5秒



■環境ライティング系ライトセット

 初期ライティングと同様に、HDRイメージを使った環境ライティングをするタイプのライトセットです。いわゆるIBL(Image-Based Lighthing)で、背景画像にもなるという特徴があります。環境ライティングの調節にはRender SettingsタブのEnvironmentグループのプロパティを使うというのが設置ライトと大きく違うところです。

この記事ではその性質や用途の違いから「環境ライティング系ライトセット」をさらに3タイプにわけました。


 ●実写タイプ

 判別方法:商品ページの「What's Included and Features」に「Textures Include: ~ HDRI Maps」などと書いてある。サンプルイメージが明らかに実写背景。

 調整方法:Render SettingsタブのEnvironment>Dome>Dome Rotationで、環境マップを回転させる。ヘッドランプのオン/オフなど。

 長所:画像一枚で背景込みのフォトリアルなライティングができる。

 短所:ライトセットにシーンを合わせることになり、自由度が低い。

 HDRイメージとして撮影された風景写真を環境マップとして環境ライティングを行うライトセットで、簡単にフォトリアルなレンダリングができるのが特徴です。空と雲だけのものもここに入ります。
調整の難しいライトセットではありますが、シーンにばっちり合ったものが見つかればそれだけでOKになります。

『Iray HDRI: Apocalyptic Plant Indoors Set 2』は荒廃した工場のような屋内に外から光が差し込む5枚のHDRイメージが含まれた「実写タイプ環境ライティング系ライトセット」です。
lraylightsets_akikogen3_apocaly.jpg
 レンダリング時間 2分18秒


 ●色彩抽出タイプ

 判別方法:商品ページの「What's Included and Features」に「Textures Include: ~ HDRI Maps」などと書いてある。キーワード「Environment」

 調整方法:Render SettingsタブのEnvironment>Dome>Dome Rotationで、環境マップを回転させる。ヘッドランプのオン/オフなど。

 長所:設置ライトでは難しい、適度に色彩のある環境光が表現される。

 短所:ダイナミックレンジが低いものも多く、のっぺりとしたレンダリングになりがちになる。

 抽象的、抽出的な色彩パターンやカラー配色パターンのような画像を環境マップとして環境ライティングを行うライトセットで、シーンオブジェクトに適度な色付けや寒色系、暖色系といったシーンイメージの統一をしてくれます。
環境マップはLDRイメージ(JPGなど)あるいはダイナミックレンジの低いHDRイメージを用いるのが多いため、シーンオブジェクトを周囲からまんべんなく照らすものが多いライトセットです。

『Elianeck Lights Package for Iray』は設置ライトでは難しい色調を付加してくれる5種類のプリセットを含む「色彩抽出タイプ環境ライティング系ライトセット」です。
lraylightsets_akikogen3_einek0.jpg
 レンダリング時間 2分25秒


 ●輝度抽出タイプ

 判別方法:商品ページの「What's Included and Features」に「Textures Include: ~ HDRI Maps」などと書いてある。キーワード「Environment」

 調整方法:Render SettingsタブのEnvironment>Dome>Dome Rotationで、環境マップを回転させる。ヘッドランプのオン/オフなど。

 長所:複数の設置ライトの代わりになる。

 短所:基本的に白色光のみ。

 設置ライトを焼き込んだような画像を環境マップとして環境ライティングを行うライトセットで、複数の設置ライト代わりになるという使い勝手の良いライトセットです。

『iRadiance - Studio HDRIs for Iray』はライト焼き込み型の25種類もの環境マップを含む「輝度抽出タイプ環境ライティング系ライトセット」です。
lraylightsets_akikogen3_iradiance.jpg
 レンダリング時間 5分53秒



■ライトセットのアレンジ

 各ライトセットカテゴリの特徴などを挙げてきましたが、これらは組み合わせたり、補助ライトを設置したりすることでさらにシーンに合ったライティングに化ける可能性があります。もともとライトセット商品には各カテゴリのライトが混在しているものも多く、積極的に混ぜていって理想のライティングを構築するべきものです。

例えば、「基本ライトタイプライトオブジェクト系ライトセット」の『OOT Male Iray Lights』に「色彩抽出タイプ環境ライティング系ライトセット」を組み合わせて暗部を持ち上げ、色調を寒色系にシフトさせたのが次のレンダリング画像です。
lraylightsets_akikogen3_OOTplus.jpg
 レンダリング時間 7分51秒

おおむね「色彩抽出タイプ環境ライティング系ライトセット」はヘッドランプや補助のスポットライトと組み合わせることで、コントラストを補ったり、人物の肌にみずみずしさを加えたりすることが可能です。『Elianeck Lights Package for Iray』には、ボーナスとして補助の設置ライトを配置するプリセット「ElianceCK Bonus Light」が付属しており、それを用いたのが次のレンダリング画像です。
lraylightsets_akikogen3_einek.jpg
 レンダリング時間 3分54秒

 ところでライトセットをアレンジする場合に注意すべきことがあります。
「ライトオブジェクト系ライトセット」に共通して、各ライトがトーンマッピング設定のEV13(初期値)に合わせた明るさになっているということです。
露出の調整をしなくてよいのはありがたいのですが、現実のライトの強度としてはかなり高い数値(10万ルーメンとかです)になっていますので、サンスカイライトや「実写タイプ環境ライティング系ライトセット」と組み合わせるときには、ライトの強度の調整をしなくてはいけません。




今回ご紹介したライトセットはこちら

OOT Male Iray Lights

Ultra Genesis Studio Vol 1 - Iray Box Lights

Render Studio Iray

Iray HDRI: Apocalyptic Plant Indoors Set 2

Elianeck Lights Package for Iray

iRadiance - Studio HDRIs for Iray

今回の素材はこちら

Akiko for Mei Lin 7

Mei Lin 7

Trend Setter Outfit for Genesis 3 Female(s)

Razor-Cut Bob Hair for Genesis 3 Female(s)



テーマ : 3DCG
ジャンル : コンピュータ

Comment

No title

3Dlight時代のSkydomeTextureにもHDRIとして流用できるものが結構ありますね。
Intensityとかを調整しないとダメなものもありますが。

Dazのサイトを見るとPlatinumClubの会員なら、今日の新製品1つ購入でAlembic Exporter for DAZ Studio($3.15)とCarrara8.5Pro($1.13)のいずれか一方が大特価になりますねぇ~(^^;

Cyawcatさんご無沙汰しておりました。
そうですね、UberEnvironmentを使っているライトセットの流用なども実用的かどうか試してみたいところではあります。

セール情報ありがとうございます。記事にさせていただきました。
いわゆるサイバーマンデーですねー。ライトセットも50%~60%オフになるのでいくつか買い込んでしまいました。
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