DAZ Studio(以下DS)のダイナミッククロスプラグイン
『Dynamic Clothing Control』について今回は、生地のプロパティについて解説します。
Dynamic Clothingタブ内のPanelタブで表示されるプロパティについて、検証画像とともに解る限り書いていきます。
■Panelプロパティプラグインやダイナミッククロス(DC)製品についてくる「QuickStartDocumentation.pdf」を参考にしつつ解説していきます。今回の説明はあくまで私が検証した結果を含んでいますので、間違っている部分もあるかと思います。ご了承下さい。
まずはプロパティの訳とLimitをONにした時の数値の限度範囲を示します。
プロパティ | 日本語訳 | 範囲 |
・Bend Resistance | 曲げ抵抗 | 1~5000 |
・Shear Resistance | せん断抵抗 | 1~5000 |
・Stretch X Resistance | X軸伸び抵抗 | 1~5000 |
・Stretch Y Resistance | Y軸伸び抵抗 | 1~5000 |
・Damping | 減衰 | 0.01~100 |
・Shrink X% | X軸収縮 | -30~30 |
・Shrink Y% | Y軸収縮 | -30~30 |
・Weight | 重さ | 1~1000 |
・Friction | 摩擦 | 0~2 |
■各プロパティの意味布の生地の変化を見てわかるように、
『Dynamic Tablecloth』をシーツに見立ててこんなシーンを作ってみました。

プロパティの中にはX軸とY軸の2つを持つものがありますが、オブジェクトのTranslationの軸とは違い、(この場合は)画像のようになっています。
テーブルクロスを読み込んだままの状態で
Drapeすると、この様なひだができます(これ以降、Weightプロパティのもの以外は2回Drapeしています)。

※新しいウィンドウで開き、横に置いて見比べつつお読み下さい。
・Bend Resistance曲げ抵抗。数値が高いほど布が曲がらなくなると解説されていますが、今回の検証では差がわかりませんでした。アニメーション時に影響するのかもしれません。
・Shear Resistanceせん断抵抗。数値が高いほど布が曲がらなくなります。数値MAX(最大)ではひだが大きく硬くなっているのに対して、数値MIN(最小)では胸からひざにかけた布が滑らかに曲がっているのがわかると思います。
・Stretch Resistance伸び抵抗。X軸方向とY軸方向の2つのプロパティがあります。低いほど布が伸びやすくなります。低くしすぎるとスカートなどはずり落ちてしまいます。画像では、数値MINの時に軸の方向に伸びているのがわかると思います。

・Damping減衰。車のショックアブソーバのような効果とありますが、今回の検証では差がわかりませんでした。アニメーション時に影響するのかもしれません。
・Shrink収縮。X軸方向とY軸方向の2つのプロパティがあります。高いほど布が縮もうとします。マイナスの数値にすると逆に伸びますが、少し不安定な動きをしました。-2より低くするとエラーでシミュレート出来ませんでした。セーターなど、ぴったりフィットする服に設定すると良さそうです。X軸はひじを曲げた時などに、Y軸は腹を曲げた時などに重要とあります。画像ではX軸5%時にひざの先の布が少し短くなっているのがわかるかと思います。
・Weight重さ。数値が高いとどすんと、低いとふぁさっと布が落ちてきます(わかりにくい擬態語で申し訳ないです)。かなり違いが出てくるのが画像でわかりますね。数値を低くした時はなかなか布が落ちてこず、何度も
Drapeする必要がありました。
・Friction摩擦。数値が高いほど他のオブジェクトとの摩擦が大きくなります。0にするとまったく摩擦がなくなります。これもわかりやすいですね。画像では数値MAX時に胸とひざで布が完全にホールドされているのに対して、数値MIN時にはまったく張りがなく、ひざにかかった布がずり落ちそうになっています。

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