FC2ブログ

DAZ Studioで人物が走るアニメーションを作る

Category : Tips
今回はこれまで紹介してきたDAZ Studio(以下DS)の機能を使って、フィギュアを走らせてみましょう。標準以外のプラグインは使わないで製作します。
DS標準では、キーフレームの確認はやり辛く、補間方法の選択をすることは出来ません。ドープシートやグラフエディタもありませんし、インバースキネマティクス(IK)はポーズを取る過程でしか使えません。それでもなんとかやってみようというのが今回の企画です。
使うツールはTimelineタブParametersタブ、ActivePoseツール、PowerPoseツールです。それぞれの詳細はリンク先をご覧下さい。

走りアニメーションの製作 SS

■キーフレームアニメーション

アニメーションを製作するには、キーとなるポーズをつなげていく事でオブジェクトを動かす、キーフレームアニメーションを用います。大雑把な言い方をすると、0フレームに立っているポーズ、60フレーム目に座っているポーズをキーフレームとして製作することで、立っている人物が座るアニメを作るわけです。キーフレームの間はフィギュアの各パーツの回転が補間されて動きます。さらにキーフレームを増やすことで、自然な動きを作ることが出来ます。

フィギュアにポーズをつけるのはDSで日常的にやっていることです。ただ、アニメーション制作の場合では気をつけておきたいことがいくつかあります。

 (1)動かすパーツを決めておこう。
  作業効率を考えると、フィギュアの各パーツをどのツールでポーズをつけるのか決めておくと良いです。

 (2)移動は腰部(hip)で
  のちのちaniMateのデータに変換することを考えると、フィギュアを移動させるにはルートではなく腰部(hip)のTranslationを使う方が良いです。

 (3)すべてのパーツにキーフレームを作ろう。
  DSでは、動かしたパーツのそのパラメータにキーフレームが作られる仕組みです。動かしてない部分はキーフレームが作られないので、できあがったアニメーションを再生してみると、思ったように動いていないということにもなります。これを予防する方法はあとで紹介します。

 (4)腰部(hip)からポーズをつけよう。
  腰部(hip)の回転はフィギュア全体の向きを決定します。言うまでもないことでしたね。

 (5)ビューポートにカメラビューはやめておこう。
  カメラの動きにもキーフレームがつきます。なので、隠れているパーツを見えるようにするためにカメラを動かしてしまうと面倒です。なのでPerspective ViewLeft Viewなどの基本ビューを使いましょう。

 (6)現在のフレームを常に意識しよう。
  今どのフレームで作業しているのかを常に気をつけておきます。キーフレームにする予定でないフレームで作業をしてしまうと、動きが変になってしまうからです。すでにあるキーフレームへの移動には、TimelineタブPrevious/Next Keyframeアイコンを使うと便利です。

 (7)ループモーションを作る時は10フレームから始めよう。
  DSではキーフレームを移動するのが大変です。また、0フレームより前にキーフレームを作ることは出来ないので、再生範囲外にキーフレームを作ることのあるループモーション(繰り返し再生するモーション。歩行や走行など)では、余裕を持たせて、開始フレームを10フレームにすることをオススメします。

 (8)Morphformsの扱いには気をつけよう。
  V4などのDAZフィギュアには、Morphs++を導入した場合にルートに「Morphforms」というパラメータが追加されます。これは、胴体や頭など、複数のパーツに回転が分担されている部位ををいい割合で回転させるために用意されたモーフです。きれいに胴体をそらしたりするのには便利なのですが、これは変形パラメータ(Bendなど)を動かす特殊なモーフなのです。ところがキーフレームはモーフとして扱われるため、Symmetryツールで左右反転させることが出来ません。但し、変形パラメータも連動するので、aniMateのデータへの変換は可能です。これを理解した上でお使い下さい。


■DSでアニメーション製作する時のTips

・関節の可動範囲を制限するには
フィギュアを選択した状態で、Parametersタブのオプションで Limits > Limits On (Rotation) を行います。これで関節がありえない方向に曲がらないようになります。何かの拍子に外れてしまうことがあるので、変に思ったら同じ様にリミットをかけてください。

・フィギュアを接地させるには
Parametersタブのオプションで Move to Floor を行うと簡単です。

・すべてのパーツにキーフレームを付けるには
Parametersタブのオプションで、Memorize > Memorize Figure したのち Restore > Restore Figure を行います。これでフィギュアのすべてのパーツのParametersタブに表示されるパラメータすべてにキーフレームが付きました。モーフは一切使っていないという場合は、Figure Poseのほうでも結構です。

・フィギュア全体のキーフレームをコピーするには
コピー元のフレームでParametersタブのオプションから Memorize > Memorize Figure し、コピー先のフレームに移動してから Restore > Restore Figure を行います。モーフは一切使っていないという場合は、Figure Poseのほうでも結構です。

・キーフレームを削除するには
TimelineタブDelete Keysアイコンをクリックすると選択されているパーツの現在のフレームのキーを削除します。フィギュアのすべてのパーツのキーフレームを削除したい場合は、SceneタブでルートからeyeBrowまでをShiftキーを使って全選択して下さい。


■走るアニメーションの製作(前編)

では実際に人物が走るアニメーションを作っていきましょう。
製作するに当たって、『ぽんぬ☆じゃけん』さんの「走るアニメに挑戦しよう!」を参考にさせていただきました。

 ・今回の製作上の決め事
フィギュアはAiko4ベースのキャラクターAnny
フレームレートは30fps
総フレーム数は31フレーム。ただし10フレームから3フレームごとにキーフレームを製作
キーとなるポーズは3つ。それを左右反転させて全6ポーズ。
レンダリング範囲は10~27フレーム
足はActivePoseツールでIKを利用してポーズつけ。
その他のパーツは回転ツールまたはParametersタブのRotationを使用。
とりあえず移動はさせず、その場で足踏みループにする

0フレーム:
まず最初のポーズ、右足を前へ思い切り伸ばしたポーズです。
走りアニメーションの製作:10フレーム

10フレーム:
0フレームでMemorizeして10フレームでRestoreすることでキーフレームをコピーします。
フレームの移動にはTimelineタブを使ってください。
なぜ最初から10フレームで作業しないかと言うと、0フレームがZeroポーズ(フィギュアを読み込んだ時のポーズ)ですでにキーフレームが作られているからです。10フレームを0フレームにコピーしてもいいんですけどね。

13フレーム:
しゃがむポーズです。
結構足首の可動範囲が狭いですね。すべてのパーツにキーフレームをつけておきます。
走りアニメーションの製作:13フレーム

16フレーム:
地面を蹴って伸びるポーズです。
すべてのパーツにキーフレームをつけておきます。
走りアニメーションの製作:16フレーム

ここまでで基本3ポーズは完了です。

19フレーム:
10フレームをコピーしてきます。そしてポーズの左右反転をするのですが、どうするかと言うと…


■Symmetryの使い方

Parametersタブのオプションメニューに、Symmetryというツールがあります。これは、フィギュアのポーズを左右入れ替えるなどの働きをします。ただ、設定項目が多いので、ここで使い方を解説したいと思います。

・NodesSelectedを選ぶと選択しているパーツのみ、Rootを選ぶとフィギュアのルートを処理します。
・PropagationNoneにすると「Nodes」パラメータの対象のみ、Recursiveにするとチャイルド階層すべてを含め処理します。
・Direction左側を右側へコピー(Left to Right)、右側を左側へコピー(Right to Left)、左右を入れ替える(Swap Left and Right)が選べます。
・Trunk Nodesフィギュアの中心線にある胴などの1つしかないパーツの処理をどうするかを選びます。何もしない(Leave Alone)、Y軸・Z軸の回転を反転する(Mirror Y|Z Rotations)、Y軸・Z軸の回転を0にする(Zero Parameters)が可能です。
・Left(Right) Node Prefix左(右)側のパーツに付く接頭語です。ツールがパーツの左右を判別する基準になりますので、フィギュアに合わせて追加が必要です(;で単語を区切ります)。一般的なフィギュアならすでに登録してあるもので十分です。
・Transformsパーツの変形要素から、処理するものを選択できます。回転情報のみ反転したい、などの時に設定します。

フィギュアのポーズを左右反転させたい時のパラメータの設定はこのようになります。
Symmetryツール ポーズ左右反転

ダイアログのPreferencesタブの「Set Preferred Options on Accept」にチェックを入れておくと、Acceptボタンを押した時の設定が保存されるのでご活用下さい。
他にも、例えばフィギュアのabdomen(腹)を選択して「Nodes」をSelectedに、「Propagation」をRecursiveにすると、上半身のみにSymmetryをかけることが出来ます。


■走るアニメーションの製作(後編)

では続けます。

22フレーム:
13フレームをコピーしてSymmetryで左右反転します。

25フレーム:
16フレームをコピーしてSymmetryで左右反転します。

28フレーム:
10フレームをコピーします。ここで1ループして最初と同じポーズになります。

ではアニメーションを再生してみます。その前にTimelineタブのレンダリング範囲を1ループである10~27にするのをお忘れなく。表示が間引かれてよく分からないという場合は、ビューポートの描画スタイルをSolid Bounding Boxにしてみてください。描画スタイルについてはコチラをご参照下さい。
走りのような短い動作では分かりにくいかもしれませんが、ループの切れ目で少し動きが途切れる傾向があります。これを無くし、滑らかにループするようにするために、さらにキーフレームを増やします。

7フレーム:
25フレームをコピーします。

31フレーム:
13フレームをコピーします。

レンダリング範囲の前後にもキーフレームを作ることで、継続した動きにすることが出来ます。
他にも、キーフレーム間で足が地面を突き抜けているフレームがありましたので、ActivePoseツールで修正しました。

0フレーム:
最初のポーズが変わってしまったので、7フレームをコピーします。

そして出来上がったアニメーションがこちらです。



Character:MH Anny for V4A4
Hair:Amy Hair
Costume:Hongyu's Cheongsam for V4 , ASC 01: Dark Kingdom , Dance Studio Gear
Shader:pwToon , pwCatch




今回の画像の素材はこちら
MH Anny for V4A4
MH Anny for V4A4
AD Hongyus Cheongsam for V4
Hongyu's Cheongsam for V4
AD ASC 01 Dark Kingdom
ASC 01: Dark Kingdom


Dance Studio Gear

AD Amy Hair
Amy Hair



Comment

いつもながらの素晴らしい解説有り難うございます!

使った素材の紹介も密かな楽しみだったりします( ゚∀゚)b

DAZの製品ページやニュースレターにも使った製品名が載るようになってきましたね。自分もそうですが、結構気になることなのかもしれません。髪は特に持ってないと、どれを使っているかわかりにくいですし。

私事ですが、マンスリーとD|Sギャラリーで入選出来ました。
合計$50ものバウチャーを貰えたのは、ひとえにkotozone様の
お陰です!ありがとうございました!!
これからも、色々と勉強させてくださいませ。( ・`д・´)b

それすごいですね!
おめでとうございます。
これはoronineさんの自由な発想と技術の結果だと思います。あの猛者ぞろいのギャラリーに入選されるとは、ほんと素晴らしいです
非公開コメント

著書
カレンダー
09 | 2019/10 | 11
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
検索フォーム
プロフィール

Kotozone

Author:Kotozone
製品の取扱説明書を読むのが大好きです

FC2ブックマーク
最新記事
カテゴリ
タグリスト

DSプラグイン V4 ライト マテリアル DSシェーダ DS基本 セール Genesis IBL アニメーション タブ解説 iray LuxRender ダイナミッククロス スクリプト Genesis2 ShaderMixer セットアップ バージョンアップ Download レタッチ カスタマイズ トゥーン SSS Photoshop ウェイトマップ NGM ファー 物理シミュレーション ERC D-Form Miki2 IDL 大気 M4 カラーコレクション ボリューム Hexagon Terrain パーティクル Genesis3 モーフセット Genesis8 V5 カメラ アナグリフ インスタンス GIMP 3Dプリント ロボット RAMDisk SLG ダイナミックヘア K4 V8 Python モーションキャプチャ Linux 日本語訳 

最新コメント
リンク
月別アーカイブ
ご意見ご感想はこちらに

名前:
メール: 
件名:
本文: 

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

最新トラックバック
FC2カウンター